設備保全管理システムとは?コスト削減した3事例とおすすめ5製品

「紙とExcelへの入力が手間……」
「自動で保全スケジュールを組んでほしい」

現場のデータを一括管理し、点検時間とコストを削減、トラブル前の予防保全ができる設備保全管理システム。その導入メリットから導入事例、自社に最適なシステムの選び方、注意点まで、攻めの保全へ移行する具体的な道筋を紐解いていきましょう。

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設備保全管理システムとは?できること

設備保全管理システムとは、設備や機械の保守点検情報を一元管理し、故障予防から修理履歴、部品在庫、コスト管理まで総合的にサポートするシステムです。紙やExcel管理では限界があった保全業務を見える化することで、設備の安定稼働と保全コストの最適化を実現します。

1. 紙やExcelでの情報管理をなくす

メンテナンス保守機能の実画面

紙の点検表を探し回ったり、複数のExcelファイルを突き合わせたりする時間は、本来の保全業務に充てるべき時間です。そこで設備保全管理システムでは、すべての情報をクラウド上で管理し、必要な情報に瞬時にアクセスできる環境を提供しています。

デジタル化による具体的なメリット

  • 現場で入力した点検結果がリアルタイムで反映される
  • 設備名や故障症状で瞬時に過去データを検索できる
  • 月報や年報を自動生成、報告書作成の工数を削減する
  • 紙の保管スペースが不要、印刷コストも削減できる

2. 突発故障を減らし計画保全へ移行

火消しに追われる事後保全から、予防的な計画保全への転換も、設備保全管理システムの役割です。設備の稼働データや点検結果を分析し、故障の兆候を早期に発見されるように設定できます。

計画保全への移行をサポートする主な機能

  • 法定点検や定期メンテナンスを自動スケジューリング
  • 点検期限や部品交換時期を事前アラートで通知
  • 累積稼働時間に基づく最適な保全タイミングを提案
  • 振動や温度データから故障確率をAIで予知保全

3. 属人化した保全業務からの脱却

「ベテラン保全員の人しかわからない」「新人に教える時間がない」といった声は、多くの現場で聞かれる悩みです。設備保全管理システムは、保全ノウハウをデータベース化することで、誰もが同じレベルの保全作業を実施できる環境を整えます。

機能効果
作業手順書の電子化写真や動画付きで標準作業を共有、新人でも迷わず実施可能
トラブル対応履歴の蓄積過去の故障事例と対処法を即座に検索、経験値を組織で共有
スキルマップ管理作業員の習熟度を可視化、最適な人員配置を実現
チェックリスト機能点検項目の抜け漏れを防止、品質を均一化

特に重要なのは、暗黙知を形式知に変換する点です。特定の人の頭の中にしかなかった「この音がしたら要注意」といった感覚的な判断基準も、音声データや振動データとして共有できるようになります。

4. メンテナンスコストを可視化する

保全にいくら使っているかわからないという状況では、コスト削減も進みません。設備保全管理システムは保全コストの内訳を詳細に可視化し、データに基づいた意思決定を可能にします。

分析項目詳細
設備別保全コストコストが高い設備を特定し、更新時期を検討
部品在庫コスト適正在庫を算出し、過剰在庫を削減
外注費用分析内製化すべき作業を判断
故障損失金額投資対効果の高い改善施策を選定
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設備保全管理システムのDX事例3社

CASE1. 月単位の定期案件の日程振り分けが格段に楽に

大芝水工株式会社の作業車
大芝水工株式会社(排水設備の維持管理・清掃)
取締役 高瀬様

導入前の悩み

カレンダーに予定は入れられても、「誰が行くのか」は個別にLINEで連絡しなければならず、現場名や日付をすべて手入力していました。毎月の定期案件も一つ一つ手作業で登録する必要があり、案件が増えるにつれて負担は増大する一方でした。

取締役 高瀬様

導入後の変化

月単位で案件を登録しておいて、後から具体的な日付を振り分けていく作業も格段に楽になりました。以前は紙に書き出して修正テープで消しながら調整していたのが、今はドラッグ&ドロップで簡単に変更できます。

取締役 高瀬様

プロワンのカレンダー画面。月表示に案件の予定が並ぶ
案件の予定をカレンダーで振り分ける画面

現場で起きた主な出来事

  • これまでフォルダ管理していた情報が、案件に紐づいて履歴として残るので、お客様から過去の経緯を聞かれても即座に回答できるようになった
  • 以前は案件名に「(仮)」と入れて管理していましたが、見逃しも多く……今は視覚的に判断できるので、そういったミスがなくなった

※ プロワン導入事例「大芝水工株式会社」2025年9月

CASE2. 業務用エアコンの設置2年後に通知が出る設定に

社屋の前に並ぶアゲダ空調食品設備株式会社の皆さま
アゲダ空調食品設備株式会社(冷凍冷蔵・空調設備)
常務取締役 呉屋様

導入前の悩み

実は当社には、家電量販店のルームエアコン取付を担当する「家電部」が20名ほどいるんですが、夏は忙しくて冬は手が空くという課題があります。

常務取締役 呉屋様

導入後の変化

そこで今、業務用エアコンを設置した2年後にアラート通知が出るよう設定しています。

常務取締役 呉屋様

リマインドのアラート設定画面で通知の周期と送付先を選び、届いた通知から該当の案件一覧に移る流れ
通知の条件と送り先を決めてアラートを設定する画面

現場で起きた主な出来事

  • 「担当者未定」といったフェーズを設けることで、差配が必要な案件が一目でわかるようになった
  • 場所や担当者を問わず、誰もが常に最新の統一された価格にアクセスできるため、業務の属人化が解消され、精度の高い見積もりを迅速に作成できる体制が整った

※ プロワン導入事例「アゲダ空調食品設備株式会社」2025年12月

CASE3. 施工履歴から「10年点検」を提案できるように

天井埋め込み型エアコンを点検する株式会社太陽プラントの作業員
株式会社太陽プラント(空調設備工事)
東京支店 石川様

導入前の悩み

特に顧客情報は単なるリストでしかなく、「このお客様に10年前に設置したエアコンの交換提案をしよう」と思っても、過去の膨大な資料をさかのぼる必要がありました。事実上、戦略的な営業活動ができていませんでした。

東京支店 石川様

導入後の変化

これまで単なるリストでしかなかった顧客情報が、案件と紐づけて管理できるようになりました。お客様ごとの施工履歴が簡単に確認できるので、「そろそろ10年経つので点検はいかがですか」といった提案型の営業も可能です。

東京支店 石川様

現場で起きた主な出来事

  • 最近連絡がないお客様の把握もできるようになり、既存顧客のフォロー体制が格段に向上した
  • 顧客情報画面を見れば、そのお客様の過去の案件履歴がすべて紐づいている

※ プロワン導入事例「株式会社太陽プラント」2025年12月

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設備保全管理システムを選ぶ4つのポイント

1. 解決したい課題で必要な機能を選ぶ

重要なのは自社の課題を明確にし、それを解決できる機能を持つシステムを選ぶことです。「高機能だから」という理由だけで選ばずに、必須機能を決めましょう。

優先課題必須機能あると良い機能
突発故障の削減故障履歴管理、予知保全IoT連携、AI分析
属人化の解消作業手順書管理、ナレッジ共有動画マニュアル、スキル管理
コストの削減コスト分析、在庫管理発注システム連携
法令遵守の徹底点検スケジュール管理、アラート監査証跡機能

自社の現状分析をし、解決すべき課題の優先順位を明確にしてから、システムの機能要件を定めることが成功への第一歩となります。

2. 現場の誰もが直感的に使えるか

どれほど高機能なシステムでも、現場作業員が使いこなせなければ意味がありません。特にITリテラシーにばらつきがある製造現場では、操作性の良さが定着の鍵を握ります。

使いやすさのチェックポイント

  • アイコンや色分けで視覚的にわかりやすいか
  • タップやプルダウンで簡単に入力できるか
  • スマホやタブレットで快適に操作できるか
  • 自社の用語や業務フローに合わせて画面を調整できるか

実際に無料トライアルやデモを活用し、現場の作業員に触ってもらうことを推奨します。「これなら使える」という現場の声があって初めて、導入を決定しましょう。

3. クラウド型かオンプレミス型か

システムの提供形態は、導入コストや運用負荷に大きく影響します。クラウド型を選択する企業のほうが多く、初期投資を抑えられて、メンテンナンスも対応不要なことがメリットです。

比較項目クラウド型オンプレミス型
初期費用低い(月額数万円〜)高い(数百万円〜)
導入期間短い(1〜3カ月)長い(3〜6カ月)
カスタマイズ制限あり自由度高い
セキュリティベンダー依存自社管理可能
保守運用ベンダー対応自社か外注

4. 既存システムとスムーズに連携できるか

設備保全管理システムは、単独で使うよりも他システムと連携することで真価を発揮します。特に生産管理システムやERPとの連携は、業務全体の効率化に直結します。

重要な連携確認項目

  • 標準的なAPIで他システムとデータ連携できるか
  • CSVやExcel形式でのデータ入出力に対応しているか
  • 自社が使用しているシステムとの連携事例があるか
  • ベンダーが連携設定を支援してくれるか

おすすめの設備保全管理システム5製品

製品1. シンプルで中小企業に最適なMENTENA

MENTENA

MENTENAは、中小製造業に必要な設備保全と管理ができる機能を厳選し、シンプルな操作性と低コストで設備の安定稼働を実現する設備保全管理システムです。

利用カテゴリ具体的な機能
設備管理設備台帳管理、設備情報の一元化、機器仕様登録、設置場所管理
保全計画点検スケジュール作成、定期点検管理、保全カレンダー、作業指示書発行
履歴管理故障履歴管理、修理記録保存、部品交換履歴、保全コスト集計

特筆すべきは、直感的に操作できるシンプルな画面設計です。普段Excelを使っている現場でも、違和感なく移行できます。

※ 2026年9月時点

製品2. 大規模工場向け高機能システムIBM Maximo

IBM Maximo

IBM Maximoは、1,000台以上の設備を持つ大規模工場において、予知保全からリスクベース保全まで、あらゆる保全戦略を統合的に実現する世界標準の設備保全管理システムです。

利用カテゴリ具体的な機能
保全管理予知保全、予防保全計画、故障履歴管理、作業指示書発行
資産管理設備台帳管理、ライフサイクル管理、信頼性中心保全(RCM)、リスク評価
資産運用IoT連携によるリアルタイム監視、AI分析による故障予測、KPI分析

ライセンス費用や導入費用は高額になりますが、大規模工場では投資対効果が十分に見込めます。IBMやパートナー企業による専任のサポートチームが、導入から運用定着まで伴走してくれる点も心強いポイントです。

※ 2026年9月時点

製品3. AIによる予知保全で一歩先へImpulse

Impulse

Impulseは、AI技術を活用してセンサーデータから設備の異常を早期検知し、故障を事前に予測することで、計画的な保全活動を実現する予知保全特化型の設備保全管理システムです。

利用カテゴリ具体的な機能
設備監視リアルタイム異常検知、振動・温度・電流センサー連携、PLCデータ統合
保全計画故障予測分析、メンテナンススケジュール最適化、予防保全タイミング提案
経営故障リスクダッシュボード、保全コスト分析、設備稼働率レポート

特に回転機械の故障予測に強みがあり、ポンプやモーターを多数使用する工場で高い評価を得ています。突発故障による損失が大きい企業には、十分な投資価値があります。

※ 2026年9月時点

製品4. ERP連携に強い設備保全管理システムSmartFAM

SmartFAM

SmartFAMは、SAPやOracleなどの主要ERPとシームレスに連携し、保全業務から経営レベルでの設備資産管理まで、エンタープライズ全体の設備保全管理を統合的に実現するオールインワン型システムです。

利用カテゴリ具体的な機能
保全保全計画策定、点検履歴管理、故障予知分析、部品在庫管理
生産MES連携、生産計画と保全計画の自動調整、設備稼働監視、OEE分析
経営減価償却・固定資産管理連携、設備ROI分析、経営ダッシュボード、購買プロセス統合

大手企業の基幹システム刷新プロジェクトの一環として導入されることが多く、全社的なDX推進に貢献します。導入には中長期的な計画が必要ですが、業務プロセス全体の最適化が実現できます。

※ 2026年9月時点

製品5. 設備管理の全工程をまかなうプロワン

プロワン
設備保全管理ができるシステム「プロワン」

プロワンは、設備工事やビルメンテナンスなど、設備管理の業務に必要な機能を1つのプラットフォームで提供し、顧客管理から施工、保全、経営分析まで一気通貫で支援します。

利用カテゴリ具体的な機能
営業顧客履歴管理、メンテナンス提案、進捗管理、最適タイミングでのアプローチ
現場施工管理、設備点検記録、発注管理、タブレット・スマホ対応、オフライン利用
経営原価・利益分析、稼働状況可視化、請求管理、リアルタイムデータ分析

導入前は、設備管理の各工程で異なるツールやExcelファイルが乱立し、顧客の設備履歴や保全計画が属人化していました。それがプロワン導入により、設備の施工から保全まですべての情報が一元管理され、最適なタイミングでのメンテナンス提案が可能になります。

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設備保全管理システムのQ&A4選

── 導入にはどのくらいの費用がかかる?

企業規模やシステムの機能により大きく異なりますが、一般的な費用目安は以下の通りです。

項目クラウド型オンプレミス型
初期費用0〜200万円 (設定費用、データ移行費用など)500万〜3,000万円 (ライセンス、サーバー、構築費用)
月額費用1万〜5万円 (ユーザー数や機能による)–
年間保守費用–初期費用の15〜20%
年間トータルコスト12万〜700万円程度575万〜3,600万円程度
5年間トータルコスト60万〜3,100万円程度1,000万〜5,000万円程度

費用対効果を考える際は、削減できるコストも含めて検討することが重要です。保全工数削減、故障損失削減、在庫削減などを含めると、多くの企業で1〜2年での投資回収を実現しています。

── 既存の紙やExcelの記録を移行するのは大変ではないか?

データ移行は確かに大きな作業ですが、適切な準備と手順を踏めば、スムーズに実施できます。

データ移行の実施手順

  • 移行対象データの範囲を決定(過去3年分など)する
  • 重複や不整合データを事前にクレンジングする
  • 重要度の高いデータから段階的に移行する
  • 新旧システムを一定期間並行運用して検証する

多くのベンダーがデータ移行支援サービスを提供しており、CSVテンプレートやデータ変換ツールを活用できます。例えば、10年分の保全記録を2カ月で完全移行した実績があったりします。

── 導入したが現場で定着しないケースは?

最も多い失敗パターンが、システムは導入したものの、現場で使われずに形骸化してしまうケースです。高額な投資が無駄になるだけでなく、現場の士気低下にもつながりかねません。定着しない主な原因と対策は次の通りです。

原因対策
現場の意見を聞かずに導入する選定段階から現場メンバーを巻き込む
十分な教育をしない段階的な研修プログラムを実施
従来業務との二重管理する完全移行までのロードマップを明確化
メリットを実感できない小さな成功体験を積み重ねる

成功企業では、各部署から選抜された推進メンバーが、現場の声を吸い上げながら、システムの浸透を図る仕組みを取っています。

── 情報漏洩のリスクなどセキュリティ対策は万全か?

セキュリティは最重要課題であり、信頼できるベンダー選定が不可欠です。以下の点を必ず確認しましょう。

セキュリティチェック項目

  • ISO27001認証取得のデータセンターでの運用
  • SSL/TLS暗号化通信の実装
  • IPアドレス制限や二要素認証によるアクセス制御
  • 日次バックアップと災害時復旧計画
  • 操作ログの記録と不正アクセス監視

さらに情報セキュリティ契約の内容も重要です。データの所有権、損害賠償条項、監査権限などを明確にしておきましょう。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。