「DX化できても、売上が増えるイメージがない」
「導入コストのほうが高くて、損しそう」
そこで、DXの具体的なメリット5選と、DXによる成功事例3選をベースに、自社への展開を検討してみましょう。
DXの事例や機能を1冊に、「DXまるわかりガイド」全67ページ
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メリット1. 業務効率化で生産性が向上する
DXの最もわかりやすいメリットは、劇的に業務効率化できて生産性が向上する点です。特に「人を減らす」ではなく「人にしかできない仕事に集中させる」という意識が重要であり、例えば、店舗経営におけるDX化前後の数値は以下のように変化します。
| 業務 | DX化前 | DX化後 | 削減効果 |
|---|---|---|---|
| データ入力 | 1日8時間 | 1日0.5時間 | 93%削減 |
| 在庫確認 | 1回2時間 | リアルタイム | 100%削減 |
| 会議の日程調整 | 1件30分 | 1件3分 | 90%削減 |
| 請求書処理 | 3人×5日 | 1人×1日 | 月280時間削減 |
日本の生産年齢人口は、2020年の7,406万人から2040年で5,978万人に減少する見込みです(※1)。この課題に対して、飲食店DXでは「ロボット導入で生産性向上」、物流DXでは「AI配送最適化で配送件数増加」、介護DXでは「見守りセンサーで夜勤負担を大幅軽減」といった変化が起きています。
メリット2. コストを削減し、利益率が改善する
東京商工会議所の調査では、デジタルシフトに取り組んだ中小企業のうち81.0%が「業務効率化の効果を実感した」と回答しています(※2)。中小企業白書でも、デジタル化が進んでいる企業の約60〜70%が「コスト削減効果を実感」と回答しています(※3)。
具体的には「事務作業が50%削減」「残業が70%近く減少」といった成果です。DX化は攻めだけでなく、守りにも強い効果を発揮することがわかるでしょう。紙・印刷費、移動費、人件費など、これまで「仕方ない」と思われていたコストを構造的に削減できます。
| コスト項目 | DX化前 | DX化後 | 削減効果 |
|---|---|---|---|
| 紙・印刷費 | 月15万円 | ほぼゼロ | 100%削減 |
| 交通費・出張費 | 月間20万円 | Web会議に移行 | 60%削減 |
| 残業代 | 1人月40時間 | 1人月15時間 | 62%削減 |
| 外注費(データ集計など) | 年間120万円 | 社内ツールで完結 | 100%削減 |
※2 東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」 2025年1月時点
※3 中小企業庁「2022年版 中小企業白書」
メリット3. 新しい商品やサービスを生み出す
DXは既存業務の改善だけでなく、新しい商品やサービスからビジネスチャンスを生み出します。例えば、タクシー業界では交通DXにより、配車アプリで「スマホ予約、事前ルート確認、自動決済、相乗りサービス」までを実現しました。
新しいビジネスチャンスの例
- データ分析で顧客の行動パターンから潜在ニーズを発掘する
- 異業種連携で想定外のサービスを実現する
- 一人ひとりに最適化された体験を提供する
- 世界中の顧客と接続して、 物理的制約の突破する
DX化が進んでいる結果、EC利用率は14年で4.4%から9.4%(※4)、キャッシュレス決済は10年で16.9%から39.3%(※5)、動画配信サービスは10年で7.9%から45.6%(※6)へ急増しており、この変化に対応できない企業は確実に選ばれなくなっていきます。
※4 経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
※5 経済産業省「2023年 キャッシュレス決済比率」
※6 総務省「令和5年 通信利用動向調査の結果」
メリット4. 顧客満足度が上がり、選ばれ続ける
DX化の最終的なゴールは、社内の効率化ではなく顧客に届ける価値の最大化です。デジタル技術を活用することで、顧客との接点が質・量ともに大きく変わります。
| 変革ポイント | DX化前 | DX化後 |
|---|---|---|
| 問い合わせ対応 | 電話のみ、営業時間内 | チャットボットで24時間対応 |
| 提案の精度 | 担当者の経験頼み | 購買データに基づくパーソナライズ提案 |
| アフターフォロー | クレーム発生後に対応 | 利用状況を分析し、不満の兆候を事前にキャッチ |
実際にCRMやMAツールを活用して成果を上げた企業も増えています。靴の通販企業であるヒラキ株式会社では、顧客の購買データを分析し、購入タイミングに合わせたOne to Oneメール配信を開始した結果、メール経由の受注額が前年比1.8倍に増加しました(※7)。

大手家電メーカーのパナソニック インダストリー株式会社では、デジタルの相談窓口を利用した顧客のNPS(顧客推奨度)が、未利用の顧客と比べて3〜4倍高いことが判明し、デジタル接点の強化に踏み切っています(※8)。

※7 シナジーマーケティング「ヒラキ株式会社 導入事例」
※8 HubSpot「パナソニック株式会社 CRM活用事例」
メリット5. 組織が変化や競争に強くなる
最も重要でありながら見落とされがちなDXのメリットが、持続的に成長する企業体質を作れることです。DX化による組織変革の3つのポイントは次の通りです。
| 変革ポイント | DX化前の組織 | DX化後の組織 |
|---|---|---|
| 意思決定 | 経験と勘に依存 | データに基づく客観的判断 |
| 部門連携 | 縦割りで情報共有が遅い | リアルタイムで全社連携 |
| 変化対応 | 対応に時間がかかる | 素早く柔軟に適応 |
実際、DX化できた企業はオンライン営業やリモートワークに移行し、過去のコロナ禍でも業績を伸ばした実績があります。社員一人ひとりがデジタルツールを使いこなし、小さな実験を繰り返す文化が定着すると、組織は成長し続けます。
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事例でわかるDXのメリット3選
CASE1. 外構・エクステリアにおける株式会社アライアルミの事例

外構・エクステリア業を営む株式会社アライアルミは、業務管理システムを導入し、分散していた情報の集約と現場との連携を強化しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
| 案件管理 | 月50〜70件の案件をまとめて管理 | 情報の混乱がなくなった |
| 見積もり比較表 | 複数の見積もりを1枚に集約 | お客様にも担当者にも見やすくなった |
| 現場アプリ | 修理・工事情報をその場で共有 | 請求漏れがなくなった |
請求内容のズレに関するお客様からの指摘がなくなり、管理体制のずさんさを解消しました。法人顧客は2〜3社から10〜15社まで拡大しています。
外構・エクステリアでの具体的な変化
- タスク・スケジュール・経理をひとつのシステムにまとめ、管理の手間が減った
- 現場で起きた修理・工事の情報が事務に確実に届く体制ができた
- 個人・法人顧客の情報をまとめて管理し、顧客分析に取り組みやすくなった
CASE2. 住宅設備における嶺岡設備株式会社の事例
住宅設備や機器設置の工事を手掛ける嶺岡設備株式会社は、案件管理システムを使って、複数のスプレッドシートによるバラバラな管理から切り替えました。具体的なシステムの活用方法は主に3つです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
| 案件作成 | 見積書・請求書・発注を1つの画面で作成 | 転記作業が大きく減った |
| 顧客データ管理 | 月400件の案件情報をまとめて管理 | 現場の対応がスムーズになった |
| 写真管理 | 工事完了写真を案件単位で管理 | LINEアルバムへの分散がなくなった |
成約率69%という驚異的な数字を誇り、関西から関東へと事業を拡大しています。今までの8枚も10枚もあったシートを行き来する非効率な業務が解消され、業務のDX化を達成しました。
住宅設備での具体的な変化
- 営業と工事部門の行き違いがなくなり、顧客対応がスムーズになった
- 冬の繁忙期でも1日5件の対応を、少人数でこなせている
- エリアごとの反響・売上データをもとに、関東市場への投資判断が進んだ
CASE3. 清掃・産業廃棄物業における株式会社大阪マルカンの事例

清掃・産業廃棄物収集運搬を手がける株式会社大阪マルカンは、オールインワンシステムによって、見積作成から売上集計・書類管理まで業務全体をデジタルにまとめました。システムによる主な効果は次のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 見積作成のスピードアップ | 過去の案件を呼び込んで見積もりを素早く作成 | 40分かかっていた作業が3分で終わるようになった |
| 売上の自動集計 | ボタン1つで日々の売上データを確認 | 毎日1〜1.5時間かけていた手作業がなくなった |
| 書類検索のデジタル化 | 産業廃棄物管理票を案件に紐づけてまとめて管理 | 半日かかっていた書類検索が数分でできるようになった |
紙やExcelに散らばっていた情報をひとつにまとめたことが、DXの大きな一歩となりました。現在は各事業責任者が自らデータを分析できる組織への変革を目指しています。
清掃・産廃業での具体的な変化
- 急な受注依頼にも、その場でスケジュールを即答できるようになった
- 元請ごとの売上推移がグラフで見えるようになった
- 全社で月50時間以上が生まれアフターフォローサービスを始められるようになった