情報共有できない・しにくい職場とは?5つの原因と3つの改善例

「タスクの進捗がわからない」
「最新データが遅れてわかる」

情報共有ができない本当の原因から、自社の状態を測るセルフ診断、改善に成功した3社の事例、現場が無理なく動き出す3ステップまで、今日から始められる対策を順に見ていきましょう。

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情報共有できない状態とは?要因とリスク

情報共有できない状態とは、情報が特定の人でとどまり、必要な人へ届かないことを指します。これは「伝える工夫が足りない」という個人の問題ではなく、仕組みの問題です。

項目詳細
1. 属人化が続く3つの要因個人に情報が溜まっていく仕組みが問題である
2. 情報が共有されないリスク伝わるスピードが遅いだけで、生産性は相当下がる

1.属人化が続く3つの要因

情報共有ができていない会社の多くは、特定の社員だけが情報を把握する「属人化」の課題を抱えています。属人化は本人の責任ではなく、情報が外に出ない仕組みが放置された結果です。次の3つが重なると、属人化は慢性化します。

属人化が続く3つの要因

  • 時間の余裕がなく、口頭で済ませて記録に残さない
  • 情報を書き残すルールや文化が社内にない
  • 紙・メール・チャット・共有ドライブなど、情報の保管先が分散している

3つ目の「保管先の分散」は見落とされがちです。情報そのものは見られる状態にあっても、場所を知る人が限られていれば、その人に聞くしかありません。結局、属人化の状況を生み出しています。

2. 情報共有で起こるリスク

情報共有の問題を放置すると、日々の業務の手間が増えるだけにとどまりません。担当者の退職や休職をきっかけに、その人しか知らない業務が滞り、損失が表面化していきます。主なリスクは以下です。

リスク現場で起きること
探す手間の増加情報の保管先が分からず、探すための工数が毎日積み重なる
退職・休職での業務停止担当者しか知らない手順や取引先対応が引き継がれず、ミスにつながる
育成コストの増大マニュアルがなく、引継ぎや新人教育のたびに同じ説明を繰り返す
対応品質のばらつき担当者ごとにやり方が違い、取引先から「前の人と対応が違う」と指摘される

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自社の情報共有レベルチェック

自社の情報共有がどの程度リスクを抱えているか、以下のチェックリストで確認してみましょう。合計12点以上の場合は、早急な対策がおすすめです。

自社の情報共有レベルチェック

自社の情報共有がどの程度リスクを抱えているかがわかります

第 1 問 / 10
0% 完了
質問文がここに入ります
1 2 3 4 5
当てはまらない 当てはまる

※ 実際の状況は条件によって異なる場合があります。本診断結果はあくまでも目安としてご利用ください。

診断結果で読み取れる課題のパターン

診断は合計点だけでなく、どの設問で高いスコアがついたかに注目すると課題の輪郭が見えてきます。例えば、多くの中小企業では、設問1〜4の属人化が起点となり、保管や連携の課題へ連鎖していきます。

高スコア領域テーマ読み取れる課題
設問1〜4属人化・引き継ぎ情報が人に紐づき、退職や異動で業務が止まるリスクが高い。マニュアル化が急務
設問5〜7保管・ツール情報の置き場所が定まらず、探す手間や重複作業が発生している
設問8〜10部門間の連携横の情報が届かず、連携ミスや相談の遅れが起きやすい
もっと詳しく 104社の調査をもとに、DXの実態を全67ページで解説。数字に裏付けられた情報が手に入ります。
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情報共有の改善に成功した3社の事例

CASE1. 清掃業における株式会社大阪マルカンの事例

株式会社大阪マルカン
株式会社大阪マルカン

清掃業と産業廃棄物収集を手がける株式会社大阪マルカンは、業務管理システムの導入によって情報が散在していた状態を解消しました。見積もり・スケジュール・書類管理をシステムにまとめ、現場での情報共有の仕組みを整えています。

特徴活用方法効果
書類の一元化産廃管理票や案件書類をシステム管理書類の検索にかかる時間が半日から5分になり、転記作業がなくなった
案件チャット社員全員がリアルタイムで情報を確認顧客からの問い合わせにすぐ回答できて、「言った・言わない」のトラブルがなくなった
レポート機能従業員の評価を数値化上長の主観に頼りがちだった評価が、客観的なデータでできるようになった

以前は書類を探すのに半日かかることがあり、急な依頼に即答できず、顧客を逃すこともありました。導入後は情報共有の円滑化と迅速な顧客対応が実を結び、売り上げは半年で120%増と大きく伸びています。

清掃・産廃業での具体的な変化

  • 書類検索が半日から5分になり、「どこにあるか」で時間を取られなくなった
  • 見積作成が40分から3分になり、問い合わせがきたその場で回答できるようになった
  • 売り上げ集計の手作業がなくなり、月50時間以上の時間が新たに生まれた

CASE2. イベント企画における株式会社セブンサービス企画装飾の事例

株式会社セブンサービス企画装飾

イベントの企画・運営を手がける株式会社セブンサービス企画装飾は、案件管理システムを使って、部署間で共有できていなかった案件情報を一元化し、担当者がいなくても状況を確認できる体制を整えました。

特徴活用方法効果
案件情報の一元化案件管理・見積作成・スケジュール確認・請求管理をシステムにまとめる全体像と数字が一画面で確認、情報が把握しやすい
属人化の解消案件内容や進捗の確認担当者不在でも引き継ぎが可能に
スマホアプリ対応出先や移動中でも作業ができる柔軟な働き方ができるようになった

以前は顧客データや案件データが蓄積されておらず、全体像が見えない状態で営業の判断を下していました。一元化したことで失注率や粗利がひと目でわかるようになり、経営の意思決定が速くなっています。

イベント企画業での具体的な変化

  • 失注率や粗利などの数字が全体で把握できるようになり、経営判断がしやすくなった
  • 担当者不在でも案件の状況を確認できるようになり、引き継ぎの属人化が解消された
  • 出先や移動中でも業務対応できるようになり、場所を問わず仕事が回るようになった

CASE3. 設備業における真弓興業株式会社の事例

真弓興業株式会社

消防設備の設計・施工・保守を手がける真弓興業株式会社は、オールインワンシステムによって、部署をまたいだ情報共有の仕組みを整えました。

特徴活用方法効果
リアルタイム共有書類のやり取りを即時確認できる工数の削減やミスの防止
ファイルの一元管理写真や書類を案件ごとにまとめる書類紛失や検索の手間がなくなった
スケジュール管理の改善口頭伝達とExcelから専用システムへ切り替える急な対応でもすぐ状況を確認できるようになった

以前は業務のやり方が人によってバラバラで、部署間で情報がうまく届かない状態でした。紙やExcel中心だった情報をシステムにまとめ、情報が届かないことで生じていた手戻りを減らしています。

設備業での具体的な変化

  • 部署間の情報がリアルタイムで届くようになり、手戻りやミスが減った
  • 写真や書類を案件ごとにまとめられるようになり、「どこにあるかわからない」がなくなった
  • 情報が積み上がるようになり、必要なときにすぐ取り出せる状態になった

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情報共有できない状態を変える3ステップ

STEP 1 情報の置き場所を一本化する

情報共有の改善は、社内の情報を整理するところから始まります。保管先がメールや紙、共有ドライブに散らばったままでは、ツールを導入時に必要な情報を集約できません。まずは社内の情報やドキュメントを洗い出し、種類ごとに集約先を決めます。

分散しがちな情報集約先の例
取引先の連絡先・対応履歴顧客管理の台帳やExcelにまとめる
業務の手順・マニュアル案件の進捗管理共有フォルダの決まった場所に置く
日々の連絡・やりとりメールやチャットに一本化する

STEP 2 書き込むルールと型を決める

書類の書き方や更新が人によってバラバラでは情報は活用できません。「誰が、いつ、何を、どこに書くか」をルールにして、入力の型をそろえます。ポイントは次の3つです。

2-1. 書く項目をテンプレート化する
記録する項目をあらかじめ決めておけば、書き手によって内容に差が出ません。日報や対応履歴は、空欄を埋めるだけで完成する形にしておくと続けやすくなります。

2-2. 更新のタイミングを決める
「案件が動いたら書く」「1日の終わりに書く」など、いつ記録するかを決めます。タイミングが決まっていないと、後回しになって情報が古くなります。

2-3. 誰でもわかる言葉で書く
担当者にしか伝わらない略語や前提を避け、初めて読む人でも理解できる言葉で書きます。これだけで、引き継ぎや新人教育の手間が減ります。

STEP 3 定着の仕組みを作る

情報は更新が滞ると、だんだん頼りにされなくなります。ルールは作って終わりではなく、続けることが重要です。

定着の工夫詳細
書く負担を減らす入力項目を絞り、記入の手間をなるべくなくす
共有を評価する情報を残した人や役立った記録を朝礼などで取り上げる
小さく始める1つの業務から試して、成功したら社内に横展開する

情報共有ツールおすすめ12選

1. ビジネスチャット

Slack

日々のやり取りや判断の経緯といったフロー型の情報をまとめます。メールより気軽に使え、ITに不慣れな社員でも操作しやすいツールが多いのが特徴です。話題ごとに会話が整理され、後から探すのも簡単になります。

サービス名月額料金(1名あたり・税込)特徴
Slack0円〜外部アプリとの連携が豊富で業務を1か所に集約しやすい。AIによる長文スレッドの要約や横断検索も標準搭載
Chatwork0円~国産で画面構成がシンプル。チャットに加えタスク管理やファイル共有もまとめて使え、ITに不慣れな社員でも迷わず操作できる
LINE WORKS0円~LINEと同じ操作感で導入研修が不要。取引先や職人と普段使いのLINEからそのままやりとりできる

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年5月時点

2. ナレッジ共有

NotePM

手順書やマニュアル、議事録といったストック型の情報を集約します。検索機能が充実しており、必要な情報に短時間でたどり着くことが可能です。属人化しがちな知識を残せるため、引き継ぎや新人教育の負担が減ります。

サービス名月額料金(税込)特徴
NotePM4,800円〜マニュアル作成と全文検索に強い国産ツール。テンプレートが豊富で書き出しに迷わず、全社導入の入口に向く
Notion1,815円〜(1名あたり)自由度が高く文書・表・データベースを自在に組み合せ可能。設計の工夫で社内で幅広く使える
Kibela0円〜動作が軽くシンプルな設計。日報や議事録から小さく始められ、情報共有の文化を根づかせやすい

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年5月時点

3. グループウェア

サイボウズ Office

情報共有に加えて、スケジュール管理や申請・承認もまとめて1つにしたい会社に向くタイプです。複数の機能を1か所に集められるため、ツールが乱立しがちな状況を整理できます。社内の業務基盤として広く使えます。

サービス名月額料金(税込)特徴
サイボウズ Office3,300円〜中小企業向けグループウェアの定番。掲示板・スケジュール・ファイル共有を手軽に1つで運用でき、初めての社内ツール導入にもなじみやすい
Google Workspace1名あたり880円〜メール・ドライブ・カレンダー・Web会議をまとめて利用でき、複数人によるリアルタイム共同編集に強く社外との連携もしやすい
desknet’s NEO1名あたり660円〜日本企業の商習慣に合わせた使いやすさと豊富な標準機能を備える。ノーコードでの業務アプリ作成や、高い柔軟性と拡張性が特徴

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年5月時点

4. タスク管理ツール

Asana

案件・作業の進み具合や担当が一覧でわかり、進捗確認の手間が削減できます。すでにチャットやドキュメントツールを使っているなら、それらと連携できる製品を選ぶと運用がスムーズです。

ツール名月額料金(税込)特徴
Asana0円~グローバルで定番のタスク管理。リスト・ボード・ガントチャートを切り替えて使え、誰が何をいつまでにやるかが部署横断で見える化できる
Backlog2,970円〜国産でタスクとプロジェクト管理に強い定番ツール。30名まで定額で使え、中小企業で導入しやすい。ガントチャートやファイル管理も可能
Trello0円〜カンバン方式に特化したシンプルな設計。付箋を貼る感覚で直感的に使え、タスク管理が初めての人でもすぐに運用を始められる手軽さが魅力

5. 現場・業務管理特化型

プロワン

建設や設備工事など、現場向けの情報共有に課題がある会社に向くタイプです。案件・顧客・スケジュールなどをまとめて管理でき、職人でも使いやすい設計が多いのが特徴です。

サービス名月額料金(税込)特徴
プロワン要問い合わせ顧客・案件・見積もり・発注・請求・写真までまとめて1つで管理できる現場向けの統合システム。職人や事務担当でも直感的に使える設計
ジョブマネ1,100円〜低コストから使える業務管理ツール。案件管理、顧客管理、見積もり、請求書発行まで一元管理でき、1ヶ月の無料トライアルもあり
現場ポケット14,850円〜必要な機能だけに絞った職人向けのシンプル設計。アカウント数や現場登録数が無制限のため、小規模の協力会社まで気軽に展開できる

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年5月時点

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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