グリーンファイルとは?提出する書類一覧とおすすめサービス9種

「グリーンファイルって、結局どの書類をそろえればいいんだ」
「入場までに間に合わず、職人を現場前で待たせるのだけは避けたい」

そこでグリーンファイルの提出が必要な理由から、必要な書類の一覧、作成から提出までの手順、作成を楽にするツールまで、一発で受理される安全書類をそろえる手順を見ていきましょう。

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グリーンファイルとは?提出する理由

グリーンファイルとは、建設現場で下請業者が元請へ提出する労務安全書類の総称です。安全書類とも呼ばれ、表紙に緑色のファイルを使っていたことが名前の由来となっています。中身は、誰が、どんな作業を、どの機械を使って行うのかを示す情報で、単なる形式ではなく法律にもとづく書類です。提出が求められる理由は、次の3つに整理できます。

項目詳細
1. 法律で義務づけられている施工体制台帳は建設業法、安全書類は労働安全衛生法にもとづく
2. 着工前の提出と原則5年の保管義務着工前に提出が必要で、5年の保管義務がある
3. 元請の管理責任と信用に関わる元請の施工体制の把握を支え、不備は自社の信用を損なう

1. 法律で義務づけられている

グリーンファイルは社内向けの書類ではなく、建設業法と労働安全衛生法という2つの法律が、書類の作成と提出の根拠になっています。書類の性格を整理すると、次のように分かれます。

主な書類

  • 建設業法にもとづく施工体制台帳と施工体系図の整備
  • 労働安全衛生法にもとづく作業員名簿と安全衛生計画
  • 各種届出による機械や危険物の安全確認

元請が作る施工体制台帳と、下請が出す安全書類が組み合わさって、現場の体制と安全が担保されます。

2. 着工前の提出と原則5年の保管義務

グリーンファイルの提出のタイミングと保管にはルールがあります。着工前に作成して提出し、着工後に内容と実態がずれたら、作り直して出し直します。作成した書類は、原則5年間の保管が義務です。

項目基本ルール
提出タイミング着工前までに作成し提出
変更が出たとき速やかに修正して再提出
保管期間原則5年(施工体系図など一部は引き渡し後10年)

保管した書類は、労働災害が起きたときに、安全管理が適正だったことを示す材料にもなります。出して終わりではなく、残す前提で整えておきましょう。

3. 元請の管理責任と信用に関わる

グリーンファイルは工種を問わず、どの現場でも着工前に求められる基本の書類です。不備や遅れが続けば労働基準監督署からの是正指導や、元請からの信用低下を招きかねません。

元請には、現場全体の施工体制を正しく把握する義務があります。下請が出すグリーンファイルは、その把握を支える土台です。

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グリーンファイルに必要な書類一覧

グリーンファイルは全建統一様式が基本で、立場や作業内容に応じて必要な書類が変わります。すべてを毎回出すわけではなく、自社に関わるものを選んで用意します。ここでは書類を3つの区分に分けて紹介します。

施工体制台帳など体制関係の書類

誰がどの工事を請け負い、どう連なっているかを示す書類です。主に元請や上位の下請が作成し、下位の会社は再下請負通知書などで自社の情報を伝えます。

書類名内容主な作成者
施工体制台帳現場全体の請負関係や配置技術者をまとめた台帳元請
施工体系図元請から各下請までの関係を図で示した一覧元請
下請負業者編成表現場に入る協力会社と主任技術者を並べた表一次下請
再下請負通知書自社と発注元の関係を上位の会社へ知らせる書類二次以降の下請
注文書・請書の写し請負契約の内容を証明する書類契約した各社

作業員名簿など労務安全関係の書類

現場に入る人の情報と、安全を守るための取り組みを示す書類です。作業員名簿はどの立場でも共通で求められるため、最初に用意しておくと後の作業が進めやすくなります。

書類名内容主な作成者
作業員名簿氏名、社会保険、資格など入場者の情報各下請
新規入場時等教育実施報告書現場ルールの周知を行った記録各下請
工事安全衛生計画書作業ごとの危険と対策をまとめた計画各下請
安全衛生責任者・作業主任者選任届現場の安全管理を担う人を選任した届出各下請
安全ミーティング報告書作業前の危険予知活動(KY活動)の記録各下請

機械や危険物の使用に関する届出

現場へ持ち込む機械や危険物の安全を確認するための届出です。届出のないものは現場で使えないため、持ち込み前に用意します。

書類名内容主な作成者
持込機械等使用届持ち込む電動工具や機械の申請機械を使う下請
危険物・有害物持込使用届塗料やガスなど危険物の申請危険物を使う下請
火気使用願溶接や溶断など火気作業の申請火気を扱う下請
車両系建設機械使用届バックホウなど建設機械の使用申請機械を使う下請
高所作業車使用届高所作業車の使用と点検状況の申請機械を使う下請

これらの様式に加えて、内容を裏づける添付書類の提出も求められます。資格証明書などの写しがそろっていないと、様式が正しくても受理されないことがあります。

添付が求められる主な書類

  • 技能講習修了証や免許証など資格を証明する書類の写し
  • 健康診断の結果を示す書類の写し
  • 社会保険や雇用保険の加入を示す書類
  • 建設業許可証や契約書の写し
  • 機械や車両の検査証、点検記録の写し

付随書類は元請や現場によって求められる範囲が変わります。まずは元請から渡される提出リストで、様式と添付書類の要否をあわせて確認しておくと安全です。

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グリーンファイル作成から提出までの4ステップ

STEP1. 元請に提出方法と指定様式を確認する

最初にやるべきは、元請への確認です。全建統一様式の共通の型があるものの、現場ごとに指定が違います。提出方法が紙かクラウドか、独自様式があるかを先に押さえると、後の作り直しを防げます。前の現場で使ったファイルがそのまま通るとは限りません。

確認ポイント

  • 独自書式を指定したり、グリーンサイトでの提出を求められるか
  • 変更が出たときの再提出のルール
  • 提出する書式が最新版かどうかをチェック

同じ書類名でも、版が違えば記入欄が変わります。使い回す前に、有効な様式かどうかを確認しておきましょう。

STEP2. 作業員名簿から書類を作成する

書類作成は、共通して使う作業員名簿から始めます。氏名や生年月日に加え、以下の3点は特に差し戻されやすいため正確に記入します。

1. 社会保険の加入状況

健康保険、厚生年金、雇用保険の加入状況を記載します。空欄は最も多い差し戻しの原因になるため、全員分を確認します。

2. 資格・特別教育

玉掛けや職長教育など、担当する作業に必要な資格を記載します。記載漏れがあると、その作業に就けないと判断されます。

3. 健康診断の実施日

直近の健康診断日を記載します。期限切れの場合は再受診が必要になることもあるため、早めに確認します。

作業員名簿が作成できたら、立場に応じて再下請負通知書をや機械や危険物などの各種の届出を用意します。また、資格証の写しのような、人から集める情報ほど時間がかかります。着工日から逆算して、早めに声をかけておきましょう。

STEP3. 元請へ提出する

そろった書類は、指定された方法で期限内に提出します。提出後に修正を求められることもあるため、余裕をもったスケジュールが安全です。

また、グリーンファイルは一度出したら終わり、とはいきません。作業員の交代や使う機械が増えたときなど現場の状況が動けば、書類も修正が必要です。複数の現場を抱えると、最新版の管理や元請ごとの書式合わせが手作業では追いつかなくなります。提出頻度が高い会社はツールの導入も有効です。

STEP4. 保管とバックアップを行う

作成した書類は原則5年の保管が必要です。なくさずにの保管できるよう、あらかじめルールを決めておきます。

保管のルール

  • 紙だけの保管は紛失や破損のリスクが高いので、PDFなどのデータ保管を併用する
  • ファイル名と保存場所のルールを社内でそろえ、後から探せる状態にする
  • 監督署や元請から提示を求められたとき、すぐ取り出せるよう整理しておく

残し方がよってばらばらだと、担当が変わった途端に書類が行方不明になります。保管の体制を確立しておきましょう。

グリーンファイルにおすすめサービス9種

1. グリーンファイルに特化したクラウド

Greenfile.work

グリーンファイルの作成と提出ができる絞ったクラウドサービスです。元請が費用を負担する仕組みが多く、協力会社は無料または低額で使えます。記入漏れの自動チェックや施工体系図の自動作成など、手作業を減らす機能がそろっています。

サービス名月額料金(税込)特徴
Greenfile.work要問い合わせ作業員名簿から施工体制台帳まで自動作成し、記入漏れや期限切れを自動でチェック。元請が費用を負担し、ID数は無制限。
グリーンサイト6,500円~一度登録すれば複数の現場で使い回せ、作業員情報の再入力の手間を減らせる。大手ゼネコンの多くが標準の提出方法として採用
Buildee労務安全30,000円~入退場管理と連携し、労務安全書類の作成・管理を電子化。協力会社は無料で書類を作成できる

※ 月額料金は協力会社の一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年7月時点

2. 作成ソフト・無料テンプレート

全建統一様式エクセル

手元のExcelやパソコンで書類を作りたい会社向けです。全建統一様式の無料テンプレートや、入力を自動反映するファイルを使えば、月額料金なしで始められます。まずは紙から切り替えたい段階に適しています。

サービス名料金(税込)特徴
全建統一様式エクセル無料全国建設業協会が公開しているひな形。記入例つきで各様式を無料配布。入力欄が色分けされ迷わず記入できる
CG Format無料全22種類の様式が1つのExcelブックに集約され、基本情報を入力すると各書式へ自動で反映。転記の手間を大きく減らせる
WIZDOM要問い合わせ施工体制台帳や安全衛生書類を作成する買い切り型ソフト。写真管理や電子納品にも対応

※ 料金は一般的な利用における価格設定
※ 無料テンプレートは配布元の利用条件を確認のうえ使用
※ 2026年7月時点

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グリーンファイルでよくある質問

── 1人親方も提出は必要ですか?

会社組織かどうかにかかわらず、下請として現場に入る以上書類の提出を求められます。一人で作業する場合でも、氏名や保有資格、緊急連絡先を申告する点は変わりません。

一人親方で特に確認されやすいのが、労災保険の特別加入です。労働者ではない立場のため通常の労災が適用されず、特別加入の証明を求める元請が少なくありません。加入番号や証明書を手元に用意しておくと、やり取りが一度で済みます。

そのほか、重機や車両を持ち込むなら使用届が要る点も、法人と同じです。

── グリーンファイルは無料で作成できますか?

作成方法によって費用は変わります。下請の立場なら、無料で作成できるケースが多いです。

作成方法費用の目安補足
元請負担のクラウド無料Greenfile.workなど、元請が費用を負担する仕組み
自社契約のクラウド月数百円〜グリーンサイトなど、協力会社がIDを契約する
Excel様式で自作無料全建統一様式のテンプレートを入手して記入

元請がクラウドを導入している現場では、案内されたサービスに登録するだけで済むことが多いです。まず元請に、どの方法で提出するかを確認しておくと無駄がありません。

── 誰がどの書類を提出しますか?

立場によって用意する書類が変わります。自社が何次の下請にあたるかで、必要な書類を判断します。

立場別に用意する主な書類

  • 元請が作成する施工体制台帳と施工体系図
  • 一次下請が出す再下請負通知書、作業員名簿、工事安全衛生計画書
  • 二次以降の下請が出す再下請負通知書、作業員名簿、持込機械等使用届

作業員名簿は、どの立場でも共通して求められます。まず作業員名簿から着手すると、その後の書類作成もスムーズに進みます。

── 元請ごとに書式が違うときはどうする?

全建統一様式が基本ですが、元請が独自の書式を求めることもあります。書式違いに振り回されないためのポイントは以下のとおりです。

書式違いを乗り切るポイント

  1. 着工前に、元請の指定様式があるかを必ず確認する
  2. 会社情報と作業員データを一元管理し、転記元を1つにまとめる
  3. クラウドを使い、元請の様式に合わせた出力で対応する

元となるデータが1か所にまとまっていれば、書式が変わっても入力し直す範囲は最小限で済みます。データの一元管理が書式違いへの最大の備えになります。

── 電子化と紙のどちらがよいですか?

提出頻度が高い会社ほど、電子化の効果は大きくなります。紙とExcelの手作業は、修正と保管に手間がかかる点が弱みです。

項目紙・Excelクラウド電子化
提出方法持参、FAX、メールオンラインで提出
修正手書き修正や再印刷が必要その場で修正して再提出
保管書庫やファイルが必要データで保管し検索も簡単

年に数回しか提出しない会社なら、無料テンプレートでも十分です。一方、複数の現場を同時に抱える会社は、クラウドで管理したほうが差し戻しや提出遅れを防ぎやすくなります。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。