「うちもDX化したい‥‥」
「他社の事例では自社に合わない」
そこで会社規模別のわかりやすい成功事例を見てみましょう。従業員50人未満の小規模事業者、300人未満の中小企業、1,000人未満の中堅会社、1,000人以上の大企業のDX実例を集めました。
CONTENTS
はじめにDXを1分で理解する
DX(デジタルトランスフォーメーション)は「デジタル技術でビジネスモデルや企業文化そのものを変革すること」を指します。次の表にわかりやすくまとめました。紙の書類をPDFにすることは「電子化」や「IT化」であって、DXはさらにその先であることがわかります。
| 専門用語 | ひとこと | 変わるもの | 目的 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| デジタイゼーション Digitization | 電子化 | 媒体を変える | データを探しやすくする | 紙・アナログがデジタルデータになる |
| デジタライゼーション Digitalization | 効率化 | プロセスを変える | コストと時間を減らす | 手作業が自動化・オンライン化する |
| DX Digital Transformation | 変革 | ビジネスを変える | コストと時間を減らす | 物だけではなく、物と体験を提供する |
つまり、DXとは、電子化や効率化を「手段」として、会社の在り方や顧客への価値提供を根本から見直す取り組みです。人手不足や競争激化が進む現代において、DXは企業規模を問わず避けて通れない経営課題となっています。
わかりやすいDX例3選(従業員50人未満)
事例1. 写真管理の効率化で直行直帰を実現し働き方を改革
株式会社フロンティアは、写真アップロードのための帰社対応をしていたり、複数システムの併用で二重転記が発生したりと、負担が続いていました。
それが全体業務を管理するシステムの導入により、現場完結型のフローを構築し、直行直帰を実現。売上の可視化も進んでおり、現在は人材定着とさらなる成長を目指しています。

事例2. 複雑な業務フローの刷新と社員定着の実現
サンセキ株式会社は、保管ルールの不統一やアナログ作業の複雑化で、社員の離職が課題でした。それが案件を管理するシステム導入により、見積もりから発注までを一元化して無駄な工数を削減。業務見える化で引き継ぎも円滑になり、働きやすい環境を整備しました。

事例3. システム乱立の解消とワンストップ管理の実現
株式会社家守りは、月3,000件超の案件において、複数システムの乱立やシート管理による対応漏れが課題でした。そこで情報を一元化し、リマインダー機能で進捗を可視化したことで、後手対応から脱却。今後は空き家問題などの新事業へ注力します。

わかりやすいDX例2選(従業員50~300人未満)
事例1. 現場と事務の一体経営を実現し業務改革
株式会社ライフスクエアは、情報の分散と現場で事務作業ができない点が課題でした。業務管理システムの導入により営業から工事完了までを一元管理し、進捗可視化と現場完結を実現。今後は分析機能を活用し、さらなる受注拡大を目指しています。

事例3. 法改正への確実な対応と繁忙期の業務遅延リスクの解消
株式会社ユーミーClassは、旧システムの廃業でインボイスなどの法改正対応が困難になり、繁忙期の業務遅延も課題でした。案件管理システムの導入により法的要件をクリアし、独自の請求機能も実装。業務速度を向上させ、地域No.1を目指しています。

わかりやすいDX例2選(従業員300~1,000人未満)
事例1. 三者間連携の効率化による新規事業の収益化
ジャパンホームシールド株式会社は、小規模修繕における協力会社などとの複雑な調整業務が課題でした。業務管理システムを活用して情報連携を一元化し、想定の半分の人員で運営できる体制を構築。今後は全国規模への展開と、他事業とのシナジー最大化を目指しています。

事例2. 属人化からの脱却で積算業務を効率化
JFEプロジェクトワン株式会社は、旧システムの不適合とExcel管理による属人化が課題でした。新システムで見積もりデータを一元化し、月100件の業務を効率化。今後は繁忙期に向けた採算管理の強化も期待されています。

大企業9社のDX成功事例マトリクス
1. 現場の人手不足を技術でカバーする
DXは業種が違っても、「解決したい課題」と「アプローチ」は似ています。 人手不足が深刻な現場では、ベテランの経験をデータ化し、誰でも同じ品質で働けるようにするのがカギです。AIやIoTでムダな動きを極限まで減らし、少人数でも回る仕組みを作った事例です。
| 企業名 | 課題 Before | DX化 Solution | 成果 After |
| ヤマト運輸 | ベテランの勘頼みで、ルート作成に時間がかかる | 過去データと交通状況を分析し、AIがルートを自動生成 | ルート作成時間が大幅削減し、新人でも熟練レベルの配送が可能に |
| 小松マテーレ | 広い工場内で、機械の点検・記録に人が走り回る | 旧式機械にセンサーを付け、稼働状況をタブレットで可視化 | 異常を即座に検知し、ダウンタイム減少 |
| 三菱重工業 | 試作機の実験失敗による手戻りとコスト増 | 仮想空間に「双子の工場」を作り、全シミュレーションを完遂 | 物理実験を減らして開発スピード向上、コストも短縮 |
2. 面倒をなくして顧客の体験を変える
「待たされる」「面倒くさい」といった顧客のストレスをデジタルの力で消し去るのがポイントです。単なる効率化にとどまらず、AI予測や新体験の提供によって売上や利益そのものを劇的に伸ばした事例です。
| 企業名 | 課題 Before | DX Solution | 成果 After |
| トライアル | 買い物終わりのレジ待ち行列で顧客が疲弊 | カート自体にセルフレジ機能を搭載し、その場で決済完了 | レジ担当の人件費を削減し、その分商品を安く提供 |
| LIXIL | 設置して終わりで、顧客との継続的な関係がない | スマホで操作・管理できるIoT建材で快適な生活を提供 | モノではなく快適な住環境という体験を提供に転換 |
| ゑびや | 観光客の波が読めず、大量の食品ロスと赤字が発生 | 天気や曜日から、翌日の客数を9割超の精度で予測するAI | 無駄な仕込みとシフトを削減し、利益率が劇的改善 |
3. 紙とハンコをなくし「場所」から解放する
昭和のアナログ業務から脱紙、脱ハンコ、脱FAXを実現した例です。さらに脱電話や脱メールも進めて、場所と時間に縛られない働き方に変えました。コスト削減効果が即座に表れやすく、最初に取り組みやすい守りのDXの典型例です。
| 企業名/組織 | 課題 Before | DX Solution | 成果 After |
| 京急不動産 | 領収書の糊付けやハンコ承認のためだけに出社が必要 | スマホで領収書を撮り、申請・承認もクラウド上で完結 | 全社のムダな作業が消え、テレワークを実現 |
| 自治体 | 住民が窓口で何度も氏名・住所を手書きし、待たされる | マイナンバーカード等を提示すれば、申請書が自動作成される | 高齢者の記入負担を減らし、手続き時間短縮とミス撲滅 |
| クリニック | 予約の電話が鳴り止まず、受付業務がパンク寸前 | 患者が事前にスマホで予約・問診入力できるシステム導入 | 電話対応が待ち時間が8割減り、看護師がケアに集中 |
バラバラな業務が一気通貫でつながるシステム

プロワンは中小企業の現場DXを体現しています。 従来はExcelや別々のソフトで行っていた「案件管理、スケジュール管理、請求書作成」などの12種以上の業務を、オールインワンのシステムに集約。現場スタッフはスマホのみで見積もりや完了報告ができるようになり、非効率な作業を一気に減らします。