「どれが最新ファイルかわからない…」
「ライセンス更新料は安くならない?」
脱Officeとは、単にOfficeを別のツールに切り替えることではありません。コストを削減しながら生産性を改善し、企業の競争力を向上させる変革です。そこで具体的なコスト削減効果から、他社の成功事例、失敗しない導入ステップ、最適な代替ツールの選定ポイントまでを紐解いていきましょう。
DXの事例や機能を1冊に、「DXまるわかりガイド」全67ページ
CONTENTS
脱Officeとは?実現できること
1. ライセンス費用の削減ができる
Microsoft Office 365のライセンス費用は、企業規模によっては年間数百万円から数千万円に達します。例えば、従業員100名の企業の場合、Office 365のBusiness Standardプランでは、1ユーザーあたり月額1,874円、年間約225万円のコストが発生します。
| プラン | 月間(1名あたり・税込) | 年間 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Business Basic | 899円 | 10,788円 |
| Microsoft 365 Business Standard | 1,874円 | 22,488円 |
| Microsoft 365 Business Premium | 3,298円 | 39,576円 |
※ 2026年4月時点
仮にMicrosoft Office Google Workspaceに切り替えると、それよりも割安になります。LibreOfficeのようなオープンソースソフトウェアを選択すれば、ライセンス費用は完全に無料となります。
2. 共同作業でチームの生産性が上がる
従来のOffice環境では、「最終版_修正版3_確定.xlsx」のような命名規則によって、ファイルのバージョン管理を複雑にしてきました。それがリアルタイム共同編集機能により、複数のメンバーが同時に1つのドキュメントを編集できるようになります。
| 項目 | Officeのみの作業 | 新しい作業フロー |
| ファイル編集 | 作業者のみ | 複数メンバーで同時編集 |
| ファイル共有 | メールに添付して送信 | URL(リンク)を共有 |
| バージョン管理 | ファイル名で管理 | 自動で変更履歴を保存 |
| レビュー | 個別に集計 | リアルタイムのコメント機能 |
| 修正版統合 | 各メンバーが手作業で統合 | 同時編集 |
| データ保存 | 手動保存が基本 | 自動保存 |
| アクセス場所 | 社内の特定PC | いつでも・どこでも |
| ファイル検索 | 自分のPC内 | クラウドで本文も含めて検索 |
| 確認・承認 | 最終版をメールで送り、承認待ち | 承認者がその場で確認・承認 |
3. セキュリティ強化と柔軟な働き方ができる
クラウドは「セキュリティが不安」という声をよく聞きますが、実際には適切に管理されたクラウドサービスのほうが、オンプレミス環境よりもセキュアであるケースが増えています。
クラウドサービスのセキュリティ強化
- 多要素認証(MFA)による不正アクセス防止
- 自動バックアップと災害復旧機能
- 暗号化通信による情報漏洩対策
- AIを活用した脅威検知システム
- 細かな権限管理による内部統制強化
また、場所や時間に縛られない柔軟な働き方の実現できるでしょう。リモートワークが当たり前であるため、どこからでも安全にアクセスできる環境は、優秀な人材の獲得にも直結します。
脱アナログから一元管理まで、
現場が変わった24社のリアルを公開
業種や機能ごとのDX成功事例を1冊に。自社に合うヒントがきっと見つかります。
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脱Officeすべき診断チェックリスト
自社がどの程度Officeに依存しているか、客観的に把握することが脱Officeの第一歩です。以下のチェックリストで、現在の紙依存度を確認してみましょう。
自社の業務がどの程度Office製品や旧来の管理手法に依存しているかを可視化します
※ 実際の状況は条件によって異なる場合があります。本診断結果はあくまでも目安としてご利用ください。
脱Officeの企業事例3選
CASE1. 住宅設備機器卸売におけるサンセキ株式会社の事例

住宅設備機器の卸売・施工を手掛けるサンセキ株式会社は、業務管理システムを導入し、Excel中心だった業務体制をデジタルに切り替えました。このシステムの特徴は以下のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 見積書のシステム管理 | Excel手入力からシステムへ切り替え | 作成の手間が減り書式もそろった |
| 書類のまとめて管理 | iCloud個別フォルダから統一システムへ移行 | 書類を探す時間が短くなった |
| 業務フローの見える化 | 全工程をシステム上で確認 | 担当者が変わっても引き継ぎがスムーズになった |
ゼネコンやハウスメーカーなど多くの取引先への発注業務を、ExcelやFAXから切り離してシステムに集約したことで、担当者が休んでも仕事が止まらない職場になりました。
住宅設備機器卸売での具体的な変化
- Excelでバラバラだった見積書がシステムに集約され、どこからでも確認できるようになった
- 担当者ごとに違っていた書類の保存場所が統一され、誰でもすぐに必要な書類を見つけられた
- 新入社員でもシステムを見ればどの案件がどの状態かわかるようになり、定着率が上がった
CASE2. 電気・空調設備工事におけるSuemaru FT INNOVATORS株式会社の事例

電気・空調設備工事から空間デザイン・ITソリューションへと事業を拡大するSuemaru FT INNOVATORS株式会社は、案件管理システムを使って、担当者ごとにバラバラだったExcel管理から離れ、業務のやり方を統一しました。具体的なシステムの活用方法は主に3つです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 案件のまとめて管理 | 個別Excelから1つのシステムへ移行 | 情報のつながりが途切れなくなった |
| 見積もりの自動作成 | Excel手作業からシステムへ転換 | 作成時間が短くなりミスも減った |
| 請求・発注の連携 | バラバラなファイルから統合システムへ | 発注漏れ・請求漏れがなくなった |
千葉・東京・大阪の3拠点にまたがる営業活動で、担当者がExcelで個別に抱えていた案件・見積もり・発注の情報をシステムに集約し、どの拠点からでも同じ状態を確認できるようになりました。
電気・空調設備工事での具体的な変化
- 誰が対応しても同じ手順で進められるようになり、引き継ぎ時の漏れがなくなった
- 売上の9割を担う約100社の協力会社情報がシステム化され、担当者間の判断がそろった
- 千葉・東京・大阪の3拠点でリアルタイムに同じ情報を見られ、確認の往復がなくなった
CASE3. 清掃・維持管理における大芝水工株式会社の事例

創業40年以上の歴史を持つ大芝水工株式会社は、オールインワンシステムによって、紙・Excel・ホワイトボードに頼っていた案件管理から離れました。システムによる主な効果は次のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| カレンダーでの案件管理 | 紙・ホワイトボードから電子カレンダーへ | 一目で状況がわかり対応漏れを防げた |
| 見積書のデジタル管理 | 個別Excelから統合システムへ転換 | 書類を探す時間が短くなった |
| 定期案件の自動登録 | 手作業登録から自動化へ切り替え | 毎月の登録作業がいらなくなった |
1人の担当者だけが把握していた月100件超の案件を全員で見られる状態に切り替えたことで、6年前に月20件だった事業規模が、繁忙期に月150件まで対応できるようになりました。
清掃・維持管理での具体的な変化
- 手書きや修正テープで管理していた日程が、ドラッグ一つで変更できるようになった
- LINEで個別に連絡していた現場への割り当てが、システムから自動で共有されるようになった
- Excelでバラバラだった見積書情報がまとまり、過去の内容もすぐ検索できるようになった
脱Officeを成功させる3ステップ
STEP1. 現状課題の可視化する
最初に現状課題を分析しましょう。特に「①ライセンス使用状況、②機能別利用頻度、③ファイル共有にかかる時間、④トラブル件数、⑤生産性低下率」はよく問題視されます。例えば、②機能別利用頻度であれば、アンケートやログ分析に把握できるでしょう。
次にそのデータを使ってSMARTをベースして、目標を設定します。
| SMART | 目標例 |
|---|---|
| Specific(具体的) | 単なる「コスト削減」ではなく「年間ライセンス費用を50%削減」とする |
| Measurable(測定可能) | 単なる「効率化」ではなく「文書作成時間を30%短縮」とする |
| Achievable(達成可能) | 現実的な目標値を設定する |
| Relevant(関連性) | 企業の経営戦略と整合性を持たせる |
| Time-bound(期限) | 明確に「1年以内に達成」など期限を区切る |
STEP2. 最適なツールの選定する
ツールは単純な機能比較ではなく、自社の業務特性を加味した判断が必要です。評価項目では「①導入コスト、②学習コスト、③共同作業機能」あたりはどの企業も重視します。さらに「④オフライン対応、⑤カスタマイズ性、⑥サポート体制」を考慮することもあります。
試験導入では、5~10名などのパイロットチームで1ヶ月程度「タスク完了時間の変化、エラー発生率、ユーザー満足度」などを検証しましょう。このときの振り返りではITリテラシーの高い若手社員だけでなく、ベテラン社員の改善要望も取り入れることで、全社展開時の課題を事前に把握できます。
STEP3. 全社展開と効果測定のサイクル
試験導入の結果を踏まえ、いよいよ全社展開へと進みます。ここで重要なことは、一気に切り替えるのではなく、段階的に移行することです。例えば「1~2ヶ月目はメール・カレンダー・ビデオ会議の移行」「3~4ヶ月目は文書作成と表計算ツールの移行」「5~6ヶ月目は専門的なツール・マクロの移行」とします。
各フェーズでは、以下の支援体制を整備すると、社内の反発が少ないです。
サポート体制の構築
- ヘルプデスクの設置(最初の3ヶ月は常駐、その後は随時対応)
- FAQドキュメントの整備と定期更新
- 部門別研修の実施(各部門の業務に特化した内容)
- チャンピオンユーザー制度(各部門に1~2名の推進役を配置)
このあとも定性的なフィードバックを収集し、現場の声を聞くことで「数字には表れない改善点」や「新たな活用方法が発見される」ことも多いです。
脱Officeにおすすめの代替サービス
多くの企業で採用実績があり、高い効果が実証されている代替サービスの比較表です。
| 評価項目 | 導入コスト | 学習コスト | 共同作業 | オフライン対応 | カスタマイズ性 | サポート体制 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Google Workspace | 中 | 低 | 優秀 | 可能 | 低 | 充実 |
| LibreOffice | 低 | 中 | 限定的 | 完全対応 | 高 | コミュニティ |
| Notion | 中 | 高 | 優秀 | 限定的 | 高 | 標準 |
1. 共同作業の最適解であるGoogle Workspace

Google Workspaceは、世界で30億人以上が利用するGoogleのクラウドサービスを企業向けに最適化したソリューションです。特に共同作業においては、他の追随を許さない完成度を誇ります。
| アプリ名 | 詳細 |
|---|---|
| Gmail | AIによるスパムフィルタで99.9%の精度 |
| Google Drive | 容量無制限プランあり(Business Plus以上) |
| Google Docs | Google Workspace版のWord |
| Google Sheets | Google Workspace版のExcel |
| Google Slides | Google Workspace版のPowerPoint |
| Google Meet | 最大500名まで参加可能なビデオ会議 |
| Google Chat | Slackの代わりとなるビジネスチャット |
最大の強みは、すべての機能がシームレスに連携することです。例えば、Gmailで受信した添付ファイルをワンクリックでDriveに保存し、そのままDocsで編集を開始できます。この統合性により、作業の流れが途切れることなく、生産性が大幅に向上します。
導入企業の声として、「Microsoft Officeからの移行は想像以上にスムーズだった」という評価が多く聞かれます。互換性も年々向上しており、複雑なマクロを使用していない限り、ほとんどのファイルは問題なく移行できます。プラン別の金額比較表は次の通りです。
| プラン名 | 月額料金(1名あたり・税込) |
|---|---|
| Google Business Starter | 800円 |
| Google Business Standard | 1,600円 |
| Google Business Plus | 2,500円 |
| Microsoft 365 Business Basic | 899円 |
| Microsoft 365 Business Standard | 1,874円 |
| Microsoft 365 Business Premium | 3,298円 |
※ 2026年4月時点
2. 無料の高互換性で人気のLibreOffice

LibreOfficeの最大の魅力は、ライセンス費用が一切かからず、月額料金0円であることです。The Document Foundationが開発を主導し、世界中のボランティア開発者によって日々改良が続けられています。構成アプリケーション別のMicrosoft Officeとの互換性は、次の通りです。
| アプリ名 | 詳細 |
|---|---|
| Writer(Word互換性) | .docx形式の読み書きに対応 |
| Calc(Excel互換) | ピボットテーブルやマクロ(Basic)に対応 |
| Impress(PowerPoint互換) | プレゼンテーション作成 |
| Draw(Visio代替) | 図形描画とフローチャート作成 |
| Base(Access互換) | データベース管理 |
| Math | 数式エディタ |
LibreOffice10人のスタートアップでも、1,000人規模の企業でも、同じように無料で利用できます。さらに、オープンソースであるため、必要に応じてカスタマイズすることも可能です。ただし、クラウド機能は標準では含まれていないため、NextcloudやownCloudといったプライベートクラウドソリューションとの組み合わせが推奨されます。
※ 2026年4月時点
3. 情報集約とタスク管理を1つになるNotion

Notionはドキュメント作成、データベース、タスク管理、Wikiなど、業務に必要な機能を1つのプラットフォームに統合した革新的なツールです。
Notionが解決する課題
- 情報の分散(各ツールに情報が散在する問題)
- コンテキストスイッチング(ツール間の切り替えによる集中力の低下)
- 知識の属人化(個人のローカルPCに重要情報が埋もれる)
- プロジェクト管理の複雑化(ガントチャートとドキュメントが別管理)
Notionの真価は、すべての情報を関連付けて管理できる点にあります。例えば、プロジェクトの進捗管理ページから、関連する議事録、参考資料、タスクリストにシームレスにアクセスできます。これにより、情報を探す時間が劇的に削減され、本来の業務に集中できるようになります。
料金体系も柔軟で、個人利用は無料、チーム利用でも1ユーザーあたり月額料金1,815円からと、Microsoft Officeと比較してリーズナブルです。
※ 2026年4月時点
サービス4. 現場仕事の効率を圧倒的に変えるシステム

プロワンは営業、現場、経営に必要な全機能を1つのプラットフォームで提供し、Excel、Word、メールでの情報共有から脱却することで、一気通貫のデータ連携を実現します。