脱Officeとは?マイクロソフト製品を切り替えた事例と導入手順

「どれが最新ファイルかわからない…」
「ライセンス更新料は安くならない?」

脱Officeとは、単にOfficeを別のツールに切り替えることではありません。コストを削減しながら生産性を改善し、企業の競争力を向上させる変革です。そこで具体的なコスト削減効果から、他社の成功事例、失敗しない導入ステップ、最適な代替ツールの選定ポイントまでを紐解いていきましょう。

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脱Officeとは?実現できること

1. ライセンス費用の削減ができる

Microsoft Office 365のライセンス費用は、企業規模によっては年間数百万円から数千万円に達します。例えば、従業員100名の企業の場合、Office 365のBusiness Standardプランでは、1ユーザーあたり月額1,874円、年間約225万円のコストが発生します。

プラン月間(1名あたり・税込)年間
Microsoft 365 Business Basic899円10,788円
Microsoft 365 Business Standard1,874円22,488円
Microsoft 365 Business Premium3,298円39,576円

※ 2026年4月時点

仮にMicrosoft Office Google Workspaceに切り替えると、それよりも割安になります。LibreOfficeのようなオープンソースソフトウェアを選択すれば、ライセンス費用は完全に無料となります。

2. 共同作業でチームの生産性が上がる

従来のOffice環境では、「最終版_修正版3_確定.xlsx」のような命名規則によって、ファイルのバージョン管理を複雑にしてきました。それがリアルタイム共同編集機能により、複数のメンバーが同時に1つのドキュメントを編集できるようになります。

項目Officeのみの作業新しい作業フロー
ファイル編集作業者のみ複数メンバーで同時編集
ファイル共有メールに添付して送信URL(リンク)を共有
バージョン管理ファイル名で管理自動で変更履歴を保存
レビュー個別に集計リアルタイムのコメント機能
修正版統合各メンバーが手作業で統合同時編集
データ保存手動保存が基本自動保存
アクセス場所社内の特定PCいつでも・どこでも
ファイル検索自分のPC内クラウドで本文も含めて検索
確認・承認最終版をメールで送り、承認待ち承認者がその場で確認・承認

3. セキュリティ強化と柔軟な働き方ができる

クラウドは「セキュリティが不安」という声をよく聞きますが、実際には適切に管理されたクラウドサービスのほうが、オンプレミス環境よりもセキュアであるケースが増えています。

クラウドサービスのセキュリティ強化

  • 多要素認証(MFA)による不正アクセス防止
  • 自動バックアップと災害復旧機能
  • 暗号化通信による情報漏洩対策
  • AIを活用した脅威検知システム
  • 細かな権限管理による内部統制強化

また、場所や時間に縛られない柔軟な働き方の実現できるでしょう。リモートワークが当たり前であるため、どこからでも安全にアクセスできる環境は、優秀な人材の獲得にも直結します。

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脱Officeすべき診断チェックリスト

自社がどの程度Officeに依存しているか、客観的に把握することが脱Officeの第一歩です。以下のチェックリストで、現在の紙依存度を確認してみましょう。

脱Office依存度診断

自社の業務がどの程度Office製品や旧来の管理手法に依存しているかを可視化します

第 1 問 / 12
0% 完了
質問文がここに入ります
1 2 3 4 5
当てはまらない 当てはまる

※ 実際の状況は条件によって異なる場合があります。本診断結果はあくまでも目安としてご利用ください。

もっと詳しく 104社の調査をもとに、DXの実態を全67ページで解説。数字に裏付けられた情報が手に入ります。
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脱Officeの企業事例3選

CASE1. 住宅設備機器卸売におけるサンセキ株式会社の事例

サンセキ株式会社
サンセキ株式会社

住宅設備機器の卸売・施工を手掛けるサンセキ株式会社は、業務管理システムを導入し、Excel中心だった業務体制をデジタルに切り替えました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
見積書のシステム管理Excel手入力からシステムへ切り替え作成の手間が減り書式もそろった
書類のまとめて管理iCloud個別フォルダから統一システムへ移行書類を探す時間が短くなった
業務フローの見える化全工程をシステム上で確認担当者が変わっても引き継ぎがスムーズになった

ゼネコンやハウスメーカーなど多くの取引先への発注業務を、ExcelやFAXから切り離してシステムに集約したことで、担当者が休んでも仕事が止まらない職場になりました。

住宅設備機器卸売での具体的な変化

  • Excelでバラバラだった見積書がシステムに集約され、どこからでも確認できるようになった
  • 担当者ごとに違っていた書類の保存場所が統一され、誰でもすぐに必要な書類を見つけられた
  • 新入社員でもシステムを見ればどの案件がどの状態かわかるようになり、定着率が上がった

CASE2. 電気・空調設備工事におけるSuemaru FT INNOVATORS株式会社の事例

Suemaru FT INNOVATORS
Suemaru FT INNOVATORS株式会社

電気・空調設備工事から空間デザイン・ITソリューションへと事業を拡大するSuemaru FT INNOVATORS株式会社は、案件管理システムを使って、担当者ごとにバラバラだったExcel管理から離れ、業務のやり方を統一しました。具体的なシステムの活用方法は主に3つです。

特徴活用方法効果
案件のまとめて管理個別Excelから1つのシステムへ移行情報のつながりが途切れなくなった
見積もりの自動作成Excel手作業からシステムへ転換作成時間が短くなりミスも減った
請求・発注の連携バラバラなファイルから統合システムへ発注漏れ・請求漏れがなくなった

千葉・東京・大阪の3拠点にまたがる営業活動で、担当者がExcelで個別に抱えていた案件・見積もり・発注の情報をシステムに集約し、どの拠点からでも同じ状態を確認できるようになりました。

電気・空調設備工事での具体的な変化

  • 誰が対応しても同じ手順で進められるようになり、引き継ぎ時の漏れがなくなった
  • 売上の9割を担う約100社の協力会社情報がシステム化され、担当者間の判断がそろった
  • 千葉・東京・大阪の3拠点でリアルタイムに同じ情報を見られ、確認の往復がなくなった

CASE3. 清掃・維持管理における大芝水工株式会社の事例

大芝水工株式会社
大芝水工株式会社

創業40年以上の歴史を持つ大芝水工株式会社は、オールインワンシステムによって、紙・Excel・ホワイトボードに頼っていた案件管理から離れました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
カレンダーでの案件管理紙・ホワイトボードから電子カレンダーへ一目で状況がわかり対応漏れを防げた
見積書のデジタル管理個別Excelから統合システムへ転換書類を探す時間が短くなった
定期案件の自動登録手作業登録から自動化へ切り替え毎月の登録作業がいらなくなった

1人の担当者だけが把握していた月100件超の案件を全員で見られる状態に切り替えたことで、6年前に月20件だった事業規模が、繁忙期に月150件まで対応できるようになりました。

清掃・維持管理での具体的な変化

  • 手書きや修正テープで管理していた日程が、ドラッグ一つで変更できるようになった
  • LINEで個別に連絡していた現場への割り当てが、システムから自動で共有されるようになった
  • Excelでバラバラだった見積書情報がまとまり、過去の内容もすぐ検索できるようになった

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脱Officeを成功させる3ステップ

STEP1. 現状課題の可視化する

最初に現状課題を分析しましょう。特に「①ライセンス使用状況、②機能別利用頻度、③ファイル共有にかかる時間、④トラブル件数、⑤生産性低下率」はよく問題視されます。例えば、②機能別利用頻度であれば、アンケートやログ分析に把握できるでしょう。

次にそのデータを使ってSMARTをベースして、目標を設定します。

SMART目標例
Specific(具体的)単なる「コスト削減」ではなく「年間ライセンス費用を50%削減」とする
Measurable(測定可能)単なる「効率化」ではなく「文書作成時間を30%短縮」とする
Achievable(達成可能)現実的な目標値を設定する
Relevant(関連性)企業の経営戦略と整合性を持たせる
Time-bound(期限)明確に「1年以内に達成」など期限を区切る

STEP2. 最適なツールの選定する

ツールは単純な機能比較ではなく、自社の業務特性を加味した判断が必要です。評価項目では「①導入コスト、②学習コスト、③共同作業機能」あたりはどの企業も重視します。さらに「④オフライン対応、⑤カスタマイズ性、⑥サポート体制」を考慮することもあります。

試験導入では、5~10名などのパイロットチームで1ヶ月程度「タスク完了時間の変化、エラー発生率、ユーザー満足度」などを検証しましょう。このときの振り返りではITリテラシーの高い若手社員だけでなく、ベテラン社員の改善要望も取り入れることで、全社展開時の課題を事前に把握できます。

STEP3. 全社展開と効果測定のサイクル

試験導入の結果を踏まえ、いよいよ全社展開へと進みます。ここで重要なことは、一気に切り替えるのではなく、段階的に移行することです。例えば「1~2ヶ月目はメール・カレンダー・ビデオ会議の移行」「3~4ヶ月目は文書作成と表計算ツールの移行」「5~6ヶ月目は専門的なツール・マクロの移行」とします。

各フェーズでは、以下の支援体制を整備すると、社内の反発が少ないです。

サポート体制の構築

  • ヘルプデスクの設置(最初の3ヶ月は常駐、その後は随時対応)
  • FAQドキュメントの整備と定期更新
  • 部門別研修の実施(各部門の業務に特化した内容)
  • チャンピオンユーザー制度(各部門に1~2名の推進役を配置)

このあとも定性的なフィードバックを収集し、現場の声を聞くことで「数字には表れない改善点」や「新たな活用方法が発見される」ことも多いです。

脱Officeにおすすめの代替サービス

多くの企業で採用実績があり、高い効果が実証されている代替サービスの比較表です。

評価項目導入コスト学習コスト共同作業オフライン対応カスタマイズ性サポート体制
Google Workspace優秀可能充実
LibreOffice限定的完全対応コミュニティ
Notion優秀限定的標準

1. 共同作業の最適解であるGoogle Workspace

Google Workspace

Google Workspaceは、世界で30億人以上が利用するGoogleのクラウドサービスを企業向けに最適化したソリューションです。特に共同作業においては、他の追随を許さない完成度を誇ります。

アプリ名詳細
GmailAIによるスパムフィルタで99.9%の精度
Google Drive容量無制限プランあり(Business Plus以上)
Google DocsGoogle Workspace版のWord
Google SheetsGoogle Workspace版のExcel
Google SlidesGoogle Workspace版のPowerPoint
Google Meet最大500名まで参加可能なビデオ会議
Google ChatSlackの代わりとなるビジネスチャット

最大の強みは、すべての機能がシームレスに連携することです。例えば、Gmailで受信した添付ファイルをワンクリックでDriveに保存し、そのままDocsで編集を開始できます。この統合性により、作業の流れが途切れることなく、生産性が大幅に向上します。

導入企業の声として、「Microsoft Officeからの移行は想像以上にスムーズだった」という評価が多く聞かれます。互換性も年々向上しており、複雑なマクロを使用していない限り、ほとんどのファイルは問題なく移行できます。プラン別の金額比較表は次の通りです。

プラン月額料金(1名あたり・税込)
Google Business Starter800円
Google Business Standard1,600円
Google Business Plus2,500円
Microsoft 365 Business Basic899円
Microsoft 365 Business Standard1,874円
Microsoft 365 Business Premium3,298円

※ 2026年4月時点

2. 無料の高互換性で人気のLibreOffice

LibreOffice

LibreOfficeの最大の魅力は、ライセンス費用が一切かからず、月額料金0円であることです。The Document Foundationが開発を主導し、世界中のボランティア開発者によって日々改良が続けられています。構成アプリケーション別のMicrosoft Officeとの互換性は、次の通りです。

アプリ名詳細
Writer(Word互換性).docx形式の読み書きに対応
Calc(Excel互換)ピボットテーブルやマクロ(Basic)に対応
Impress(PowerPoint互換)プレゼンテーション作成
Draw(Visio代替)図形描画とフローチャート作成
Base(Access互換)データベース管理
Math数式エディタ

LibreOffice10人のスタートアップでも、1,000人規模の企業でも、同じように無料で利用できます。さらに、オープンソースであるため、必要に応じてカスタマイズすることも可能です。ただし、クラウド機能は標準では含まれていないため、NextcloudownCloudといったプライベートクラウドソリューションとの組み合わせが推奨されます。

※ 2026年4月時点

3. 情報集約とタスク管理を1つになるNotion

Notion

Notionドキュメント作成、データベース、タスク管理、Wikiなど、業務に必要な機能を1つのプラットフォームに統合した革新的なツールです。

Notionが解決する課題

  • 情報の分散(各ツールに情報が散在する問題)
  • コンテキストスイッチング(ツール間の切り替えによる集中力の低下)
  • 知識の属人化(個人のローカルPCに重要情報が埋もれる)
  • プロジェクト管理の複雑化(ガントチャートとドキュメントが別管理)

Notionの真価は、すべての情報を関連付けて管理できる点にあります。例えば、プロジェクトの進捗管理ページから、関連する議事録、参考資料、タスクリストにシームレスにアクセスできます。これにより、情報を探す時間が劇的に削減され、本来の業務に集中できるようになります。

料金体系も柔軟で、個人利用は無料、チーム利用でも1ユーザーあたり月額料金1,815円からと、Microsoft Officeと比較してリーズナブルです。

※ 2026年4月時点

サービス4. 現場仕事の効率を圧倒的に変えるシステム

プロワン
脱Officeができる「プロワン」

プロワンは営業、現場、経営に必要な全機能を1つのプラットフォームで提供し、Excel、Word、メールでの情報共有から脱却することで、一気通貫のデータ連携を実現します。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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