「Excelの在庫数と実在庫が合わない」
「受発注システムや会計システムから連携したい」
そこで、在庫管理システムでできることから、実際の導入事例、自社に合う在庫管理システムの選び方、業種別のおすすめまで、誰が見ても在庫がわかる仕組みを1つずつ見ていきましょう。
DXの事例や機能を1冊に、「DXまるわかりガイド」全67ページ
在庫管理システムとは?できること
在庫管理システムとは、商品の入出庫や在庫数を一元管理し、即座に把握できるようにするツールです。Excelや担当者の記憶に頼った管理を正確な数値の管理に置き換えます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 1. 在庫のリアルタイム把握 | 入出庫の記録が即座に反映され、最新の在庫数を確認できる |
| 2. 受発注・棚卸しの負担軽減 | バーコード読み取りや発注点アラートで手間を減らす |
| 3. 欠品と過剰在庫の防止 | 適正在庫を見える化し、売り逃しと不良在庫の両方を抑える |
1. 在庫のリアルタイム把握
Excel管理では「手書きの読み違い、転記漏れ、集計までのタイムラグ」などで、画面の数字と倉庫の実物にズレが発生します。在庫管理システムでは、入庫・出荷・移動をその場で記録し、誰でも最新の在庫を確認できます。
| 項目 | Excel | 在庫管理システム |
|---|---|---|
| 更新のタイミング | 作業後にまとめて入力し、反映に時間差 | 入出庫と同時に記録し、最新のデータが表示される |
| 情報の共有 | ファイル共有が必要で、最新版が不明 | 全拠点・全担当が同じ画面を見る |
| 在庫の正確さ | 更新漏れや記憶違いなどでズレが発生 | その場で確実に更新でき、ズレが起きにくい |
以下は、在庫管理システムの主要機能を搭載したデモ画面です。実際の在庫一覧、入荷・販売、発注管理、棚卸しをするときの動きがわかります。
※ 画面とデータはデモ用であり、実際の製品とは異なります。
2. 受発注・棚卸しの負担軽減
在庫管理システムなら、担当者の頭の中にしかなかった受発注ルールをシステムへ移し替えられます。また、棚卸しはスマホやハンディターミナルでバーコードを読み取るだけで実数を集計できます。
手作業から置き換わる主な業務
- 棚卸作業でデータを入力する作業がゼロになる
- 集計作業工数の削減と、時間の短縮ができる
- 発注点を下回ると自動でアラートが届く
3. 欠品と過剰在庫の防止
在庫の動きをデータで追えるようになると、適正な水準が見え仕入れの無駄がはっきりします。欠品による「売り逃し」や過剰発注による「不良在庫」の両方を抑えられます。在庫精度の向上は、そのままコストの改善につながるでしょう。
在庫の見える化で防げる損失
- 欠品による失注と、取引先からの信用低下
- 過剰発注がまねく在庫の積み上がり
- 使われないまま期限切れになる在庫の廃棄
脱アナログから一元管理まで、
現場が変わった24社のリアルを公開
業種や機能ごとのDX成功事例を1冊に。自社に合うヒントがきっと見つかります。
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在庫管理システムの導入事例3選
CASE1. 棚卸しの効率化で年間3,000時間以上の工数を減らした事例

在庫管理ができる生産管理システムを導入し、紙とExcelに頼っていた在庫管理を見直した事例です。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 入力作業の自動化 | ハンディターミナルとQRコードで在庫を記録 | 入力作業が年間2,400時間減った |
| 棚卸しの効率化 | クラウドシステムで在庫を管理 | 棚卸し作業が約100時間短くなった |
| 経費の削減 | 手作業と棚札を減らす | 人件費と棚札代で約300万円の経費削減 |
在庫管理は担当者の記憶や経験に頼っており、正確な在庫数の把握や品質管理体制に課題がありました。在庫管理システムの導入で、ヒューマンエラーのリスクを大幅に削減し、在庫に関わる作業工数を年間3,000時間以上削減しています。
具体的な変化
- 最新の在庫情報がリアルタイムで把握できるようになった
- 在庫の移動を記録する手間が年間360時間相当減った
- 品質管理体制強化につながった
※ 名阪真空工業株式会社「在庫の見える化と棚卸作業の効率化で年間3,000時間以上の工数削減に成功」2025年4月14日
CASE2. 在庫精度と物流品質の強化につなげた事例

在庫管理システムを使って、Excel管理から脱却し、入出荷に関する作業をタイムリーに行える運用体制を構築した事例です。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 入出荷のリアルタイム入力 | 入出荷をその場で入力 | 作業の後回しによる入力漏れやミスの防止した |
| 在庫精度の向上 | 手入力ではなくデータで管理 | 誤出荷リスクが低減した |
| 賞味期限の管理 | システムで期限を管理 | 信頼性の向上した |
以前はExcel管理が中心で、ヒューマンエラーや特定のPCでしか作業できないことによる非効率性が課題でした。在庫管理システムの導入で在庫精度が上がり、賞味期限管理などの物流品質も高められています。
具体的な変化
- 入力ミスによる誤出荷の心配が減った
- 質の高い物流サービスを提供ができる
- 取引先から賞味期限の管理を安心して任せられるという評価された
※ 旭新運輸開発株式会社「旭新運輸開発が『ロジザードZERO』を導入、脱Excel管理を実現」2026年6月16日
CASE3. 在庫管理の工数削減と廃棄ロスの防止に成功した事例

在庫管理システムと自社アプリの連携によって、低コストかつスピーディーに自社業務に最適化された在庫管理体制を構築した事例です。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 出荷報告の自動化 | 自社のピッキング用アプリとAPI連携 | 出荷報告が月60時間から月3時間になった |
| 出荷作業の負荷軽減 | QRコードをハンディターミナルでスキャン | ピッキングと出荷報告が正確に完了した |
| 委託工場の在庫可視化 | 工場の正確な在庫をシステムで管理 | 在庫ロスとコストのリスクを回避した |
これまでは委託工場の在庫が見えず、製品が廃番になると多くの在庫が廃棄となるリスクを抱えていました。在庫管理システムで在庫を可視化したことで、無駄な廃棄を未然に防げています。
具体的な変化
- トレーサビリティ調査時間が4時間から2分に短縮された
- ミスを仕組みで防ぐ体制が構築できた
- 自社と委託工場の双方で、大幅な業務改善が実現した
※ 株式会社ニフコ「大手メーカー・ニフコ、zaicoとのシステム連携で月70時間超の『在庫管理工数』削減と『廃棄ロス』防止に成功」2026年4月21日
在庫管理システムの選び方3ステップ
STEP1. 自社の在庫数と拠点数に合った機能を選ぶ
金額が高いシステムのほうが業務改善ができるわけではありません。むしろ、不要な機能まで含むシステムは、現場が混乱しやすいです。自社の商品点数と拠点数をベースに本当に必要な機能の優先順位を付けましょう。
機能を見極めるチェックポイント
- 取扱商品の点数を登録・管理できる上限に収まっているか
- 複数の倉庫や店舗がある場合、拠点ごとの在庫を分けて管理できるか
- ロット管理や賞味期限の管理など、自社の商材に必要な機能があるか
STEP2. 現場が迷わず使える操作性
どれだけ高機能でも、現場が使いこなせなければ元のExcelに戻ってしまいます。操作性の見極めポイントは以下です。多くのシステムは無料トライアルを用意しているため、実際に倉庫の担当者が触って確かめるのが確実です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 入力・登録のしやすさ | 入出庫の登録が数タップで終わるか |
| 画面の見やすさ | 在庫数や発注アラートが一目でわかる画面 |
| 対応端末 | スマホやハンディで操作できるか |
STEP3. 既存の機器やシステムとの連携
すでにバーコードやハンディターミナルを使っている場合、それらをそのまま活かせると導入コストや教育コストが抑えられます。また、会計ソフトや受発注システムと連携できれば、入力や転記ミスなどのヒューマンエラー防止になります。
連携の確認ポイント
- 手持ちのバーコードやハンディ端末をそのまま使えるか
- 会計ソフトや受発注システムとデータを連携できるか
- 既存のExcelデータを取り込んで移行できるか
在庫管理システムおすすめ9選
1. EC・通販向け

複数のネットショップやモールを運営し、在庫と受注をまとめたいEC事業者に向くタイプです。受注件数が増えても、処理を自動化して人手を抑えられます。
| サービス名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| TEMPOSTAR | 1,650円〜 | 複数のモールや自社ECの受注・在庫・商品をまとめて管理でき、柔軟なカスタマイズが可能。複数倉庫にも対応 |
| ネクストエンジン | 3,300円〜 | 50以上のモールやカートと連携し、在庫と受注をまとめて管理。ルーティン業務の自動化でEC運営の負担を軽減できる |
| ロジザードZERO | 要問い合わせ | EC・小売物流に強いクラウド倉庫管理システム。RFIDや無線ハンディ端末と連携し、入荷から保管、出荷、棚卸までを一括管理 |
※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年6月時点
2. 卸売・小売向け

取扱品目が多く、受発注と在庫をあわせて管理したい卸売・小売業に向くタイプです。業種特化のパッケージから、手軽に始められるクラウドまで選べます。
| サービス名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| アラジンオフィス | 要問い合わせ | 販売と在庫を一体管理。卸売・小売・食品など業種別パッケージを選択可能で自社の商習慣に短期間でなじむ。クラウドとオンプレミスを選択可能 |
| zaico | 9,878円〜 | スマホからQRコードやバーコードで直感的に登録できる。小規模の店舗や倉庫に最適 |
| ロジクラ | 16,280円〜 | スマホで入出庫や検品ができ、ECや実店舗、複数拠点の在庫連携に対応、専用端末なしで開始可能 |
※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年6月時点
3. 製造・生産管理連携向け

部品や資材の在庫を、生産の予定や実績とつなげて管理したい製造業に向くタイプです。現場のカウントを自動化し、人手をかけずに精度を上げたい場合にも適しています。
| サービス名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| 在庫スイートクラウド | 31,900円〜 | 生産の予定連携や実績照合に対応。棚卸・Lite・Proとエディションを段階的に選択できる。初期費用は165,000円 |
| スマートマットクラウド | 要問い合せ | 重量センサの上に置くだけで重さから部品や資材の数を自動計測。棚卸の負担を軽減し、発注の自動化まで担う |
| eeeCLOUD | 980円〜 | シンプルな画面と在庫アラートを備えたクラウド在庫管理システム。低価格から導入でき、カスタマイズで自社の運用に合わせやすい |
※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年6月時点
4. 現場向け機器・資材管理ができるシステム

プロワンは、建設・設備などの現場業界に特化しており、機器や資材の在庫管理ができます。資材を案件に紐づけて登録することで、管理番号や設置現場名からの検索もスムーズです。在庫管理だけでなく、帳票管理、現場管理、日報、工程表などを連携させ、業務全体を一気通貫で管理します。
在庫管理システムでよくある4つの質問
── 導入にどのくらいの費用がかかる?
初期費用を抑え、月数千円から始められるサービスもあります。ただし、必要な機能やユーザー数によって変動するため、複数社で見積もりを取って比べるのが確実です。
| 費用の種類 | 目安と内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円も多く、年間保守費があるシステムもある |
| 月額費用 | 小規模向けは月数千円〜で、機能やユーザー数で増減する |
| 追加費用 | ハンディ端末やバーコードリーダーなどの周辺機器代 |
── 小規模な会社でも導入する意味はある?
商品点数が増え、Excelの更新漏れや棚卸しの差異が出始めたら、規模に関係なく導入の効果があります。人を増やさずに在庫精度を上げたい場合こそ、システム化が現実的な解決策です。無料プランや低価格のクラウド型のシステムもあり、小規模企業でもコストを抑えて始められます。
また、IT担当がいない中小企業ほど、導入時の初期設定や運用定着のサポートが重要です。電話やチャットでの問い合わせ対応、初期設定の代行、操作研修の有無を、契約前に確認しましょう。
── 今のExcelデータはそのまま移せる?
多くのシステムは、CSV形式での取り込みに対応しています。移行の前に、項目の並びや単位などの形式をそろえておくとスムーズです。
移行前に整えておくこと
- 商品名・型番の表記をそろえ、重複をなくしておく
- 個・箱・ケースなど、数える単位を統一しておく
- 使っていない古い商品データを削除しておく