契約書管理システムとは?Excel台帳のDX事例とおすすめサービス7選

「古い契約書が探せない」
「更新期限を見落としてしまった…」

契約書管理の不備は、情報漏洩や解約忘れなど、企業にとって大きなリスクにつながります。そこで適正な契約書管理の基本から、チェックリスト、導入事例、契約書管理におすすめのサービスまで、一つひとつ紐解いていきましょう。

3分でわかる契約書管理システム

契約書管理システムを導入すると、企業間の取引において締結した契約書を保管し、更新や検索をしやすくなります。具体的には「契約書の起案、承認フロー、相手方との交渉履歴、締結後の原本保管、契約内容の台帳化、更新時期の通知、契約期間満了後の対応」といった一連の流れが含まれます。

1. 契約書管理システムの業務範囲と対象書類

契約書管理システムの業務範囲は、大きく分けて以下2つの側面があります。

監理項目説明
契約書の保管あらゆる契約書類の保管・管理する。法人税法や会社法で定められた保管期間に従って、書類を正しく保存することが求められる
契約情報の把握取引内容、有効期限、権利義務など、契約書の中身の把握する。必要なときに契約内容をすぐ確認できる状態を維持する。

契約書管理システムの対象は多岐にわたります。「契約書」という名称のものだけでなく、法的な権利・義務が発生するもの、合意内容を証明するものはすべて対象です。ビジネス上の時系列に沿った契約書リストは、以下のとおりです。

書類名説明
秘密保持契約書(NDA)商談開始前の情報漏洩防止
重要事項説明書契約締結前の法的・重要説明
基本契約書継続的な取引の共通ルール
雇用契約書採用時の労働条件の確定
売買契約書商品の売買条件を定める
業務委託契約書実務や作業の外注を規定
請負契約書仕事の完成を約束するもの
代理店契約書販売の代行・権利を付与
ライセンス契約書知的財産権の使用を許可
賃貸借契約書オフィスや備品の貸し借り
金銭消費貸借契約書お金の貸し借りを証明する
納品書物品や成果物の受領証明
保守契約書納品後の維持や修理を規定
変更合意書既存契約の条件を更新
合意解約書契約を途中で円満に終了

2. Excelや紙管理より優れている点

Excel台帳と紙によるアナログな契約書管理には、多くのリスクが存在します。具体的な問題点は以下です。特に企業規模が大きくなり、また契約書の数が増えるほどリスクが顕在化します。

問題点具体的な影響
検索性の低下契約書を探すために時間を浪費し、緊急対応が遅れる
期限・更新時期の確認漏れ更新漏れや解約忘れによる機会損失やコスト増加
情報の不整合台帳と実際の契約書の内容が一致せず、誤った経営判断を招く
管理の属人化担当者が不在になると業務が滞る
バージョン管理が困難契約書の修正履歴が不明瞭で、どれが最新版か判別できない
セキュリティの脆弱性キャビネットや個人端末での保管で機密情報が漏洩する恐れ

3. 契約書管理システムで適正化するメリット

契約書管理システムによる体制強化は業務効率の向上だけでなく、経営面でも大きなメリットがあります。例えば、更新時期を自動で通知する仕組みを整えれば、更新漏れによるトラブルを防げます。主なメリットを以下の通りです。

メリット具体的な効果
業務時間の削減検索や更新確認にかかる時間が大幅に減り、本来の業務に集中できる
意思決定の迅速化契約内容をすぐに確認できるため、経営判断や取引先との交渉がスムーズに
ナレッジの共有過去の契約書や交渉履歴が蓄積され、社内の知見として活用できる
リスクの低減更新漏れや契約書紛失といったトラブルが減少し、企業の信用を守る
コンプライアンスの強化内部統制が強化され、監査法人からの指摘事項も減少

契約書管理システムの導入事例2社

CASE1. 生活支援におけるNPO法人おひとりさまの事例

NPO法人おひとりさま

身寄りのない方への生活支援・身元保証・介護事業を行うNPO法人おひとりさまは、業務管理システムを導入し、契約書を個人で保管していた状態を解消しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
契約書の一元管理契約書をシステム上にデータ保存書類の保存場所が明確化
書類の一覧画面支援や書類を一覧で管理案件担当者の把握が容易に
スマホ対応スマホからアップロード外出先からも書類管理が可能
見積もりから入金までの一括管理新規顧客の見積から契約、請求、入金まで利用請求漏れ・入金状況を一覧で把握

同法人で書類がどこに保存されているのか作成した人にしか分からない状況でしたが、システム導入により必要な時にすぐ契約書を確認できるようになりました。これによりお客様にコンタクトをとる時間が創出され、さらなる利用者獲得に向けた活動が可能となっています。

生活支援・介護の事例

  • Excelで個人が保管していた契約書を統合し、誰でも確認できる体制を構築
  • 書類の出しっぱなし状態が解消され、紛失リスクの低減
  • 契約書のデータ保存により、月120〜130件の案件における書類管理を効率化
  • 直行直帰の登録支援員30名も含めた情報共有が可能に

CASE2. 管理コストを削減した食品加工会社の事例

食品加工会社では契約書管理システムを使って、Excel台帳への手入力による管理体制から脱却しました。具体的なシステムの活用方法は主に4つです。

項目活用方法効果
自動抽出・補正契約書PDFをアップロードし情報を自動登録台帳作成の入力作業時間をゼロに削減
更新期限通知契約終了日や更新期間を自動でアラート設定解約・更新の判断漏れリスクを解消
検索性の向上条文内のキーワード検索機能を利用必要な契約書へのアクセス時間を大幅短縮
関連契約紐付け原契約と覚書などをシステム上でリンク契約の経緯や変更履歴を一目で把握

手作業で行っていた台帳記入や原本のスキャン作業がシステムにより自動化され、契約情報の登録精度が向上しました。契約更新を自動で通知する体制を構築し、契約書を探す手間と管理コストの大幅な削減を実現しています。

食品加工会社の事例

  • Excel台帳への手入力作業がなくなり、法務担当者のコア業務への集中が可能に
  • 契約書原本を確認するために出社する必要がなくなり、スムーズなリモートワークを実現
  • 契約更新の通知自動化により、不要な契約の自動更新や解約漏れを防止
  • 去の契約書も含めた一元管理により、必要な情報を即座に検索・参照できる環境を構築

契約書管理の効率化チェック

自社の契約書管理に課題があるか以下のチェックリストで診断してみましょう。12点満点で0~6点は総合的なリスクが高い状態です。

診断項目 リスクレベル
契約書の保管場所がバラバラで一元化されていない (紛失や検索時間の浪費)
契約台帳が更新されておらず、最新の状態ではない (期限切れや更新漏れ)
紙と電子契約が混在し、整理ルールが決まっていない (管理工数の増大)
必要な契約書を検索・取り出すのに5分以上かかる (業務効率の著しい低下)
契約締結の承認フローが明文化されていない (ガバナンスの欠如)
契約書のリスク審査基準がなく、個人の判断に任せている (不利な契約の締結)
アクセス権限の設定がなく、誰でも契約書を見ることができる (情報漏洩や改ざん)
更新時期の自動通知がなく、手動管理または管理していない (不要な契約の自動更新)
担当者不在だと、契約内容を確認できない (属人化による業務停滞)
修正履歴やバージョン管理ができておらず、どれが最新か不明 (先祖返りやミス発生)
災害時のバックアップ体制が整っていない (有事の事業継続困難)
契約書の保管期間を把握せず、法令に準拠しているか不明 (法的制裁のリスク)
リスクスコア0

契約書管理システムを導入する4ステップ

STEP1. 現状を棚卸しする

各部署や担当者に散在している契約書をすべて洗い出し、リスト化しましょう。地味な作業ですが、どこにどのような契約書が存在するのか全体像を掴むために不可欠です。以下の情報を記録しておくと後の作業がスムーズになります。

記録したい項目

  • 契約書の種類(売買契約、業務委託契約、秘密保持契約など)
  • 取引先名
  • 契約日と契約期間
  • 自動更新の有無
  • 原本の保管場所
  • 現在の担当者

STEP2. 電子化の実施する

棚卸しが完了したら、紙の契約書はスキャンして電子化します。電子化する際は、ファイル名の命名ルールを統一しましょう。例えば「契約日_取引先名_契約種別.pdf」といった規則を設けることで、後から探しやすくなります。

電子化作業は負担が大きいため、優先順位をつけて進めましょう。頻繁に参照する契約書や更新時期が近い契約書から着手すれば、早期に効果を実感できます。

STEP3. 運用ルールを策定する

電子化が進んだら、契約書管理の運用ルールを明文化します。誰が、いつ、どのように契約書を登録・更新・確認するのかを具体的に定めることで、属人化を防げます。運用ルールには、以下の項目を含めると効果的です。

運用ルールの項目

  • 契約書の起案から締結までの承認フロー
  • 契約書の登録方法と登録期限(締結後3営業日以内など)
  • 管理台帳への必須入力項目
  • アクセス権限の付与基準
  • 契約書の保管期間と廃棄手順
  • 更新確認の担当者と確認タイミング

運用ルールを決める際は、現場の担当者へのヒアリングを丁寧に行いましょう。実際に業務を行っている人の声には、経営層が気づいていない課題が含まれていることが多いです。

STEP4. システム導入を検討する

管理業務の効率化を本格的に進めたい企業は、契約書管理システムの導入を検討します。システムを導入する前には、自社が解決したい課題と必要な機能を明確にしておくことが重要です。例えば「更新漏れを防ぎたい」という課題なら、アラート機能が必須です。「複数拠点で契約書を共有したい」という要件なら、クラウド型のシステムが適しています。

システム選定時のチェックポイントを以下にまとめました。

チェックポイント詳細
機能面自社の必須要件を満たしているか、将来的な拡張性はあるか
操作性 マニュアルがなくても直感的に使えるか、画面は見やすいか
導入コストどんな料金体系か初期費用はいくらか
システム連携 CRMや電子契約サービスなどの既存のシステムと連携できるか
セキュリティ情報漏洩対策や権限管理機能は十分か、セキュリティ認証の取得状況
サポート体制導入支援や運用後の問い合わせ対応は充実しているか

契約書管理のおすすめサービス3種

1. AIで台帳の自動作成ができるツール

Contract One

AI-OCR技術に優れ、契約書をアップロードするだけで、項目を自動抽出し台帳化してくれるツールです。、過去の契約書が大量にあり、手作業での台帳化が難しい企業に最適です。

サービス名特徴ポイント
Contract OneAIだけでなく人が目視で確認・補正を行うプロセスが含まれているため、ほぼ正確な台帳が作成可能手間を減らして電子化したい企業向け
LegalForceキャビネットAIによる高精度な自動抽出と、関連契約書の紐付け機能が強み。契約審査ツールも一緒に導入すれば、契約書の審査から管理まで一気通貫で行える。

※ 2026年1月時点

2. 電子契約機能も備えたツール

クラウドサイン

契約書の管理だけでなく、締結プロセスそのものも電子化したい企業には、電子契約機能を統合したツールが有効です。これにより、契約書の作成から署名、保管までを一つのシステムで完結できます。

サービス名特徴ポイント
クラウドサイン電子契約市場でシェアNo.1。相手方も使っていることが多く、合意形成がスムーズ導入の負担を最小限にしたい企業
freeeサイン契約書のテンプレート作成から、社内承認、送信、保管のワークフローを統合可能。契約書の作成頻度が高く、社内の承認フローもシステム化したい企業

紙の契約書では郵送や押印に数日かかっていたプロセスが、電子契約なら数時間で完了します。印紙税が不要になるため、契約件数が多い企業ほどコスト削減効果が大きくなります。

※ 2026年1月時点

3. 紙と電子を一緒に管理できるツール

Wan-Sign

既存の紙契約書をすべて電子化するのは難しいという企業には、紙の契約書と電子契約書を一元管理できるツールが適しています。担当者は、契約書が紙か電子かを気にすることなく、必要な情報にアクセスできます。

サービス名特徴ポイント
Wan-Sign紙の契約書の原本保管とスキャン代行を請け負う。システム上で電子も紙も同じように検索・管理過去の紙の原本の保管も任せたい企業
ContractS CLM他社電子契約サービスとの連携が強み。異なる電子契約ツールで締結された契約書や、紙の契約書(PDF)を集約できる部門ごとに使っている電子契約ツールがバラバラな企業
Legaledge契約締結後の契約書の一元管理に特化。契約書の中身まで全文検索できる。紙と電子の契約書が混在し、自動台帳作成したい企業

紙から電子への移行期にも混乱が生じにくいため、段階的に電子化を進めたい企業にとって理想的な選択肢になります。

※ 2026年1月時点

契約書管理ができる「プロワン」

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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