「今の勤務管理はわかりにくい」
「すぐにExcelで付けられる出面表がほしい」
そこでA4ピッタリに収まる出面表をすぐにダウンロードできるようにしました。Excel管理の出面表のメリットとデメリット、自社に合った出面管理システムまで、毎月の負担を軽くする実践的な手順を見ていきましょう。
CONTENTS
出面表とは?作業員の勤怠管理簿のこと
出面表(でづらひょう)とは、主に建設・建築業界で使われる作業員の出勤記録のことです。誰が、いつ、どの現場で何の作業をしたかを記録し、それを基に日当の計算や、工事ごとの人件費の集計をします。
そもそも「出面」とは職人の手間賃やその人自体を指す言葉であり、給与の支払いや工事原価の把握、下請け業者から元受け業者への請求業務などに使われる大切な帳票です。
| 種類 | 詳細 | イメージ |
|---|---|---|
| 出面表エクセル(工事) | 工事単位の出面表で、氏名と工程別に日々の作業時間を記しています。 | ![]() |
| 出面表エクセル(氏名) | 氏名、工事名、作業内容ごとに人工や交通費などを支払額を記録した出面表です。 | ![]() |
| 出面表エクセル(労務) | 個人の日数や勤務時間、残業時間などを集計した労務向けの出面表です。 | ![]() |
出面表エクセル(工事)
特定の工事において、誰がどの工程に何時間従事したかを、カレンダー形式で可視化した出面表です。日ごとの稼働状況が把握しやすく、工程ごとの進捗管理や人員配置の確認に最適です。

出面表エクセル(氏名)
各作業員の具体的な作業内容に人工、残業時間、交通費などの諸経費を記録した出面表です。個人ごとの支払額や工事ごとの原価管理としての詳細なコスト把握に適しています。

インターネット上には様々な出面表テンプレートが公開されていますが、特に使いやすいのは以下のようなサイトで配布されているものです。
出面表エクセル(労務)
従業員ごとの勤怠状況を管理するための労務出面表です。日々の総労働時間の記録に加え、出勤日数、通常、残業、深夜、休日ごとの労働時間が集計されており、給与計算や労働基準法に基づく労務管理に必要な情報が網羅されています。

出面表テンプレートの基本的な入力項目
出面表をExcelで管理する際、労働基準法に準拠した最低限の項目は押さえておく必要があります。基本となる入力項目を整理すると、以下のような構成です。
| 具体的な項目 | 詳細・目的 |
| 氏名 | 個人を特定して、給与計算を容易にします。 |
| 工事名 | 工事単位で人工を計算できます。 |
| 作業内容 | 作業単位で人工を計算できます。 |
| 人工 | 給与計算や労務管理で必要です。 |
さらに人工は15分や30分単位など、自社の規定に合わせて設定しましょう。出勤や退勤時刻から休憩時間を引いて、自動的に実労働時間を正確に算出することもできます。
エクセルで出面表を管理するメリットとデメリット
集計自動化で効率化し、コスト管理も強化
関数(SUM、VLOOKUP、IFなど)を活用することで、手計算によるミスをなくし、集計時間を大幅に短縮できます。さらにピボットテーブルを使って労務費を可視化すれば、無駄なコストを削減し、利益率の改善につなげられる点も強みです。
| 項目 | 具体的な内容と効果 |
| コストと柔軟性 | 追加投資なしで即日開始可能で、使い慣れていて教育コストも不要。条件付き書式などで自由にカスタマイズできる。 |
| 効率化と正確性 | SUMやVLOOKUP関数などで集計時間を劇的に短縮。手計算によるミスや給与計算の誤差を防ぐ。 |
| 経営分析 | ピボットテーブルやグラフで労務費を可視化。部門別やプロジェクト別の原価管理により、利益率改善や無駄の発見に繋がる。 |
同時編集は難しく、法対応の手間がかかる
ファイル共有の仕組み上、複数人でのリアルタイムな更新や同時編集ができないことが弱点です。また、複雑な計算式は属人化を招いて引き継ぎが困難になるほか、頻繁な法改正のたびに手動で数式を修正する必要があり、運用リスクが高まります。
| 項目 | 具体的な内容と効果 |
| 同時編集不可 | ファイルの排他制御により、複数人でのリアルタイム更新ができない。現場とのタイムラグや、データ競合のトラブルが発生しやすい。 |
| 属人化のリスク | 複雑な関数やマクロは作成者しか修正できず、退職や引き継ぎ時にブラックボックス化する。誤操作で過去データが壊れるリスクも。 |
| 法対応の限界 | 2024年の建設業「時間外労働の上限規制」など、頻繁な法改正への対応を手動で行う必要があり、管理者の負担と法的リスクが増大する。 |
出面表管理におすすめの勤怠管理システム
1. 低コストで始める勤怠管理システム

Excelでの出面表管理に限界を感じ始めた企業にとって、月額1人あたり200〜500円で利用できるシステムは有効な選択肢です。初期投資を抑えつつ、集計の自動化や給与ソフトとの連携により、業務効率を劇的に向上させることができます。
| サービス名 | 月額費用 | 特徴 | おすすめ |
| ハーモス勤怠 | 0円(30名以下) | 30名以下の小規模事業者なら、基本機能を永年無料で利用できる。 | まずはコストをかけずにデジタル化を試せる。 |
| ジョブカン勤怠管理 | 1人200円〜 | ICカード、LINE、Slackなど多様な打刻に対応。30名規模なら月額6,000円程度で導入できる。 | 費用も割安で、使い慣れたチャットツールで手軽に打刻を始められる。 |
| KING OF TIME | 1人300円〜 | 生体認証に対応し、給与ソフトへのデータ自動連携が可能。シェアNo.1の実績を持つ。 | 給与計算まで一気通貫で効率化できて、正確性が上がる。 |
| Touch On Time | 1人300円〜 | 独自のタイムレコーダーを使用し、PCがない現場でも打刻可能。不正打刻を物理的に防ぐ。 | セキュリティ重視で、建設現場などのPC環境が整えられる。 |
※ 2025年11月時点
2. 建設などの現場特化の業務管理システム

プロワンは、建設、設備、リフォーム業など、現場に特化した業務管理システムです。営業・施工・請求の流れを一元化し、現場の工程表や人員の手配(スケジュール)を効率化。現場のリアルなデータを経営判断へ即座に還元します。