AI業務自動化とは?コスト削減できた事例4選からAIサービス7種まで

「AIで自動化できる業務は?」
「AIの導入はどこから始める?」

AIによる業務自動化から、AI導入前のチェックリスト、実際の導入事例、AIで業務自動化を始めるためのステップ、おすすめのAIツールまで、リソース不足の現場を変革するための道筋を一つずつ紐解いていきましょう。

AIで業務自動化とは?4つのポイント

1. ルーチンワークの削減

AIによる業務自動化とは、これまで人の手でしてきた定型業務を自動化することです。従来のRPA(定型的なパソコン操作をロボットが代行する)とは違い、自律的に分析と判断を繰り返し、問題解決までコミットしてくれます。具体例として、AI導入前とAI導入後の効果を整理しました。

業務AI導入前AI導入後
データ入力請求書や見積書のデータを手作業で入力するため、時間がかかる画像をスキャンするだけで、データを読み取り、基幹システムへ登録される
議事録作成音声を聞き直して文字起こしをし、1時間の会議に対して2時間の作業が発生するリアルタイムで要約付きの議事録が生成され、確認だけで共有できる
問い合わせ対応質問への回答作成に時間がかかり、さらに同じような質問を何度も受けることもあるAIチャットボットが問い合わせ内容を判別し、自動対応する
レポート作成データ収集、転記、体裁の調整の手間がかかる数値データをもとに、週次・月次・年次レポートを自動作成する

2. 人件費の削減

人手不足が深刻な今、限られた人員でも業務が滞りなく回る仕組みを構築することが求められています。AIによる業務自動化で体制を整えることは、日々の業務効率を高めるだけでなく、事業継続性の観点からも重要です。

削減対象AI導入による効果
人件費同じ業務量をより少ない工数で対応できる
残業代月末月初や会議集中日の業務負荷を平準化される
採用費既存の人員で多くの業務をこなせるため、採用費を圧縮できる

3. ヒューマンエラー削減による品質向上

人による作業では、請求書の入力ミスや発注の桁間違いなど、些細なミスをなくすために時間を費やしています。AIによる業務自動化で、こうしたヒューマンエラーを大幅に減らせて、誰が対応しても一定の品質を保てるようになります。

AIでなくせるヒューマンエラー

  • 紙の帳票やPDFから99%以上の精度でデータを抽出し、入力ミスを大幅に減らす
  • AIが異常値や入力漏れを即座に検知してアラートを発報、ミスの流出を未然に防ぐ
  • ルールに基づいた正確な処理で計算ミスや見落としを限りなくゼロに近づける

4. 従業員満足度の向上

AIが単純作業を担うことで、従業員は企画立案や顧客対応、事業開発といった、より付加価値の高い業務に集中できます。以下では、AIによる業務自動化で生まれた時間の活用例を部門ごとにまとめました。

部門AI自動化の業務創出時間の活用例
営業資料作成・見積書作成顧客との商談準備や提案書のカスタマイズに注力する
カスタマーサポートFAQ対応・問い合わせの一次振り分け複雑な顧客課題の解決やサービス改善を推進する
マーケティングレポート作成キャンペーン企画や顧客インサイトの分析に取り組む
人事勤怠集計・給与計算採用戦略の立案や社員面談を充実させる
総務備品発注・社内申請の処理オフィス環境の改善や社内イベントの企画に注力する
法務契約書チェック・書類管理リスク分析や社内のコンプライアンス強化に取り組む
経理仕訳入力・請求書処理予算分析や経営層へのレポート作成に時間を充てる
情報システムアカウント管理・定型的な障害対応セキュリティ強化やDX推進の施策を検討する

AI業務自動化の導入効果チェック

自社にAIが必要なのかを以下のチェックリストで確認してみましょう。該当する項目が多いほど、導入効果が期待できます。

AI業務自動化の導入効果チェック

AIによる業務自動化によって得られる伸び代を可視化します。

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AIで業務自動化を進めた事例4

CASE.1 請求書入力の自動化で経理部の負担が減る

BillOne

経理AXサービス「Bill One」は請求書受領、経費精算、債権管理といった、経理の課題を解決するツールです。あらゆる形式の書類をAIを利用して正確にデータ化し、承認から支払いまでオンラインで完結できます。

機能内容
AI-OCR紙やPDF形式の書類をAIが解析し、自動で読み取ってデータ化
AI自動照合請求書の明細単位で、発注データと金額や数量の一致をAIが突き合わせ
請求書到着管理過去の請求書の到着実績をAIが学習し、今月の請求書がいつ頃届くかを予測

紙をなくすという物理的な変化がアナログな手間なくして、時間の余裕を生み出します。また、現場から経理、経営までを一気通貫でつなぐことで、スピード感のある経営判断に貢献しています。

実績

  • 年間12万件の請求書をデジタル化し、年間で約8,800時間の業務工数が削減された(パナソニック ホームズ社)
  • 請求書業務の削減により月次決算を加速させ、経営状況をより早く把握できる体制を構築できた(コメリ社)
  • 紙の回覧や承認作業をオンライン化、承認のための出社がなくなり、働き方改革ができた(リゾートトラスト社)

※ 2026年4月時点

CASE.2 生産スケジュールAIで計画を自動化できる

Asprova

生産スケジューラ「Asprova」は独自の高速アルゴリズムとAIを搭載したシステムです。設備や人員の制約を考慮し、数万件の作業計画を数秒で立案できます。

機能内容
自動スケジューリングAIが数百万通り以上の組み合わせの中から、最も効率的な計画を自動で選抜
段取り・在庫の最適化シミュレーション生産計画と連動して、「いつ、何を、いくつ発注すべきか」という購買計画を自動生成
ルールベース型AI過去のデータから学習するのではなく、今あるルールの中で効率の良い組み合わせを計算

熟練者の経験に頼っていた1日がかりの計画作成が数十分に短縮され、業務の脱属人化が実現します。さらに、在庫の適正化によるキャッシュフロー改善や、精緻な完了予測に基づいた納期遵守率の向上など、全体の生産性と経営効率を同時に高める成果をもたらします。

実績

  • 計画立案工数を約50%削減し、誰でも精度の高い計画が作れる体制を構築できた(エナジーウィズ社)
  • 製造リードタイムと仕掛在庫をともに50%削減し、キャッシュフローが改善した(リコー社)
  • シミュレーション機能により、急な案件が入った際の影響も即座に把握できた

※ 2026年4月時点

CASE.3 資料作成や翻訳の自動化で生産性が向上する

koto-Buddy

生成AI「koto-Buddy」は社内データと連携し、専門知識やノウハウを即座に引き出せるアプリです。社内の機密情報を安全に保持したまま、AIに学習・参照させることができます。

機能内容
セキュアな社内データ活用社内ドキュメントを読み込ませ、社内規定や技術資料に基づいた回答を生成
プロンプト共有による格差解消プロンプトを組織内でテンプレート化し、不慣れな社員でも高品質なアウトプット
最新モデル対応GPTやClaudeなどの高性能なエンジンを安全な環境で利用可能

資料作成の下書きや要約をAIが担うことで、業務のムダを半減させます。膨大な社内資料から必要な情報をすぐに検索できるほか、熟練者のノウハウが共有可能な資産として蓄積されるため、組織全体のスキル平準化と生産性向上を同時に実現します。

実績

  • 資料の構成や執筆をAIが担当し、人間が推敲と最終チェックに専念できる体制を構築できた
  • 担当部署への問い合わせや手動での検索に要していた時間を最大90%削減した
  • 単なる自動翻訳よりも精度の高いニュアンスを汲み取った翻訳を実現した


※ 2026年2月時点

CASE.4 書類のデータ化や自動作成で現場業務を効率化できる

プロワン

クラウド型業務支援システム「プロワン」は、営業から現場、経営まで一気通貫で管理し、あらゆる業務を効率化します。AI-OCRによる書類の自動データ化や、AIによるレポート作成など、単一機能のAI化ではなく、業務フロー全体にAIを組み込む戦略を進めています。

機能内容
AI OCR紙やPDFの見積書から日付、金額、取引先名などをAIが解析して読み取り、自動でデータ登録
AI分析BIダッシュボード上で分析内容を日本語で指示するだけで、AIがSQLを自動生成し、レポートとして出力

建設・設備業をはじめとする現場業務では、個人の経験に頼った案件管理が主流であり、デジタル技術の導入が進みにくい状況が続いていました。プロワンはAIを利用して、こうした業界構造の変革に取り組んでいます。

成果

  • AI OCRやAI分析機能に加え、AIエージェント機能も段階的に強化されていく
  • 見積もりから報告書まで、現場業務プロセスをAIで一貫して効率化できる
  • 活用データが増えるほど精度が向上し、成長し続けるプラットフォームになる

AIで業務自動化を始める4ステップ

STEP1. 自動化すべき業務の洗い出し

各部門で「時間がかかっている業務」「ミスが起きやすい業務」「誰でもできる定型業務」をリストアップします。以下のような観点で整理すると効果的です。

観点具体的なチェック項目
頻度毎日・毎週発生するか
時間1回あたり何分かかるか
複雑さルール化できるか
影響範囲ミスが発生した場合の影響度

STEP2. AIツールの選定

いきなり高額なシステムを導入するのではなく、低コストで始められるツールを試してみることをおすすめします。月額数千円から利用できるAIツールも多くあり、初期投資を抑えながら効果を検証できます。

ツール選定のポイント

  • UIが親しみやすく、直感的に操作できる
  • 自社で既に使っているツールやデータベースと連携可否
  • 導入時の設定支援や、運用定着などのサポート体制

STEP3. 小規模チームでスモールスタート

スモールスタートの利点は「失敗してもダメージが小さい」と「成功体験を積み重ねることで社内の理解が深まる」ことです。具体的な手順は以下です。

手順実行内容
1. チーム結成AIへの抵抗感が少ないメンバーを選抜しプロジェクトチームとする
2. PoC(実証実験)無料トライアル期間などを利用して実際の業務でツールを使い、削減できた時間を測定する
3. 成果の報告実績データを添えて上層部へ報告。本格導入の決裁を仰ぐ

STEP4. 運用ルールの策定と全社展開

ルールがないまま拡大すると、現場の混乱を招きます。全社に展開する前に、運用ルールを明文化しましょう。その後、勉強会やマニュアルの共有を通じて、他業務へ展開していって、各部門の特性に合わせてツールをカスタマイズします。

ルール詳細
利用者と権限利用誰がどのツールを使えるか管理する
データの取り扱い方針AIに入力してよいデータの範囲、機密情報など
エラー発生時の対応手順自動処理の失敗やAIの誤判断があった場合の連絡先と対処法
定期的な見直しのタイミング月次または四半期ごとに効果測定を実施

AIで業務自動化できるサービス7種

1. 営業・セールス支援の自動化AI

Salesforce Einstein

リードのスコアリングや商談の優先順位付けを自動化し、営業活動を効率化。Salesforce EinsteinHubSpot AIがCRM連携で強みを持ち、商談を自動記録するMiiTel、商談管理に特化したMagic Moment Playbookも注目されています。

※ 2026年4月時点

2. 現場の最適化AI

GWES

人員・設備・納期など膨大な制約を考慮し、最適なフローを自動算出。倉庫内作業を最適化するGWES、製造計画を数秒で立案するAsprova、配送ルート最適化のLoogiaなどが現場で活用されています。

※ 2026年4月時点

3. 品質管理・外観検査AI

MENOU

画像認識により不良品や不備を自動検知し、品質を担保。ノーコードで検査AIを構築できるMENOU、少量データで学習可能なHACARUS、異常検知ができるImpulseなどが活用されています。

※ 2026年4月時点

4. 顧客対応・コミュニケーションの自動化

PKSHA Communication

電話やチャットでの対応を、AIが音声・テキストで直接完結させます。チャットボットが質問対応から手続き代行までするPKSHA Communication、ナレッジを活用し社内問い合わせ対応を自動化するkoto-Buddy、店舗への予約電話に24時間無人対応するLINE AiCallなどが実用化があります。

※ 2026年4月時点

5. データ分析・BIの自動化

Tableau AI

自然言語で問いかけるだけで、AIがデータを分析しレポートを自動生成。Tableau AIMicrosoft Copilot for Power BIは既存BIツールと連携でき、対話型分析のThoughtSpotも導入が進んでいます。

※ 2026年4月時点

6. アプリ連携・ワークフロー自動化

Zapier

複数のアプリを連携させ、判断を伴うワークフローを自動実行。6,000以上のアプリを接続するZapier、複雑な条件分岐を設計できるMake、Office製品と連携し承認フローを自動制御するPower Automateが広く使われています。

※ 2026年4月時点

7. 事務プロセスの自動化

マネーフォワード クラウド

AI OCRによる読み取りと仕訳データの生成を組み合わせ、バックオフィス業務を自動化。記帳を自動化するマネーフォワード クラウド、請求書の受領から支払いまで一貫処理するBill One、契約書レビューのLegalOnなどが普及しています。

※ 2026年4月時点

AIによる業務自動化でよくある質問

── ITスキルが低い従業員もAIを使いこなせる?

AIツールに高度なIT知識は必要ありません。多くのツールは直感的に操作できるUIを備えており、Excelが使えるレベルのリテラシーがあれば、十分に操作可能です。

項目詳細
直感的な操作性ドラッグ&ドロップや、普段の言葉での指示で動くツールが多く、マニュアルを熟読しなくても使い始められる設計になっている
テンプレートの活用文章要約やメール返信など、よく使う機能があらかじめテンプレートとして用意されているため、ゼロから設定する必要がない
段階的な教育一部の機能だけを使ってもらい、慣れてきたら徐々に活用範囲を広げるというステップを踏むことで現場の混乱を防ぐことができる

── AI経由で社内データが漏洩する?

適切なツール選定と運用ルールの策定で、安全に利用できます。気を付けるべきポイントは以下です。

懸念点対策
学習データに利用され、情報漏洩しないか法人向けプランでは、入力データがAIの学習に利用されない設定が可能
ツールが信頼できるかの判断基準はISO27001などの国際的なセキュリティ認証を取得しているツールを選定し、安全性を客観的に担保
社内でのアクセス権限は部署・役職ごとに閲覧・編集権限を設定し、必要な人だけがデータにアクセスできる体制を構築
通信の傍受は大丈夫かTLS1.2以上の暗号化通信に対応しているツールを選定し、通信経路での漏洩を防止

── AIが間違えた場合の対処法は?

AIの精度は年々向上していますが、100%ではありません。AIによる業務は担当者が確認・修正してから確定する運用フローを組むことが一般的です。 AIはあくまで「下書き作成」や「一次対応」を担い、最終的な確認・承認は人間が行う運用を推奨します。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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