「工事請負契約書のフォーマットがない」
「明日必要だけど、時間がない…」
そこで、登録なしでダウンロードできるExcel形式の無料ひな形から、建設業法で義務付けられた必須の16項目一覧、印紙税額の早見表、作成時の注意点までを見ていきましょう。
CONTENTS
工事請負契約書ひな形(個人・小規模向け)
個人のお客様から小規模な工事を請け負う際に使用するひな型です。例えば、個人宅の外壁塗装や屋根修理、駐車場の舗装など、比較的規模の小さい新築以外の工事を個人と契約する場面に適しています。個人が発注者となるため、契約内容もシンプルになっています。

工事請負契約書ひな形(法人・小規模向け)
法人や団体などから小規模な工事を請け負う際に使用するひな型です。オフィスの内装工事や店舗の設備工事、小規模な商業施設の修繕など、事業者間で取り交わす契約に適しています。個人向けと比べて、請求・支払い条件や届出関連の記載など、ビジネス上の取り決めがより詳細に盛り込まれています。

リフォーム工事請負契約書ひな形
住宅のリフォーム工事に特化したひな型です。キッチンや浴室の改修、間取り変更、バリアフリー化など、既存の建物を改修・改装する工事を請け負う際に使用します。リフォーム特有の事項、例えば既存部分の扱いや追加工事が発生した場合の取り決めなどが盛り込まれています。

工事請負契約書約款ひな形
工事請負契約書の本体に付随する約款で、工事の着手・完成時期、契約変更や追加工事の手続き、瑕疵担保責任、工事の中止・解除条件、損害賠償、紛争解決方法など、契約当事者間の権利義務に関する詳細な取り決めを定めたものです。

工事請負契約書の記入項目と確認事項
1.工事日程や金額を入力する
工事請負契約書には、建設業法で定められた16項目を必ず記載しなければなりません。中でも金額や日程に関するものは、契約書面に記入が必要です。
| 法定記載事項 | 記載内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 工事内容 | 施工場所、工種など | 「別添見積書の通り」など |
| 請負代金の額 | 工事の総額と税額の内訳 | 金○○円(うち消費税額等 ○○円) |
| 工事の着手・完成の時期 | 着工日・完成日(引き渡し日)の日付 | 着工:令和〇年〇月〇日、完成:令和〇年〇月〇日 |
| 代金の支払時期・方法 | 支払いのタイミングと振込方法 | 契約時○○円、完成時○○円を指定口座へ振込 |
| 検査時期・引渡時期 | 工事完了後の検査・引き渡しの時期 | 完成検査合格後〇日以内 |
2.トラブル発生時の取り決めを確認する
契約書を記入したら、約款の内容などを確認しましょう。以下は、上記と合わせて必須の16項目に定められています。
| 法定記載事項 | 内容 |
| 内容変更・工期変更 | 工事内容が変わった場合の工期や費用についての取り決め |
| 不可抗力による損害 | 天災などで損害が出た場合の取り決め |
| 物価変動等に基づく変更 | 資材高騰などで金額が変動した場合の取り決め |
| 第三者への損害賠償 | 工事中に近隣住民などに損害を与えた際の責任の所在 |
| 支給材料・貸与機械 | 施主側で用意する材料や設備がある場合の取り扱い |
| 代金支払遅延時の損害金 | 施主の支払いが遅れた場合の遅延利息の設定 |
| 契約違反時の解除・損害賠償 | 契約が履行されない場合の解除権と賠償規定 |
| 紛争の解決方法 | トラブル時の協議方法や解決方法の指定 |
| 契約不適合責任(保証) | 引き渡し後に欠陥が見つかった場合の修理期間 |
| 契約解除時の損害算定方法 | 工事途中で解約になった場合の精算方法 |
| その他省令で定める事項 | 専任の監理技術者の配置が必要な場合などに、氏名などの情報を記載する |
工事請負契約書を記入するときの注意点
1.工期と請負代金を明記する
工期と金額は最も重要な項目であり、誤解のない記載が必要です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 着工日などの日付 | 「令和〇年〇月〇日」のように、日付を確定させる |
| 請負代金 | 工事の総額と消費税額を分けて記載する |
2.支払いの時期を明記する
金額が大きい工事では、分割払いの交渉をすることがあります。一般的な支払いのパターンは以下のとおりです。
| 支払いの方法 | 内容 |
|---|---|
| 着手金・完了金の2回払い | 契約時または着工時に30〜50%、引渡し時に残金を支払う |
| 出来高払い(3回払い) | 着手時、中間時、完了時の3回に分ける |
| 完了時一括払い | 工事が終わったときに全額を支払う |
3.収入印紙を貼付する
工事請負契約書をプリントアウトする場合は、金額に応じた収入印紙が必要です。ただし「建設工事の請負に係る契約書である」「記載金額が100万円を超える」「令和9年3月31日までに作成される」といった3つの条件を満たす契約書は、印紙税の軽減措置を受けられます。
また、1億円を超える工事では、より多くの収入印紙が必要です。国税庁「建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置」で確認しましょう。
| 契約金額 | 印紙税額(軽減税率適用時) |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税(印紙不要) |
| 100万円以下 | 200円 |
| 100万円を超え 200万円以下 | 400円(軽減税率適用時は200円) |
| 200万円を超え 300万円以下 | 1,000円(軽減税率適用時は500円) |
| 300万円を超え 500万円以下 | 2,000円(軽減税率適用時は1,000円) |
| 500万円を超え 1千万円以下 | 1万円(軽減税率適用時は5,000円) |
| 1千万円を超え 5千万円以下 | 2万円(軽減税率適用時は1万円) |
| 1千万円を超え 1億円以下 | 6万円(軽減税率適用時は3万円) |
工事請負契約書のよくある質問
── 電子契約なら収入印紙代を節約できる?
電子契約の場合、収入印紙は不要です。ただし、多くの電子契約サービスでは月額利用料がかかるため注意しましょう。
── 契約書の管理はどうすれば?
事業規模に応じて、管理方法をアップグレードするのがおすすめです。自社に合った方法で管理して、効率よく案件を進めましょう。
| 事業フェーズ | おすすめの管理方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 創業期・小規模 | Excel | 手作業で、個別の案件に対応できる |
| 成長期(従業員5名以上) | クラウド見積・請求ソフト | 契約書や請求書を一元管理できる |
| 拡大期(多店舗展開など) | 建設業向けERPシステム | 契約書に加え、原価や工程も管理できる |
