建設業向け顧客管理ソフトとは?企業や工務店の事例からおすすめ製品まで

「あの工事の担当は誰?」
「顧客情報のExcelはこれが最新?」

顧客の情報整理が追いつかず、獲得できたはずのリピートを逃してしまう。その積み重ねが、気づかぬうちに機会損失を生んでいます。顧客管理で改善できる課題から、導入事例、建築業向け顧客管理ソフトの選び方とおすすめ製品、導入時の疑問点まで、1つずつ見ていきましょう。

建設業向け顧客管理とは?3つあるメリット

営業担当、設計士、現場監督など、1つの案件に複数部門が関わる建設業界では、顧客の情報管理が複雑です。建設業の顧客管理は単なる顧客データではなく、施主との初回相談から見積もり、工事進行、完工後のメンテナンスまで、長期にわたる関係を維持する基盤となります。

顧客管理システムを導入することで、散財している情報を1つのプラットフォームに集約し、全社で共有できる仕組みを構築できます。

1. 情報を集約して共有できる

建設業では、設計図面、見積書、契約書、工程表、検査記録など、膨大な書類が発生します。これらに関連する顧客情報が担当者のパソコンや共有フォルダに分散していると、業務効率の低下やビジネスチャンスの損失につながるでしょう。

顧客管理システムを活用すれば、すべての情報がシステム内に集約され、必要な情報探す手間が削減可能です。また、担当者が不在でも顧客情報を確認でき、別のスタッフが対応できる体制が整います。

種類システム導入システム導入後
顧客基本情報共有フォルダのエクセルシステムで一括管理
過去案件の全情報共有サーバーに部署ごとに点在顧客情報に紐づけて一元管理
見積もり履歴現場事務所の書庫デジタル化して案件に紐付け
担当者とのやり取り各担当者のパソコン内システム内の顧客情報に入力

2. 過去の工事履歴を蓄積できる

建設業の受注は、既存顧客からのリピートや紹介が大きな割合を占めます。しかし、過去の工事内容や要望を把握できていないと、的確な提案が出せずに受注につながらないケースあります。顧客管理システムに蓄積された情報を活用することで、データに基づいた戦略的なアプローチが可能です。

情報の活用方法効果
定期メンテナンスの提案時期を通知顧客に最適なタイミングでアポイント
施工事例の検索顧客へ類似案件の実績を提示、信頼性の高いプレゼンテーションが実現
顧客の好みや要望の把握家族構成の変化なども記録しておけば、より顧客に寄り添った提案

3. 組織の営業力を強化できる

建設業界では、長年の信頼関係で成り立っている取引も多く、担当者個人に依存した営業体制になりがちです。顧客管理システムを導入すると、顧客とのやり取り履歴、提案内容、クレーム対応の経緯など、すべての情報が組織の資産として蓄積されます。

担当者が変わっても、過去の経緯を把握した上で対応できるため、顧客からの信頼を維持できるでしょう。また、成功事例や失敗事例も共有財産となり、組織全体のレベルアップにつながります。

顧客管理システムの成功事例3選

CASE1. 住宅向け設置工事における株式会社ハママツの事例

株式会社ハママツ
株式会社ハママツ

住宅向けに薪ストーブや暖炉の設置事業を展開する株式会社ハママツは、顧客管理システムを導入し、情報の可視化と社員間での共有を実現しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
コメント機能打ち合わせ内容を案件ごとに記録・共有担当者不在時でも顧客対応が可能
見積書作成機能過去に作成した見積書を参照作業効率がアップし、業務改善に
写真・ファイル管理現場調査時の写真をアップロードリアルな情報共有で顧客関係が向上
顧客情報への写真紐付け顧客ごとに現場写真を一元管理顧客への重複確認の解消し、対応品質が向上

新規事業のタイミングで基盤を整える必要があると判断し、このシステムにより従業員同士での情報共有がほとんどない状態から、全社的な連携を強化しました。

住宅向け設置工事の事例

  • 属人化していた案件数や商品価格の情報が全社員で共有可能になった
  • 過去に作成した見積書の検索が容易になり、業務効率が大幅に改善された
  • 写真でリアルな情報の共有ができ、顧客対応の品質が向上した
  • スケジュール管理機能で従業員同士の連携が強化された

CASE2. 造園業における株式会社ジェネシスの事例

株式会社ジェネシス
株式会社ジェネシス

植木事業を手掛ける株式会社ジェネシスは、顧客管理機能を持つ業務管理システムを使って、リピーター顧客の拡大を実現しました。具体的なシステムの活用方法は主に4つです。

特徴活用方法効果
顧客情報を自動で蓄積長期的な顧客管理リピーター獲得の体制が整備
顧客情報の一元管理見積もり提示後のお客様を丁寧に追跡案件獲得数の増加
現場アプリスケジュールを一元管理し案件を差配稼働状況の一覧化で現場の稼働時間を最大化
メール配信機一斉メールの配信効率的に顧客にアプローチ

カレンダーアプリからシステム移行することで、顧客情報の重複入力や2年前までしか履歴を遡れない制限がなくなり、長期的な顧客管理体制を構築しました。

造園業の事例

  • 見積もり後、検討中のお客様への追っかけが可能になり、案件増加が見込める
  • お客様の最新状況を把握し、適切なタイミングでのアプローチが実現
  • 15社前後の下請け会社への案件振り分けが効率化
  • 売上目標に対する進捗率が可視化され、システム運営が楽しみに

CASE3. 空調設備業における株式会社浅岡メンテナンスの事例

株式会社浅岡メンテナンス
株式会社浅岡メンテナンス

空調設備の販売・施工・メンテナンスを手掛ける株式会社浅岡メンテナンスは、顧客管理システムによって、業務の一本化と情報管理・共有の効率化を実現しました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
顧客情報管理案件ごとに情報や資料を保存・確認過去の仕事内容を即座に把握可能に
スケジュール管理ホワイトボードから移行予定のダブりがなくなり担当者割当が迅速化
書類管理機能業務に関わる書類を一元管理個人任せだった書類の提出状況を明確に把握
現場情報マップ機能登録住所からワンクリックで地図表示作業者がスマホで次の現場情報を確認可能

同社はAccessベースのシステムを使用していましたが、顧客データの検索に手間取ることが頻繁にありました。新システムへの移行により、案件ごとの保存や確認が可能になり、顧客情報が一元化され、現場からのアクセスも容易になりました。

空調設備業の事例

  • 会社・工場・病院など多岐にわたる顧客情報を一元管理できた
  • 顧客データや過去の案件履歴を簡単に検索できるようになった
  • お客様への再確認が不要になり、アフターサービスの質が向上した
  • リアルタイムでの管理により現場への情報伝達がスムーズに

建設業・工務店け顧客管理ソフトの選び方

STEP1. 案件や工程の管理機能は十分か

建設業では顧客データだけではなく、見積もりから受注、施工、完成引き渡し、アフターメンテナンスまでの一連の流れを管理できる機能が必要です。

確認すべき機能要件

  • 案件ごとに顧客情報や資料を保存できる
  • 図面や写真などの大容量ファイルを効率的に管理できる
  • 協力会社との情報共有機能により、外注先とも連携できる
  • 工程管理と連動し、進捗に応じた顧客への請求処理ができる

また、建設業法に基づいて、契約書10年、見積書7年の保管義務にも対応している必要があります。法令順守の観点からも、この要件を満たすシステムを選択しましょう。

STEP2. 現場の担当者が直感的に使えるか

建設業界は他業界と比べて、デジタル機器に不慣れな方も多いです。使いやすさを判断するポイントとして、以下の点をチェックしましょう。

判断ポイント詳細
直観的な操作性使い方のマニュアルを見なくても、ある程度操作できる
入力作業の負担入力項目が多すぎず、最小限の操作で業務が完了する
現場での動作スマートフォンやタブレットでも快適に動作する
シンプルな画面遷移必要な情報にすぐアクセスできる

導入前には無料トライアルを活用し、現場のスタッフに実際に操作してもらうことをおすすめします。現場の意見を聞かずに導入した結果、システムが定着しなかったという企業は少なくありません。

STEP3. 導入後のサポート体制は万全か

システムを導入しても、使いこなせなければ投資が無駄になってしまいます。確認しておきたいサポート体制のポイントは以下です。

サポート体制のチェックポイント

  • 操作方法の研修やトレーニングの実施有無
  • システムのバージョンアップや法改正への対応
  • トラブル時の相談窓口と対応時間
  • 導入後の定期フォローや改善提案

建設業界に精通したシステムなら、業界特有の課題や要望を理解した適切なサポートが期待できます。

建設業・工務店向け顧客管理ソフト

製品1. スマホ1つで集客からアフターまでマイホムビズ

マイホムビズ

マイホムビズは、お問い合わせからアフターまですべての顧客情報・やりとり・書類を一元管理できる、工務店や住宅会社向けの顧客管理システムです。顧客の行動データを基に最適な追客を実現します。

利用カテゴリ具体的な機能
営業顧客行動分析、温度感把握、マイホムアプリ配信、ポータルサイト連携、MA連携
開発チャット機能、タスク共有、書類一括管理、タイムライン、OB顧客管理機能
経営成功パターン抽出、受注率分析、顧客満足度管理、チーム生産性向上レポート

顧客情報が分散し、社内の引き継ぎ漏れや報告業務の負担、OB客への効果的なアプローチも困難だったとしても、導入によって顧客データが一元化され、チーム全体で効率的に対応できる体制が整います。その結果、累計1,000社以上の工務店や住宅会社への導入実績があります。

※ 2025年11月時点

製品2. 一気通貫で連携できる建設業や現場に強いプロワン

建設業向け顧客管理システム「プロワン」

プロワンは、基本情報、案件進捗、施工履歴、経営分析まで、すべての顧客関連データを一気通貫で管理できる顧客管理システムです。担当者に依存しない組織的な顧客対応と業務の効率化を可能にします。

利用カテゴリ具体的な機能
営業顧客履歴管理、案件進捗把握、最適タイミング提案、顧客データ分析、営業支援機能
開発業務標準化設定、API連携、カスタマイズ項目設定、オフライン対応、モバイル最適化
経営顧客別収支分析、部門別稼働状況、リアルタイムデータ分析、戦略的意思決定支援

導入前は、担当者ごとにバラバラな管理方法で、顧客履歴や案件進捗が把握できず、提案機会を逃していました。プロワン導入により、顧客ごとの履歴や進捗をチーム全体で共有しながら最適なアプローチができるようになりました。

その結果「受注率25%向上、顧客対応工数40%削減、リピート率2倍増」などの成果が期待できます。

顧客管理システム導入時によくある質問

──小規模な工務店が導入するメリットは?

小規模な工務店は効果を実感しやすいでしょう。少ない人数で多くの業務をこなす必要があり、業務効率化の恩恵が大きいためです。また、早い段階でデータを蓄積し始めることで、将来の成長基盤を作ることができます。

──既存データはどのように移行する?

ほとんどのシステムは、CSV形式でのデータ取り込みに対応しています。ただし、長年使用しているExcelやAccessのデータは、形式が統一されていないことが多く、データ整理に時間がかかる場合があります。

紙ベースのデータ移行は作業コストが大きいため、導入時にすべてシステム化するのではなく、段階的に移行することをおすすめします。

Excelデータの移行手順

  1. データ形式の統一、重複データや不要データの削除
  2. 新システムの項目にExcelデータを紐づけてインポート
  3. 少量のデータでテスト運用
  4. 全データを移行し、本格稼働

紙データの移行手順

  1. 移行するデータの優先度をつける
  2. 移行対象データの範囲を決める
  3. フォーマットを決め、データを新システムに入力する
  4. 紙データと並行運用期間を設け、リスクを抑える
  5. 徐々にデジタル化して、顧客管理システムの比重を増やす

──導入で失敗しないポイントは?

「どの情報を」「いつ」「誰が」入力するのか、運用ルールを明確にしておきましょう。運用ルールが曖昧なままでは、情報の抜けやデータの入力漏れが発生し、一元管理しているデータの信頼性が損なわれてしまいます。

──導入で失敗した場合にやり直しはできる?

多くの顧客管理システムは月単位での契約が可能であり、自社に合わない場合は他のシステムに乗り換えることができます。ただし、システムの変更には手間やコストが余分にかかるため、無料トライアル期間を活用して自社に合うかどうかをしっかり見極めることが重要です。

中野貴利人

株式会社ミツモア マーケティング本部所属。業務管理システム「プロワン」のコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作中。著書5冊。

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