「2枚、3枚、4枚…と枚数に合ったテンプレが欲しい」
「工事の必須項目も併記したい」
スマホで撮ってフォルダで管理するだけでは、どこに何があるか一目でわかりません。そこですぐに使える無料のExcelテンプレートから、工事写真台帳の入力事項、Excel管理のメリットとデメリット、Excel代わりの工事写真台帳アプリまで、具体的に見ていきましょう。
CONTENTS
工事写真台帳とは?写真付きの記録資料
工事写真台帳とは、建設現場の施工状況や経過を写真付きで記録した資料のことです。完成後に隠れてしまう部分が図面通りに施工されたことを証明し、品質管理や将来の維持管理に役立ちます。
工事写真台帳をすぐに作成するときは、無料で利用できるExcelテンプレートがおすすめです。共通項目には工事名や施工者名などが入力できて、基本項目では工種から種別、撮影箇所、撮影年月日などが記録できます。
| 枚数 | 特徴 | イメージ |
|---|---|---|
| 2枚用 | 最大サイズやビフォーアフターが伝わる | |
| 3枚用 | 前・中・後の流れが明確、施工フローの王道 | |
| 4枚用 | 全景と詳細や、施工前と施工後が見やすい | |
| 6枚用 | 測点や材料など定型作業の連続記録向き | |
| 8枚用 | 進捗の簡易報告やダイジェスト用で一覧性重視 | |
| 12枚用 | 内部控えやインデックス用の記録保存に特化 |
工事写真台帳エクセル2枚用
微細な確認が必要な重要箇所の証明のために最適なレイアウトです。写真を最大サイズで表示できるため、鉄筋の配筋本数やノギスの目盛り数値など、細部まではっきりと見せる必要がある品質管理の場面で使えます。

工事写真台帳エクセル3枚用
着手前、施工状況、完了という一連の流れを1ページで完結させるために最適なレイアウトです。時系列が明確になるため、特に、工事が終わると見えなくなる部分の施工プロセスを検査官へ論理的に証明したい場合に最も標準的に使われます。

工事写真台帳エクセル4枚用
1つの作業を多角的な視点で記録するために最適なレイアウトです。全景と近景、計測状況と数値アップなどをセットにできるため、特に、3枚では情報が足りない複雑な工種や、左右に並べて施工前と施工後を比較したい場合に便利です。

工事写真台帳エクセル6枚用
同じ作業の繰り返しを効率よくリスト化するために最適なレイアウトです。1ページに多くの枚数を詰め込めるため、特に、20mごとの測点写真、杭打ち記録、材料検収など、数が膨大になる定型的な記録をコンパクトにまとめたい場合に使われます。

工事写真台帳エクセル8枚用
工事全体の進捗を俯瞰するために最適なレイアウトです。一覧性が非常に高いため、特に、細部(黒板の文字)を見せる提出用としてではなく、施主への簡易的な報告資料や、膨大な写真データの目次として活用したい場合に適しています。

工事写真台帳エクセル12枚用
膨大なデータを1ページに凝縮するアーカイブ(記録保存)のために最適なレイアウトです。細部は見えにくいため、特に全数撮影が必要な杭工事の記録や、提出用とは別の内部管理用データ・インデックスとして保管したい場合に適しています。

工事写真台帳テンプレートの入力項目
工事写真台帳に記載すべき項目は、工事の規模や発注者の要求によって異なりますが、最低限必要となる共通項目と基本項目は同じです。適切な記録を残すためにも、これらの項目を漏れなく入力することが大切です。
| 共通項目 | 詳細 |
| 工事名 | どの工事の写真かを明確にする基本情報 |
| 施工者 | 工事会社で、現場責任者も併記が一般的 |
| 工期 | 工事請負契約書の正式な着工日〜完成日 |
| 工事番号 | 複数工事の混同を防ぐための管理番号 |
| 基本項目 | 詳細 |
| 撮影日時 | トラブル時の証拠となる撮影時を記録 |
| 撮影場所 | 撮影箇所を特定するための重要な位置情報 |
| 工種 | 工事内容を大まかに分類する大項目 |
| 種別 | 工種をさらに具体的に分ける中分類 |
| 細別 | 作業内容を最も細かく表す小分類 |
| 撮影内容の説明文 | 写真だけでは伝わりにくい状況の補足 |
| 黒板の記載内容 | 黒板の文字を転記して視認性を確保 |
エクセルで作った工事写真台帳の特徴
メリットは手軽さと柔軟性でコストを抑えられる
多くの企業で導入済みのExcelを活用するため、追加投資なしで即座に開始できる点が強みです。使い慣れた操作感で新たな学習コストも不要であり、現場や発注者のニーズに合わせてレイアウトを自由に調整できる柔軟性も兼ね備えています。
| 項目 | 具体的な内容と効果 |
| コストと導入 | 追加投資なしで即日開始可能。既存のOfficeを活用するため、新たなソフト購入やライセンス管理、更新費用の心配が不要。 |
| 学習コスト | 基本的なPC操作ができれば作成可能なため、教育コストがかからない。使い慣れたツールにより、導入時の混乱や抵抗感を最小限に抑えられる。 |
| カスタマイズ性 | 写真のサイズや配置、項目の増減など、現場ごとの指定形式に柔軟に対応可能。マクロ等を活用すれば独自の自動化も図れる。 |
デメリットは手作業による非効率とデータの管理
手軽な反面、写真枚数が増えると貼り付け等の単純作業に膨大な時間がかかり、本来の業務時間を圧迫します。また、高画質な写真によるファイル容量の肥大化や、個人管理による属人化など、組織的な運用や情報共有において限界が生じやすいのが弱点です。
| 項目 | 具体的な内容と効果 |
| 作業負担とミス | 写真の選定・サイズ調整・貼り付け等の単純作業に数時間要するケースもある。修正時のやり直し工数が多く、手作業によるミスも発生しやすい。 |
| 動作と共有制限 | 大量の高画質写真によりファイルサイズが肥大化(数十〜100MB超)し、フリーズや保存エラーが頻発。メール添付も困難になる。 |
| 属人化のリスク | 個人のPCに保存されがちで、最新版の共有や引き継ぎが困難。フォーマットが統一されず、過去データの検索や活用が難しくなる。 |
工事写真管理におすすめのサービス
1. 現場の負担ゼロにする工事写真管理・共有システム
スマホ活用で撮影から報告作成までを現場で完結。自動整理とクラウド共有により帰社後の事務作業をなくし、業務効率を大幅に向上させます。コストや機能の違いを整理した主要4製品の比較表は、次の通りです。

| サービス名 | 価格 | 特徴 | おすすめ |
| ミライ工事アプリ | 月900円~ | 唯一のスマホ完結型でクラウド連携も強力 | 現場で報告作成まで終わらせたい方 |
| PhotoManager 20 | 11,180円~ | 公共工事の電子納品や高度な編集に対応 | 公共工事メインで高機能を求める方 |
| 工事写真台帳7 | 7,990円 | 必要機能に絞ったドラッグ&ドロップの簡単操作 | コスト重視でシンプルな機能が良い方 |
| 一発!工事写真台帳 | 8,250円~ | 動作が非常に軽くPC上での黒板合成も可能 | 写真枚数が多く処理速度重視の方 |
※ 2025年11月時点
2. スマホ完結で写真・動画の容量無制限のシステム

プロワンは、現場での撮影から報告書作成、送付までをスマホ1台で完結させるシステムです。写真は即座にクラウド保存され、顧客や案件ごとに整理されるため、帰社後の事務作業が不要になります。
また、タグやコメント機能によりチーム内の情報共有も円滑化。報告書の書式は自由にカスタマイズでき、現場から直接送信できるため、移動時間を削減し業務効率を劇的に向上させます。