オールインワンシステムとは?案件管理から経営分析まで全部門が1つにつながる

「社内のシステムが増え続けている…」
「各部門でデータが連携していない」

いくつものシステムを導入すると月々のコストが膨らみ、現場の非効率は増すばかり。そこでオールインワンシステムの基本から、具体的な成功事例、失敗しないシステムの選び方、導入前の注意点を一つずつ見ていきましょう。

オールインワンシステムとは?業務改善できること

1. 点在する業務を一元化し生産性向上

個別システムとオールインワンシステムの違い
個別システムとオールインワンシステムの違い

営業管理はExcel、顧客情報はCRM、在庫管理は別のシステム…。このように複数のツールを使い分けている状態では、データ移行や二重入力など非効率な作業が発生し、業務の生産性を低下させる要因となります。

こうした課題を解決するのが、オールインワンシステムです。これは複数のシステムをひとつのプラットフォーム上に統合した仕組みで、すべての最新データがリアルタイムでつながり、部署間の連携もしやすいです。オールインワンシステムによって、次のような業務改善が期待できるでしょう。

オールインワン導入前オールインワン導入後
データ入力の重複作業1度の入力で全システムに反映
システム間の整合性確認リアルタイムで自動同期
月次レポートを手動作成ボタン1つで自動生成
画面を切り替えて参照統一されたダッシュボード

2. リアルタイムな共有で意思決定を迅速化

オールインワンシステムの利点は全部門のデータがリアルタイムで共有されることです。例えば、営業部が受注した案件を入力すると、製造部の生産計画に反映され、経理部では売上予測が更新されます。

部門作業
営業受注した案件を入力する
現場生産計画にリアルタイムで同期
経営売上予測が更新される

全員がリアルタイムで同じデータを参照できるため、異なる部署間での認識のズレが解消されます。シームレスな情報連携により、経営層は常に最新の経営指標を把握できます。

3. 複数システムのコストと管理を集約

5つのシステムを使っているなら、それぞれに保守費用が発生します。1システムあたり年間50万円とすると、5つで合計250万円もの保守費用がかかることになります。オールインワンシステムなら統合された分だけコスト削減が可能です。

システム管理の労力削減

  • 複数のシステムを1つに統合して、保守費用を大幅削減
  • システムアップデートの作業が一元化
  • トラブル時の問い合わせ窓口が1つ
  • セキュリティ対策も統一され、脆弱性リスクが低減
  • システムのユーザー管理も簡素化

オールインワンシステムの成功事例3選

CASE1. 塗装・防水工事における日成工業株式会社の事例

日成工業株式会社
日成工業株式会社

塗装・防水工事を手掛ける日成工業株式会社は、オールインワンシステムを導入し、案件管理と会社全体の状況把握が困難だった体制を改めました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
カンバンボード 引き合いから完了までの進捗の見える化案件の動きがひと目でわかるようになった
柔軟なカスタマイズ自社の業務フローに沿った設定変更現場に合った運用が自然と定着した
統合型案件管理見積もりから施工完了までの一括管理散らばっていた情報がひとつにまとまった

現場監督から事務スタッフまで、オールインワンシステム上で案件の状況を共有できるようになったことで、対応が後手に回る場面が目に見えて減りました。

塗装・防水工事の事例

  • 顧客の新規登録が最小限の入力項目で済み、事務の負担が大きく減った
  • 帳票のフォーマットが全社で統一され、部署間での書類のばらつきがなくなった
  • 原価の見える化が進んだことで、利益を意識した経営判断に切り替わった

CASE2. 木材販売・設備工事における株式会社ハママツの事例

株式会社ハママツ
株式会社ハママツ

木材販売・設備工事を展開する株式会社ハママツは、オールインワンシステムを使って、顧客管理と商品価格把握の属人化を改善しました。具体的なシステムの活用方法は主に3つです。

特徴活用方法効果
コメント機能案件ごとに打ち合わせ内容を記録必要な情報をすぐに確認できるようになった
見積書作成価格表から検索して商品価格を選択誰でも価格を参照し決定できるように
書類転用機能見積書から発注書や請求書への転用作成1回の入力で関連帳票がまとめて作れるようになった

担当者が不在でも別のメンバーがフォローできる体制が、オールインワンシステムの導入で整いました。顧客対応にとどまらず、売上データの分析にも活用が広がっています。

木材販売・設備工事の事例

  • 従業員同士のスケジュールが見える化し、チーム全体の連携が噛み合うようになった
  • 蓄積された売上データを経営判断に活用でき、事業拡大の材料が手に入った
  • 現場調査の写真をその場でアップロードでき、報告までのスピードが上がった

CASE3 . 建材販売・施工における株式会社山一の事例

建材販売・施工を手掛ける株式会社山一は、オールインワンシステムによって、商談から見積もりまでの流れを仕組み化し、部門を越えた情報のやり取りができるようになりました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
データの一貫管理商談から受注後までの一気通貫の運用部門間の連携がスムーズになった
見積書一覧機能進捗状況をひと目で把握見積を組織的に追っていくことが可能
絞り込み機能部署や発行日などの条件で対象を簡単に絞る部署ごとの比較や分析がしやすい
統一された入力方法 人によって異なっていた業務のやり方を揃える書類のデジタル化が図れる

オールインワンシステムを軸に営業・積算・施工管理の3部門がひとつの基盤でつながり、年間1,700件を超える工事案件をスムーズに回せる体制が整いました。

建材販売・施工の事例

  • 属人的だった商談の進め方が仕組み化され、誰でも同じ手順で対応できるようになった
  • 入力ルールが全社で統一され、紙の書類からデジタルへの移行が一気に進んだ
  • 業務にかかる時間が短くなり、案件対応のスピードと成果を両立できた

プロワン「株式会社山一」

オールインワンシステムの正しい選び方

1. 解決したい経営課題から機能を絞り込む

多機能だから良いシステムというわけではなく、自社に必要な機能は何かを見極めることが重要です。まずは自社の課題を整理し、以下のステップで進めることをおすすめします。

自社の課題を整理するフロー

  1. 実際に使う従業員から、日々の業務で困っていることをヒアリングします
  2. すべての要望を満たすのは難しいため、経営インパクトの大きさで順位付けを行います
  3. 3年後や5年後の事業計画を踏まえ、必要になりそうな機能も検討します
  4. 実際の業務フローで試用し、本当に課題が解決できるか確認します

例えば「顧客対応のスピードが遅い」という課題があるならCRM機能の充実度を重視しますし、「在庫の適正化ができていない」なら在庫管理と需要予測の機能が欠かせません。

2. 企業の成長段階に合わせた拡張性で選ぶ

特に従業員100名程度の企業が、いきなり1,000名規模に対応したシステムを導入する必要はありません。ユーザー数や機能を段階的に追加できる従量課金制のサービスを選べば、無駄なコストも発生しないです。

そのため、オールインワンシステムの拡張性をチェックしておきましょう。

項目確認内容理由
ユーザー数の上限何名まで対応可能か急成長時にシステム変更は大きな負担
API連携外部システムとの接続性特殊な業務システムとの連携が必要になる可能性
カスタマイズ性独自機能の追加開発が可能か自社特有の要件に対応するため
多言語・多通貨グローバル展開への対応海外進出の際のシステム再構築を避ける

3. 現場担当者が使いこなせる操作性とサポート

どのような高機能なシステムも、現場が使えなければ無意味です。操作性の良さが導入成功を左右するため、以下のポイントを押さえましょう。

確認項目詳細
直感的なインターフェースマニュアルを読まなくても、ある程度操作できるか
スマホ対応外出先や現場からもアクセスできるか
日本語サポート困ったときに日本語で相談できる体制があるか
導入支援の充実度初期設定や従業員研修を手厚くサポートしてくれるか
ユーザーコミュニティ他社の活用事例を学べる場があるか

おすすめのオールインワンシステム

1. バックオフィス向けオールインワンシステム

マネーフォワードクラウド

経理、人事、総務、法務部の事務作業をこれ1つで完結させたい場合に選ばれる、日本で最もポピュラーなタイプです。

システム名特徴向いている企業
マネーフォワードクラウド会計、給与、経費、勤怠などを幅広くカバー。他サービスとの連携も強い。中堅・中小企業〜IPO準備企業
freee(フリー)独自の勘定科目体系で、経理初心者でも使いやすい。統合型ERPとしての完成度が高い。スタートアップ・個人事業主〜中堅企業

※ 2026年4月時点

2. 現場向けオールインワンシステム

オールインワンシステムの「プロワン」

プロワンは、顧客対応から施工、請求、経営分析まで、現場業務に必要なすべての機能を備えたオールインワンシステムです。分散していた業務プロセスを1つのプラットフォームで完結させ、DX化を実現します。

1. バラバラのデータを一括管理できる

従来の分散型システムでは、複数のツール間でのデータ転記や情報の不整合が常態化していました。プロワンは、これらすべてを統合プラットフォームで管理。現場担当者にも使いやすいインターフェースで、データの一貫性と信頼性を確保します。

利用カテゴリ具体的な機能
営業案件管理、リマインド、顧客管理、CRM連携
現場見積もり管理、発注書・請求書作成、スケジュール管理、完了報告、協力会社連携
経営請求書管理、入金管理、粗利計算、個別原価計算、分析レポート

導入企業では事務作業を削減し、重複入力や手作業での帳票作成を完全に自動化。複雑に分散していた業務データを一元管理することで、業務効率を向上させています。

2. 現場から経営まで即座にデータ反映

経営ダッシュボードとKPI管理機能により、現場の最新データを瞬時に可視化。従来型の定期レポートでは不可能だったリアルタイムな経営判断を可能にし、意思決定の速度と精度を大幅に向上させます。

プロワンの可視化機能の特徴

  • 案件ごとの収益性を即座に把握
  • 精緻な原価管理により利益率15%向上を実現
  • 異常値の早期検知による在庫最適化
  • 全社員がKPIをリアルタイムで確認可能
  • マルチデバイス対応でどこからでもアクセス

実際の導入企業では、データドリブンな経営が定着し、月次の改善サイクルが確立。機材一つひとつの履歴管理により、新たな資産管理手法も実現しています。

3. 実務にフィットするカスタマイズ性

現場の実情に即した設計により、ITスキルに関わらず全員が活用できます。直感的な操作性により、導入初日から業務効率化を実現します。

従来の課題プロワン導入後
手動で都度更新ドラッグ&ドロップで簡単更新
メール添付で送信リアルタイム自動同期
バージョン管理が困難自動で全履歴保存
対応遅れが発生期限アラート自動送信

さらに、プロワンは独自の業務フローや管理項目にも柔軟に対応。法改正や市場変化に合わせて進化し続けるシステムとして、ビジネス環境の変化にも迅速に適応可能です。

導入支援も万全です。業界を熟知した専任コンサルタントチームが、貴社の課題を分析し、最適な導入プランを提案。ノンコア業務を効率化し、コア業務にリソースを集中できる環境を構築いたします。

オールインワンシステムのよくある質問

── 初期費用や月額料金の相場は?

オールインワンシステムの費用は企業規模や必要機能により幅がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

項目クラウド型オンプレミス型
初期費用0〜200万円 (設定費用、データ移行費用など)500万〜3,000万円 (ライセンス、サーバー、構築費用)
月額費用1万〜5万円 (ユーザー数や機能による)
年間保守費用初期費用の15〜20%
年間トータルコスト12万〜700万円程度575万〜3,600万円程度
5年間トータルコスト60万〜3,100万円程度1,000万〜5,000万円程度

一方で「保全工数削減、故障損失削減、在庫削減」など、オールインワンシステムを導入することで削減できる隠れたコストもあります。トータルコストで比較することが重要です。

── オールインワンシステムのデメリットは?

オールインワンシステムにも課題はあります。ただし、適切な対策を講じればリスクを最小限に抑えることが可能です。

課題具体的な影響推奨される対策
カスタマイズの制約独自業務への対応が難しい業務プロセスの標準化を同時に進める
学習コストの増大多機能ゆえに習得に時間がかかる段階的な機能開放と継続的な研修
障害時の影響範囲全業務が停止するリスクBCP対策とバックアップ体制の確立
オールインワンシステムへの依存他システムへの乗り換えが容易ではないデータエクスポートやAPI連携の有無を確認

── 既存システムからのデータ移行は?

ほとんどのケースでデータ移行は可能です。移行作業は通常、以下のステップで進められます。

データ移行の実施手順

  1. 移行対象データの範囲を決定(過去3年分など)する
  2. 重複や不整合データを事前にクレンジングする
  3. 重要度の高いデータから段階的に移行する
  4. 新旧システムを一定期間並行運用して検証する

移行の際には「不要なデータの削除、重複データの排除、形式の統一」といったデータクレンジング作業を徹底的に行います。この丁寧な前処理により、例えば10年分の膨大な顧客データであっても、データ完全性99.99%以上という高い精度で移行できます。

── 導入後にうまく使えなかったケースは?

失敗事例を分析すると、技術的な問題よりも組織的な問題が原因であることがほとんどです。成功に導くための体制づくりのポイントは以下の通りです。

成功に導くためのポイント

  • トップダウンでの推進と、現場への継続的なメッセージ発信
  • 各部署から選抜されたメンバーによる部門横断チームを組成
  • 変化への抵抗を最小化するため、早期から従業員を巻き込む
  • 一気に全社導入せず、パイロット部署で成功体験を作ってから展開
  • 導入効果を測定する指標を事前に設定し、定期的にモニタリング

成功事例では、現場の選抜メンバーで推進チームを作ったことで導入がスムーズに進みました。「上から押し付けられた」という反発を防ぎ、自発的な協力を得ることができます。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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