タコツボ化とは?閉じこもる状態を改善した事例とおすすめサービス5種

「他部署が何をしているかわからない」
「部門間の連携がうまくいかない」

このような状態は「タコツボ化」と呼ばれ、生産性の低下やイノベーションの阻害につながります。タコツボ化の原因から、チェックリスト、タコツボ化を解消する手順、おすすめのツールまで、組織の風通しを良くする道筋を見ていきましょう。

3分でわかるタコツボ化の基本

1. タコツボ化・サイロ化・セクショナリズムの違い

タコツボ化とは、情報や業務プロセスが外部と共有されずに、部署やチームが閉鎖的になる状態を指します。単なるコミュニケーション不足ではなく、各部門が「自分たちの仕事さえうまくいけばいい」という意識に陥る、組織構造や心理的要因が絡む構造的な問題です。

タコツボ化と似た意味で使われる言葉に「サイロ化」と「セクショナリズム」があります。これらは本質的には同じ現象を指していますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。

用語語源ニュアンス
タコツボ化タコが壺に閉じこもる様子日本的な表現で組織文化や人の心理面に使用。閉じた集団が形成され、相互の意思疎通が困難な状態
サイロ化穀物貯蔵庫(サイロ)が外から中身が見えず、独立した状態であることに由来ビジネス用語として国際的に使用。データ・システムの分断にも使われる
セクショナリズムSection(分派)+ ism(主義)縄張り意識・派閥主義の意味合いが強い。部門間の対立や利害衝突など

3つの用語に共通するのは、「組織内の部門が孤立し、連携が取れなくなっている状態」を表している点です。いずれもネガティブな意味合いで使われることが多く、組織の発展を妨げる要因として認識されています。

2. タコツボ化が起きる5つの原因

タコツボ化は組織が成長して、分業化が進む中で起きやすいです。主に5つの原因が重なって進行していきます。

1. 他部門への無関心

自部門の業務に集中するあまり、他部署や会社全体の動向を把握する余裕がなくなることが基本原因です。専門性を高めようと真剣に取り組んだ結果、視野が狭まるケースも少なくありません。

2. 縦割りの組織構造

機能別・事業部制組織では、各部門が独自の目標達成に向けて最適化を図ります。営業は売上、開発は納期、サポートは顧客満足度のように、評価指標が異なり、部門間の利害が対立しやすくなります。

3. 予算配分と評価制度

部門ごとに予算が割り当てられ、成果が昇進や報酬に直結する環境では、他部門との協力より自部門の成果を優先する行動が合理的になります。

4. リモートワーク・テレワークの普及

Microsoftの調査によると、リモートワーク中は他チームとの会話頻度が減少し、新しい人間関係の構築が困難に。オフィスでの偶発的な会話がなくなり、視野が狭まりやすい環境が生まれています。

5. 専門性の高度化

専門性が過度に進むと部門間の壁が高くなり、他部門の業務が理解しづらくなります。専門用語が飛び交い外部には理解できない状態になると、閉鎖性がさらに高まります。

3. タコツボ化で起きる6つの弊害

タコツボ化を放置すると、組織全体のパフォーマンスが低下します。タコツボ化が引き起こす具体的な弊害は以下です。これらのデメリットは、目に見える数字として表れにくいため発見が遅れがちですが、組織を内部から蝕んでいきます。

弊害具体的な内容
主体性の欠如自己責任で考えようとしなくなる。指示待ち人間が増え、組織の活力が失われる
生産性の低下複数の部門で同じ作業をする。連携不足によるミスやトラブルも増加し、その対応に多大な時間とコストがかかる
部分最適の蔓延部分最適が優先され全体最適が損なわれ、組織としてのシナジーが発揮されなくなる
イノベーションの阻害同じメンバーでかたまることで視野が狭まり、革新的なアイデアが生まれにくくなる
リスク管理の欠如トラブル情報が現場で止まり、経営層への報告が遅れる
不正の温床各部門が閉じた状態では隠ぺい体質となり、不正が発覚しにくい。よそには口を挟まない意識が働き、問題が見過ごされがちになる

タコツボ化チェックリスト

自社の組織がタコツボ化しているかどうか、以下のチェックリストで診断してみましょう。5点以上はタコツボ化が進行している可能性があります。

診断項目 リスクレベル
他部門が何をしているか把握していない (シナジー喪失と重複業務の発生)
会議の議事録や資料が関係者にしか公開されていない (情報の属人化とブラックボックス化)
困ったときに、他部門の誰に相談すればいいかわからない (問題解決の遅延と初動ミス)
部門を超えた情報共有の場がない (全社的なナレッジ活用の阻害)
「それはうちの部門の仕事ではない」という発言をよく聞く (責任の押し付け合いと業務の隙間)
全社ミッション・ビジョンを社員が言えない (組織の求心力低下と方向性の不一致)
問題が起きると「うちは悪くない」という反応が多い (他責思考による改善の停滞)
新しい提案が「前例がない」で却下されることが多い (イノベーションの阻害と成長鈍化)
「自部門の利益を守ること」が、暗黙のうちに最優先になっている (部分最適による全社利益の毀損)
新入社員や異動者が、他部門との接点を持つ機会がない (社内ネットワークの断絶)
部門間の人事異動がほとんどない (組織の硬直化とマンネリ化)
リモートワーク導入後、他部門との会話が減った (偶発的なアイデア創出の減少)
同じ部門の人としか昼食を取らない (非公式な情報交換の欠如)
リスクスコア: 0

タコツボ化解消の成功事例3選

CASE1. 消防設備工事における真弓興業の事例

真弓興業株式会社

消防設備の設計・施工・保守を手がける真弓興業株式会社は、業務管理システムを導入し、部署間で異なっていた管理方法を統一、情報のリアルタイムに共有できるようになりました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
リアルタイム情報共有対面やメール中心だった書類のやり取りをシステム上の通知に変更部署時間短縮やミス防止
一元管理機能営業段階・見積作成・施工段階の情報を共有情報へのアクセスが簡単に
ファイル管理機能写真やファイルを案件ごとに集約約・保存資料の検索時間を削減
見積・実行予算作成営業部とメンテナンス部間の見積依頼・受け渡しをシステム化部署間の連携がスムーズに

同社では、このシステムを活用することで、現場や他部署との情報の行き違いが解消されました。業務の効率化で生まれた時間を新しい仕事やチャレンジに活用できる体制が整いつつあります。

消防設備工事の事例

  1. 担当者ごとにバラついていた書類作成や情報管理の方法が統一された
  2. 急な予定変更や緊急対応時も、誰が対応できるかをすぐに把握可能になった
  3. 紙で回覧・保管していた見積書や実行予算がシステム上で完結し、紛失リスクも解消された

CASE2. 外構・エクステリアにおけるアライアルミの事例

株式会社アライアルミ
株式会社アライアルミ

外構・エクステリア業を手がける株式会社アライアルミは、案件管理システムを使って、分散していた情報を集約し、現場と事務間の連携を強化しました。具体的なシステムの活用方法は主に4つです。

特徴活用方法効果
一貫したシステムタスク管理・スケジュール管理・経理関係などを統合どこに何の情報があるか分からない状態を解消
現場アプリ現場で発生した修理や工事箇所の情報を社内と連携連携ミスによる請求漏れの防止
見積比較表何種類か作成した見積もりを1つにまとめて提案お客様も自分たちも見やすく整理しやすい
顧客管理機能お客様の管理・分析を実施個人のお客様層拡大に向けた管理体制を構築

同社では、以前は現場で発生した情報が事務に届かず、お客様から請求内容のずれの指摘を受けることがありました。システム導入により現場と事務が一貫したシステムで繋がり、連携ミスが解消されました。

外構・エクステリアの事例

  1. 担当者ごとにバラついていた書類作成や情報管理の方法が統一された
  2. 急な予定変更や緊急対応時も、誰が対応できるかをすぐに把握可能になった
  3. 紙で保管していた見積書や実行予算がシステム上で完結し、紛失リスクも解消された

CASE3. 配送業におけるソーデン社の事例

株式会社ソーデン社
株式会社ソーデン社

家具家電の配送・設置工事を行う株式会社ソーデン社は、異なるツールで管理していた情報をオールインワンシステに集約して、各拠点の状況をリアルタイムに可視化できる体制を構築しました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
情報の一元管理拠点を一つのシステムでつなぐ欲しい情報にすぐにアクセス可能
収支のリアルタイム可視化売上・原価・経費を自動集計異なるシステムでの集計作業の手間を解消
現場アプリ現場で作成した見積もりをその場でSMS送信現場での活用が予想以上に進む
デジタル書類作成現場報告書をデジタル化担当者しか把握できない状況から脱却

同社ではエクセル管理により案件データを複数人で共有できず担当者しか把握できない状況でした。システム導入によって担当者が休職や退職しても案件詳細を把握できるようになりました。

配送業の事例

  1. 直営20店舗の各拠点の管理状況が把握でき、案件情報を複数人で共有できるようになった
  2. 売上計上作業が効率化され、営業会議の迅速な実施が可能になった
  3. 顧客側システムと自社エクセルへの二重入力・集計の手間がなくなった

タコツボ化解消までの4ステップ

STEP1. 会社の理念を共有する

会社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)や創業理念を全社員に浸透させることが、タコツボ化対策の第一歩です。会社全体の方向性が共有されていれば、担当する業務が違っていても協力体制を築きやすくなります。

「会社全体がひとつのチームであり、部門はその中の役割に過ぎない」というイメージを持ってもらいましょう。直属の上司だけに従うのではなく、会社の経営方針や成長戦略を理解した上で行動できる社員を育てることが重要です。

STEP2. 情報をオープン化する

情報が特定の個人や部門に集中している状態では、組織全体での協働は困難です。以下のような取り組みで、情報の透明性を高めます。

2-1. ドキュメントの一元管理

各部門がバラバラに管理している資料を共通プラットフォームに集約します。適切なフォルダ構成やネーミングルールで検索性を担保し、必要な情報をすぐに見つけられる状態にすることが重要です。

2-2. 会議のオープン化

経営会議や部門会議の議事録を可能な限り公開し、意思決定の背景を共有することで組織の方向性への理解が深まります。他部門へのオブザーバー参加を認めることも有効です。

2-3. ナレッジ共有の文化

成功・失敗事例を積極的に共有する仕組みを作り、定期的な勉強会で部門を超えた学び合いの場を設けます。知識を共有する人が評価される環境づくりが重要です。

STEP3. ダイアログやジョブローテーションを実施する

定期的な対話の場を設け、心理的安全性を高めるダイアログ」は、組織を活性化させます。業務の進捗報告だけでなく、各メンバーの考えや悩み、アイデアを自由に共有できる雰囲気を作ることが大切です。

また、異なる部門や拠点を経験させる「ジョブローテーション」は、視野を広げる効果があります。複数の部門を経験した社員は、会社全体を俯瞰して考えられるようになります。人事異動が難しい場合は短期間の部門間留学制度や、他部門との合同研修などの代替策を検討してみましょう。

STEP4. 人事制度の設計を見直す

情報基盤を整え、協働の場を作っても、個人の成果につながらなければ社員の行動は変わりません。部門を超えた協力行動を正当に評価する仕組みが不可欠です。

具体的な施策詳細
全社目標への貢献を評価部門横断プロジェクトへの参加や全社目標への貢献を評価項目に追加します。
他部署貢献の指標化個人や自チームの目標達成度だけでなく、他部門への貢献や協力姿勢を評価基準に明記。360度評価を導入し、他部門からのフィードバックを反映します。
失敗を許容する文化の醸成新しい協働にはリスクが伴います。挑戦が失敗に終わったとしても、チャレンジしたことは評価しましょう。

人事制度の変更には時間がかかりますが、経営層のコミットメントを示す重要なシグナルです。言葉だけでなく、評価や報酬という形を示すことが、従業員の行動変容を促します

タコツボ化解消のおすすめサービス5種

1. 全社のナレッジを一元化するツール

Notion

業務ノウハウや社内情報を一元管理し、部門を超えて知識を共有できるツールです。情報の属人化と分散を防ぎ、必要な情報に誰でもアクセスできます。

サービス名特徴
Notion柔軟性が高く、ドキュメント、データベース、タスク管理など、多様な情報を一つのワークスペースに集約できる
Microsoft SharePointTeams、Outlook、OneDriveといった既存ツールと連携し、ファイル管理からワークフロー、イントラネット構築までカバー
Confluence技術文書や仕様書の管理に強み。権限管理も細かく設定できるため、公開範囲をコントロール可能

情報が古いまま放置されたり、ルールがなく情報が整理されていない状態では、ツールは機能しません。導入後の運用ルールの整備と継続的な更新が鍵です。

※ 2026年1月時点

2. 気軽な連携を生むチャットツール

Slack

日常的なコミュニケーションの活性化を実現するツールです。メールよりもスピーディーにやり取りでき、チャンネル機能で部門横断のプロジェクトも管理しやすくなります。

サービス名主な機能
Slack即時性の高いチャット、チャンネルベースのコミュニケーションが特徴。外部ツールとの連携も豊富で、通知を集約できる
Microsoft Teamsビデオ会議、ファイル共有、チャットを統合したプラットフォーム
Chatwork日本企業に特化した使いやすさ。UIがシンプルで、ITリテラシーが高くない従業員でも導入しやすい

チャットツールを導入する際は、メールとの使い分けルールを明確にします。カジュアルな相談はチャット、「正式な依頼」「記録として残すべきもの」はメール、といった基準を設けましょう。

※ 2026年1月時点

3. 社内SNS・プロフィールツール

ourly profile

社員同士の相互理解を促進し、部門を超えた「人のつながり」を作ります。大規模組織で特に効果を発揮し、「人の顔と名前が一致しない」「誰に相談すればいいかわからない」といった状態を改善します。

サービス名主な機能
ourly profileプロフィール機能と組織図で、社内の人探しをサポート。趣味・スキル・経歴なども共有し、社員の「人となり」も可視化
TUNAG従業員エンゲージメント向上に特化した社内SNS。サンクスカード機能や社内報で組織の一体感を高める
TalknoteコミュニケーションデータをAIで分析し、組織のコンディションを可視化する社内SNS。人のつながりやコミュニケーション量を把握できる

※ 2026年1月時点

4. プロジェクト進捗を可視化するツール

Asana

プロジェクトの進捗を可視化し、タスクの抜け漏れを防ぐツールです。単に進捗を記録するだけでなく、透明性を高め、相互理解を促進する役割を果たします。

サービス名主な機能
Asana
直感的なUIで、使いやすい。リスト・ボード・タイムライン・カレンダーなど多彩なビューでタスクを可視化
Monday.comカスタマイズ性が高い。テンプレートが200種類以上あり、営業・マーケ・人事・開発など多様な業務に対応
Backlog国産のプロジェクト管理ツール。課題管理・Wiki・Git連携・ガントチャートを搭載し、日本語サポートが充実

※ 2026年1月時点

5. 業務やデータを一元管理するシステム

プロワン

営業・現場・会計・経営などの業務を1つのプラットフォームでつなぎ、一元管理するシステムです。部門の壁を越えたシームレスなデータと情報共有が可能になります。

サービス名主な機能
プロワン建築、リフォーム、修理、点検など現場業務に特化した業務管理システム。見積から報告書作成、請求、顧客管理、経営分析まで一気通貫で管理可能
SAP Business ByDesign中堅・中小企業向けのERP。会計、人事、販売、プロジェクト管理等の機能を網羅し、経営の透明化を実現。
freee会計、人事労務、販売管理がシームレスにつながり、バックオフィスのタコツボ化解消に強み。直感的なUIで使いやすい。

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