複数システムへの二重入力、担当者ごとに異なる管理方法、そして確認作業に追われる日々──。こうした課題を解決するため、同社が選んだのがプロワンでした。帳票作成機能や協力会社との連携、そして高い設計自由度が決め手となった導入の背景と、今後の展望について、サービスセンター マネージャーの木村様、業務部 マネージャーの斎藤様にお話を伺いました。
マイナスをゼロに、ゼロをプラスに― 事業拡大を支えるアフターサービス部門の挑戦
── まず、貴社の事業内容と、皆様の役割について教えてください。
木村様:弊社は1990年に設立し、臭気対策を原点に空気環境の改善事業を専門として展開してきました。分かりやすく言うと、元々は「マイナスを0にする」──つまり、臭いで困っているお客様の問題を解消する事業からスタートしました。
現在は「0を維持する」、さらに「0をプラスに転換する」という領域にも事業を拡大しています。具体的には、抗ウイルス除菌製品の開発・販売や、フレグランスを用いた空間演出、企業ブランディングのサポートなどですね。事業領域だけでなく、海外展開も進めており、ターゲット範囲も広がっています。
私が所属するサービスセンターは、弊社で納品した脱臭装置に対するアフターサービスを提供する部署です。メンテナンスや機器の交換、新規取り付けなどを行っています。私はマネージャーとしてチームを預かりながら、プレイヤーとしても現場に出ています。
斎藤様:私が所属する業務部は、社内の業務標準化を推進する部署です。各チームの業務プロセスを整理し、効率化を図ることがミッションです。その一環で、サービスセンターが抱える業務課題の解決と改革を、木村さんと一緒に進めています。今回のプロワン導入プロジェクトも、その中心的な取り組みの一つです。
── 案件数はどのくらいですか?
木村様: 月平均で約250件です。1月から3月の繁忙期には300件を超えることもあり、年間では約3,500件ほどになります。
なぜ機会損失が生まれていたのか? 多重入力と確認作業が奪っていた、お客様と向き合う時間
── プロワン導入前は、どのような体制で業務を管理されていましたか?
木村様:以前はSFAとGoogleワークスペースを使用していました。ただ、SFAは販売管理には向いていても、アフターメンテナンスの管理には十分にフィットしていませんでした。
── 具体的にはどのような課題がありましたか?
木村様:まず、案件数の増加に伴う処理漏れですね。案件が多いと、それぞれの確認回数も増えます。確認のための確認に時間を取られ、転記漏れや入力忘れも発生していました。
次に、複数システムへの多重入力です。SFAに入力して、Googleスプレッドシートにも入力して、さらに別のシステムにも……と、同じ情報を3つも4つも入力している状態でした。入力工数の増大が大きな課題でしたね。
さらに、業務プロセスの標準化ができていなかったことも課題でした。システムでカバーしきれない部分を、担当者がそれぞれ独自のやり方で管理していたんです。その人が休むと進捗が分からなくなりますし、退職となれば引き継ぎも困難です。
斎藤様:チームでやり方を決めても、実際に運用するのは担当者個人なので、結局その人がやりやすい方法に変わっていってしまう。普段は問題が表面化しないのですが、いざという時に初めて痛感するんですよね。
木村様:本来は営業活動に時間を割きたいのですが、事務処理に追われてしまっていました。弊社のビジネスモデルは既存のお客様がリピーターになるケースが多いので、きちんとアプローチできれば案件は増えていくはずなんです。そこに手が回らないのがもどかしかったですね。
決め手は「転記作業を削減」できる帳票機能と、「円滑な情報共有」を可能にする協力会社連携
── 多くのシステムがある中で、プロワンを選ばれた決め手は何でしたか?
斎藤様:既存のSFAをカスタマイズして対応することも検討しましたが、莫大な開発費用がかかる上に、根本的な課題解決には至らないと判断しました。そこでWebで情報収集を始め、10社ほどの製品を比較検討した結果、プロワンに出会いました。
決め手になった点は複数ありますが、特に大きかったのはプロワン内で帳票を作成できることです。アフターサービス業務では、見積書や作業報告書、日程のお知らせなど、お客様に提出する書類が非常に多いです。これまでは別のツールで作成していましたが、プロワンならシステム内の情報を使ってワンクリックで帳票を生成できる。これにより、転記作業やそれに伴うミスが根本からなくなると確信しました。

木村様:協力会社とも同じシステムを使える点も大きな魅力でした。我々の業務は多くの協力会社様との連携が不可欠です。プロワンなら、協力会社様に専用のアカウントを発行し、同じプラットフォーム上で案件情報や進捗を共有できます。もちろん、閲覧権限を細かく設定できるので、他社には見せられない情報もしっかりと管理できます。これが実現できるシステムは、他にはありませんでした。
── UI(操作画面)の使いやすさも重視されたと伺いました。
木村様:はい、毎日使うものなので、直感的に操作できるかは非常に重要です。プロワンはシンプルで分かりやすく、いわば「アレルギーが出ない」UIでしたね。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットの専用アプリが見やすいことも、現場で作業する協力会社様にとっては大きなメリットだと感じました。

── ご提案から運用開始における担当者の対応はいかがでしたか?
木村様:営業担当の方は、弊社がSFAを使っていてうまくいかないという話を丁寧に聞いてくださいました。課題の引き出しとそれに対する回答が的確でしたね。「SFAでできていたこれがプロワンではこうなります」「逆にこれはプロワンではできません」と、比較説明が非常に分かりやすかったです。他社との商談では、伝えたいことが噛み合わないことも多かったのですが、プロワンではそれがなく、テンポよく契約に至りました。
木村様:導入支援担当の方にも驚きました。初回の挨拶の前に、弊社のWebサイトを細かいところまで予習されていて、ヒアリングシートに書いていないことまで理解されていたんです。「こういう解釈で合っていますか?」と確認されて、合っている。参加者全員が驚きましたね。
業務フローのヒアリングでも、私たちが頭の中で整理しきれていないことをサッと図に落とし込んでくださって。「意外とシンプルだったんだ」という気づきをもらいました。また、システムの実現性も具体的に示してくださいました。「こうやったらできます」という提案を、実際にシステムを動かしながら見せてくれるので、安心感がありました。
情報精度向上と業務標準化で、事業成長の基盤を築く
── プロワン導入によって、どのような効果を期待されていますか?
斎藤様:まず、情報の一元管理による「精度の向上」です。二重入力がなくなることで、常に正確で最新の情報をリアルタイムに全員が確認できるようになります。これにより、無駄な確認作業が減り、業務効率は飛躍的に向上するはずです。
この業務効率化によって創出された時間を、本来やるべき生産性の高い業務に充てられることが最大の効果だと考えています。
木村様:まさにその通りです。また、プロワン上で業務フローが統一されることで、業務の標準化が進み、属人化から完全に脱却できると期待しています。これが実現すれば、新しいメンバーが入社した際の教育もスムーズになりますし、チームとしてさらに高いレベルのサービスを提供できるようになります。
斎藤様:業務部としては、このプロジェクトがうまく稼働すれば、そのノウハウを他部署にも展開できる可能性があります。会社全体の業務標準化につなげていきたいですね。
アフターサービス部門が事業拡大の「縁の下の力持ち」になる
── 今後の事業展望についてお聞かせください。
木村様:短期的には、これまで手が回らなかった納入済み案件のすべてにアプローチできる体制を構築したいです。長期的には、サービスセンターが対応できる製品の領域を広げ、チーム全体の専門性を高めていきたいと考えています。そして、我々アフターサービス部門が収益の安定基盤となり、会社が「ゼロからプラスへ」とさらに事業を拡大していくための「縁の下の力持ち」のような存在になることが目標です。
── 今後、プロワンに期待することはありますか?
木村様:すでに非常に満足していますが、欲を言えば、機器や在庫の情報を一括で取り込めるデータローダー機能があると、乗り換え時のデータ移行がさらにスムーズになるので期待しています。( 2026年中にリリース予定 )また、社内外で使い分けができるようなチャット機能の強化にも期待しています。ユーザーの声に耳を傾け、常にアップデートし続けてくれることを今後も楽しみにしています。

プロワンの導入はカスタマ-サクセスのスタ-トにすぎません。導入後、プロワンは導入企業様と併走し、事業成長というゴ-ルに向かって全力で支援します。