業務可視化ツールとは?残業時間を減らした3つの事例とおすすめ製品4種類

「なぜ残業が多いのか?」
「従業員の作業実態がわからない」

そこで、業務可視化ツールで現状を変える方法から、3社の成功事例、最適なツールの選び方、具体的な製品比較までを詳しく見ていきましょう。

業務可視化ツールとは?解決できる課題

1. 従業員の業務改善を進められる

業務可視化ツールの目的は、従業員の業務時間を客観的に把握することであり、「どこに無駄があるか」が明らかになります。監視ツールのような「誰が悪いか」「いつサボっているか」「どこにいるか」ではなく、現場の納得感を得やすいのが特徴です。

比較項目業務可視化ツール監視ツール
導入の目的ボトルネックの特定・プロセス改善個人の怠慢・不正の証拠収集
分析の視点どの業務に時間がかかっているか誰がサボっているか
社員の心理正当な評価や過重労働の防止への安心感疑われていると感じ、士気が低下

2. 業務のブラックボックス化を防ぐ

カンバンボード
業務管理の実画面

同じ担当者が業務を担当し続けた結果、独自の処理方法や判断基準が生まれ、他のメンバーが介入できないケースも少なくありません。業務可視化ツールは、PC操作ログを自動で記録するため、誰がどのような手順で仕事をしているのか把握できます。

課題業務可視化ツールによる解決策
業務量の偏りが見えない担当者別の作業時間とタスク数を定量分析
手順が共有されていない操作ログから業務フローを自動生成
担当者で処理方法が異なる複数担当者の作業を比較し、標準化すべき箇所を特定
引き継ぎ資料が十分でない操作画面やクリック順序から正確なマニュアルを作成

3. 在宅勤務の稼働状況を把握できる

リモートワークでは、社員がどのような作業を行っているのか把握しにくいです。業務可視化ツールを導入することで、「Excelでの資料作成に3時間」「Web会議に2時間」「メール対応に1時間」といった詳細な内訳をパソコンの操作ログから確認できます。

非効率な作業に時間を奪われている部分もわかりますし、RPA導入や業務フローの見直しといった建設的な改善策を講じることが可能です。

4. PCログを活用して現場負担がない

業務改善プロジェクトで難航するのが、現状の把握です。業務内容のヒアリングや作業時間の記録は、現場にとって大きな負担になります。PCログを活用すれば、社員はいつも通り業務を進めるだけで、データが自動的に蓄積されます。

自動で業務可視化ツールに蓄積されるデータ

  • クリック・キーボード操作
  • ファイル操作ログ
  • ウェブサイトアクセス記録
  • アプリケーション使用履歴
  • システム間の移動

5. ファクトベースで人員配置できる

従来の人員配置は、現場からの訴えや管理職の経験則に頼りがちでした。それをデータドリブンでリソース不足やボトルネックを判断できるようになります。

人員配置の材料

  • 稼働時間データから、業務量に対して人員が適正かを客観的に算出する
  • 特定の部署や個人への業務偏重を数値で特定し、人員配置の見直す
  • 作業時間が長引いている箇所から、教育研修の必要性を裏付ける

業務可視化の成功事例3選

CASE1. 住宅設備機器卸売・施工におけるサンセキ株式会社の事例

サンセキ株式会社
サンセキ株式会社

住宅設備機器の卸売・施工を手掛けるサンセキ株式会社は、業務管理システムを導入して、業務フロー全体を見える化し、無駄な工数を浮き彫りにすることで作業効率を改善しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
業務状況の見える化個人の仕事の進め方の確認引き継ぎのルールが整い属人化が減った
見積もり・発注の一括管理見積書作成から発注処理までの集約担当者が不在でも内容をすぐ把握できる
売上データの可視化売上・利益・利益率のレポート出力経営判断に必要な数字がすぐ手に届く

従来は営業所や担当者ごとに書類のつくり方がバラバラで、必要なデータを探し当てるだけで時間がかかっていました。業務管理システムの導入後は業務フローが整理され、営業活動など本来注力すべき仕事に集中できる環境が整いつつあります。

住宅設備機器卸売・施工の事例

  • 担当者が休んでも業務の進捗がひと目でわかり、対応の空白がなくなった
  • 見積書や発注書の作成手順が統一され、人による作業のばらつきが消えた
  • 利益率の推移をすぐに確認でき、次の打ち手を考えるスピードが上がった

CASE2. 建物修繕におけるジャパンホームシールド株式会社の事例

ジャパンホームシールド株式会社
ジャパンホームシールド株式会社

地盤調査や建物検査を主事業とするジャパンホームシールド株式会社は、業務可視化ができる案件管理システムを使って、案件の進捗状況を可視化、遅延・滞留を防ぎ、迅速な案件対応を実現しました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
案件フェーズ管理ステータスのリアルタイム表示遅れや滞留にすぐ気づけるようになった
協力会社管理各社バラバラだった書式の統一転記や書類づくりの手間が大きく減った
カスタムレポートスタッフ・エリア別の分析レポート作成数字にもとづいた次の戦略が立てられる

同社は協力会社やビルダーを管理するシステムがそれぞれ別々で、転記作業や集計に膨大な時間をとられていました。システム導入で情報を1箇所にまとめたことで、少ない人数でもより多くの案件をさばけるようになっています。

建物修繕の事例

  • 案件の状態がぱっと見でわかり、協力会社との連絡に使う時間が減った
  • 管理コストが下がった分のリソースを、新人育成や営業強化に回せた
  • 全国300〜500社規模の協力会社ネットワークに耐えうる管理基盤ができた

CASE3. 塗装・防水・リニューアル工事における日成工業株式会社の事例

日成工業株式会社
日成工業株式会社

塗装工事を軸に防水・リニューアル工事も手掛ける日成工業株式会社は、オールインワンシステムによって案件の進捗や業務量をカンバンボードで見える化することで、会社全体の状況を把握しました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
カンバンボード各案件がどのフェーズにあるか表示案件数と業務量をひと目で把握できる
案件登録機能引き合いから施工完了までの一連の記録情報が個人に閉じず組織で共有される
ワークフロー設定自社の業務手順に合わせたカスタマイズ現場のやり方に寄り添った柔軟な運用

以前は担当者個人が案件を抱え込んでいたため、対応が後手に回りクレームにつながりやすい状態でした。オールインワンシステムの導入で、どこで誰がどの案件を動かしているかが会社として見渡せるようになっています。

塗装・防水・リニューアル工事の事例

  • 案件の進み具合が共有され、後手後手だった対応から抜け出せた
  • 帳票のレイアウトが統一され、担当ごとの書式のばらつきがなくなった
  • どの案件がどこまで進んでいるか、会社全体で追える仕組みが整った

業務可視化ツールの選び方

1. 導入目的を明確にする

「何を可視化したいか」「どのような課題を解決したいか」を明確にし、目的に適した機能を持つツールを選ぶことが重要です。

目的適した機能
労務管理の適正化PCログ取得・業務データ収集
進捗の把握タスク管理・スケジュール管理・カンバンボード
業務プロセスの改善BPM・フロー図作成・レポート分析

2. 集計する情報のレベルを決める

例えば、見積書作成の改善なら、「依頼から提出まで何日かかるか」という業務全体の流れか、「担当者のExcel操作に何分かかるか」という個人作業の内容を分析したいのかで、選ぶべきツールは変わります。

他にも「ボトルネックは部署単位と作業単位のどちらか」「プロセス設計より個々の作業手順を改善するか」「RPA化やマニュアル作成まで視野に入れているか」は、事前にある程度認識しておきましょう。

3. セキュリティとプライバシーに配慮する

業務データには機密情報が含まれることも多く、セキュリティ対策は必須です。さらに社員の心理的負担に配慮した機能があるとより望ましいでしょう。

確認項目詳細
データの保存場所国内か海外か、機密性の高いデータを扱う場合はオンプレミス対応の有無も確認する
暗号化対応通信時(SSL/TLS)だけでなく、保存のデータ暗号化にも対応している
アクセス権限管理閲覧できるデータを役職や部署ごとに制限できる
第三者認証の取得状況ISO27001やSOC2など、セキュリティに関する第三者認証を取得している

4. サポート体制を確認する

IT専任担当者がいない企業では、導入ハードルの低さが重要です。クラウド型かエージェント型か、テンプレートや設定の自動化があるか、管理画面は直感的に使えるかなどを確認しましょう。

サポート面では、操作説明だけでなく業務改善の視点からアドバイスしてくれるコンサルティング型のサポートがあると、ツールの効果を最大限に引き出せます。

タイプ別業務可視化ツールおすすめ4選

1. 時間の使い方を可視化するツール

MITERAS仕事可視化

従業員のPC操作を自動で記録し、働き方の傾向を客観的なデータで把握できます。労働時間の適正管理や業務ごとの所要時間やコストを分析したい企業に適したタイプです。

サービス名月額料金(1名あたり・税込)特徴効果
MITERAS仕事可視化210円~1分単位のPCログ取得により、勤務時間と作業時間の突合ができるサービス残業の防止や、テレワーク時の隠れ長時間労働の発見
Qasee要問い合わせ操作ログから業務データを自動収集し、ストレスや負荷状況まで分析管理者によるチームの状態把握や社員のセルフマネジメントを促進
TimeCrowd要問い合わせボタンひとつでタスクの作業時間を計測できるシンプルなツールチーム全体の工数管理や原価計算が容易に

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年4月時点

2. 進捗・タスクを可視化するツール

Asana
Asana

タスクの担当者や期限を明確にし、プロジェクト全体の見える化を実現します。プロジェクト全体の状況やメンバーの負荷状況を把握したい企業に適したタイプです。

サービス名月額料金(1名あたり・税込)特徴効果
Asana1,320円~タスクの依存関係やプロジェクトの進捗を、リストやボードなど多彩な形式で可視化ワークフローの自動化機能で定期作業を自動化し、社員の負荷を軽減可能
Backlog99円~国産のプロジェクト管理ツール。ユーザー数無制限の定額制が魅力ガントチャート、掲示板、Wikiなどが一つに凝縮され、UIが使いやすい
Smartsheet要問い合わせExcelのような操作感で、プロジェクト管理や自動化ワークフローを構築可能慣れ親しんだ形式で管理しつつ、ダッシュボード機能で経営指標や全体進捗も高度に可視化

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年4月時点

3. 業務フロー・手順を可視化するツール

octpath

業務フローの可視化により、改善すべきポイントを明確にできます。ボトルネックの特定や業務標準化を進めたい企業に適したタイプです。

サービス名月額料金(1名あたり・税込)特徴効果
octpath150円~業務フロー図の作成から進捗管理までをカバーする誰が次に何をすべきかが明確になり、業務の滞留を防ぐ
Ranabase264円~業務フロー図作成に特化。テンプレートが豊富で初心者も使いやすいプロセスの棚卸しから改善分析まで可能
Lucidchart1,430円~直感的なドラッグ&ドロップで、フローチャートや組織図を簡単に作成リアルタイム共同編集に強く、複雑な業務フローも議論しながら共有可能

※ 月額料金は一般的なプランにおける価格設定
※ 2026年4月時点

4. 業務全体を可視化する業務管理システム

プロワン
業務可視化ができる「プロワン」

プロワンは、顧客情報から案件の進捗、原価管理までを一元的に可視化し、データに基づいた経営判断をサポートします。設備工事・リフォーム・ビルメンテナンスなど、現場業務に特化したシステムです。

利用カテゴリ具体的な機能
営業顧客データ管理、進捗可視化、営業履歴など
現場業務標準化、スケジュール管理、写真・ファイル管理など
経営利益分析、リアルタイムダッシュボードなど


顧客管理から見積もり、施工進捗、請求・入金までを共有できる点が特徴です。現場アプリから報告するだけでデータが自動で蓄積され、ダッシュボードで売上・原価・案件別の利益率を可視化できます。

業務可視化ツールでよくある質問

── 費用対効果の説明はどうすればいい?

導入提案には、数字で効果を示すことが重要です。以下のステップで試算しましょう。

ステップ内容
1. 現状把握課題にかかっているコストを算出する月200時間×時給2,500円=月50万円
2. 目標設定削減率と削減額を試算する30%削減→年間180万円削減
3. 費用算出初期費用+ランニングコストを出す初年度140万円
4. 回収期間削減額と投資額を比較する初年度で回収、2年目以降は年間120万円の効果

最もわかりやすいロジックは、残業代の削減効果です。「月額1人あたり数百円のツール導入により、月平均5時間の残業代(15,000円相当)を減らせる」という試算は、魅力的な投資案件となります。

──  業務可視化ツールと勤怠管理システムの違いは?

目的と把握できる情報が異なります。勤怠管理システムと業務可視化ツールを連携すれば、申告された勤務時間と業務実態を照合でき、正確な労務管理が可能になります。

項目勤怠管理システム業務可視化ツール
主な目的労働時間の記録・集計業務内容・作業状況の把握
わかること出勤・退勤日時業務時間中の行動
主な用途給与計算・労働時間管理業務改善・生産性分析

──  従業員に監視と思われない説明は?

監視ではなく「業務改善、働きすぎの防止、公平な評価」のためであることを強調し、ポジティブな目的を共有しましょう。取得するデータの範囲や利用目的を明示し、プライバシーに配慮した運用ルールを策定することで、不安を軽減できます。

プライバシーに配慮した運用ルール

  • プライベートな時間帯は記録対象外にする
  • 個人を特定した分析は、本人の同意なしにしない
  • 収集データの利用範囲と保管期間を明確にする

── テレワーク環境でのセキュリティは?

タイトルや使用時間のみを記録する仕様のツールを選ぶのが一般的です。逆に「キーロガー」のように文字情報そのものを記録する機能は、プライバシー侵害のリスクが高くなります。また、多くの業務可視化ツールは通信の暗号化やデータの国内保管など、高度なセキュリティ対策が施されています。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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