ワークフローシステムとは?承認スピードが改善した3例とおすすめ13製品

「上司の机の上で稟議書が止まっている」
「ハンコのために帰社が必要…」

非効率なフローによる現場の不満を知りつつも、有効な改善策を見つけられない企業も多いです。そこで、ワークフローシステムの導入メリット、他社の導入事例、目的別の製品比較まで、自社に適した承認フローの道筋を紐解いていきましょう。

ワークフローシステムとは?4大メリット

ワークフローシステムとは、社内の承認業務をデジタル化し、効率的に管理できる仕組みです。紙やExcelで処理していた稟議書や経費精算、休暇申請などの承認フローを電子化することで、次のような業務改善が期待できます。

項目紙・Excelワークフローシステム
承認スピード上司の不在や出張で数日間停滞するスマホ承認により出先でも承認可能
進捗管理誰の机で止まっているか不明確承認フローやステータスが可視化される
コンプライアンス対策紛失リスクがあり検索に時間がかかるクラウド保存で紛失ゼロかつ即時検索可能
コスト削減印刷代、保管スペースが発生ペーパーレス化により物理コストを削減

1. 承認スピードの迅速化

部長や役員クラスの出張が多い企業では、承認者が社内にいないといった物理的な制約があります。ワークフローシステムを導入すると、月初の締め作業や急ぎの稟議であっても、承認されやすくなってリードタイムを短縮できます。

プロセス効果
申請フォーマットの自動入力補助で、作成ミスや記入漏れによる差し戻しが減少
回覧社内便や手渡しでの書類移動がゼロになり、次の承認者へ瞬時に通知が届く
承認移動中や出張先から決裁できるため、帰社を待つ待機時間が消滅する
決裁後承認完了と同時に申請者へ通知され、次の業務アクションへ即移行できる

2. 進捗管理の可視化

ワークフローシステムなら承認ルートを柔軟に変えたり、権限を付けなおしたりできます。さらにどこで承認が止まっているかがすぐにわかりますし、アラートで促せるために効率的です。また、営業担当者が移動中に経費精算を申請したり、「押印のためだけに出社する」という非効率さがなくなることは、多様な働き方を促進できます。

3. コンプライアンス対策の強化

申請から承認までの履歴がすべてシステムに記録されるため、「いつ、誰が、何を承認したか」が明確になります。不正な申請や承認漏れを防ぐ仕組みとして機能し、監査対応もスムーズです。法対応のために新たな工数をかけるのではなく、システムを利用するだけで自然とコンプライアンスが遵守されます。

項目効果
真実性の確保訂正や削除の履歴が自動的に記録され、データ改ざんが不可能
可視性の確保税務調査で必要な「取引年月日」「金額」「取引先」での検索要件を標準で満たす
証憑保存電子データを申請書に紐づけて保存し、電帳法の要件に対応する
監査対応監査時に指定されたデータを即座に提出できる

4. コスト削減の仕組み化

紙の書類管理で発生しがちな「紛失」や「誤廃棄」のリスクを排除し、必要な情報をすぐに検索できる環境が構築されます。書類を確認するために、分厚いファイルを探す手間がありません。新しい稟議を作成する際も、検索機能を使えばすぐに過去の類似案件にアクセスできます。

項目効果
紛失・汚損物理的な紛失や破れなどの心配がない
検索性日付、申請者、金額、件名などのキーワードで検索可能
アクセス権閲覧権限を細かく設定でき、部外者の目に触れるリスクや持ち出しを防止
版管理常に最新のフォーマットが適用され、古い様式を誤って使用するミスを防ぐ

ワークフローシステムの導入事例3選

CASE1. プラント工事における株式会社倉持鉄工の事例

株式会社倉持鉄工

工場設備や生産設備のプラント工事を手掛ける株式会社倉持鉄工は、ワークフロー機能のある業務管理システムを導入し、見積書の承認など業務プロセスの可視化・制御を実現しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
ワークフロー機能見積書の申請・承認フローを定義内容を確認しないまま提出できてしまう状況を解消
あいまい検索過去の案件情報をキーワードで検索LINEを遡る手間がなくなり業務が効率化
カンバンボード案件の進捗状況を可視化して管理今どの時点にいるかが一目で把握可能に
収支管理機能案件登録と書類発行で粗利を自動計算各案件ごとの収支を適切に把握

同社では見積書作成、請求書作成、案件の進捗管理など業務全体でシステムを活用しています。今までは見積書のチェック体制が整っていませんでしたが、ワークフロー機能を使うことで、申請・承認の業務プロセスを可視化し、制御できるようになりました。

プラント工事の事例

  • ワークフロー機能により見積書や請求書のチェック体制を構築
  • LINEでのやり取りから脱却し、過去の案件情報を検索で簡単に取り出せる
  • 案件がどの段階にあるか可視化され、進捗管理が効率化

CASE2. 消防設備工事における真弓興業株式会社の事例

真弓興業株式会社

消防設備の設計・施工・保守を手掛ける真弓興業株式会社は、ワークフローができるシステムを使って、紙やExcel中心だった書類管理から脱却し、書類や情報のリアルタイム共有を実現しました。具体的なシステムの活用方法は主に4つです。

特徴活用方法効果
リアルタイム情報共有書類のやり取りをシステム上で通知対面やメール中心だった伝達の時間短縮とミス防止
案件別ファイル管理写真やファイルを案件ごとに集約・保存データが蓄積され見積作成の効率化に貢献
見積・実行予算作成システム上で承認エクセル作成と紙での回覧の手間を削減
書類の一元管理担当ごとにバラバラだった管理が一元化情報へのアクセス簡易化

従来は書類作成や共有にかなりの手間と時間がかかっていましたが、管理が一元化したことで情報のやり取りもスムーズになりました。効率化で生まれた時間を活用し、新しい仕事やチャレンジへの取り組みを計画しています。

消防設備工事の事例

  • 紙でファイリングしていた書類がシステム上で管理され、必要なデータを探す時間を削減
  • 営業段階・見積作成・施工段階で異なっていた管理方法が統一され、情報の行き違いが解消
  • ペーパーレス化が進展し、机の上で書類が行方不明になる事態がなくなった

CASE3. アグリテック事業における日栄インテック株式会社の事例

ビニールハウスやコンテナ型植物工場などアグリテック関連設備を手掛ける日栄インテック株式会社は、ワークフロー機能を持つオールインワンシステムによって、自社に合った承認フローを再現しました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
ワークフローカスタマイズ画面項目・承認ルートを役割ごとに設定自社の業務フローをそのままシステムで再現
変更履歴管理「誰が・いつ・何を」変えたかを自動記録変更履歴の後追いがラクに
テンプレート機能仕様をあらかじめ登録し案件ごとに呼び出し図面・仕様書・見積が一式そろい提案スピード向上
権限制御機能閲覧・編集・承認権限を部門ごとに細かく設定部門間で見せたい情報だけを安全に共有

同社では半年〜1年に及ぶ長期案件が多く進捗の管理が大変でしたが、ワークフローのカスタマイズで、思い描く業務管理をシステム上に再現しました。これにより見積書の申請工数が削減され、営業1名で年間3件だった受注を6件まで引き上げる目標に向けた余力づくりが進んでいます。

アグリテック事業の事例

  • ワークフローをカスタマイズし、自社に合わせた業務管理が実現
  • 補助金対応時の履歴確認にかかる時間を短縮
  • 担当者PCに散在していたデータが一元管理され、共有がスムーズに

ワークフローシステムの選び方

1. 自社の従業員規模と利用人数で選ぶ

製品によって適正な利用人数は異なります。小規模向けのシステムを大企業で使うと、機能不足や動作遅延が問題になり、逆に、大規模向けの高機能システムを小規模企業で導入すると、使いこなせずコストだけかさむといった状況になりかねません。

企業規模詳細
小規模企業(~50名)シンプルで直感的な操作性を重視。月額料金が従量課金制のクラウド型システムを選べば、初期投資を最小限に抑えられます。
中規模企業(50~500名)複数階層の承認フロー、ユーザー数に応じた段階的な料金プランがあれば、成長に合わせた拡張が可能です。
大規模企業(500名~)多言語対応、高度なアクセス権限設定、大量データの処理能力が必要に。オンプレミス型ならセキュリティポリシーに応じた運用が実現可能です。

2. 既存システムとの連携性で選ぶ

現在Excelで申請書を管理している場合、Excelフォーマットをそのまま取り込める製品を選ぶと、移行がスムーズです。また、会計システムや人事システムなど、連携したい既存システムがあれば接続性を確認しましょう。今は未定でもAPI連携に対応している製品であれば、将来的なシステム拡張に対応できます。

  • 人事・勤怠管理システムと連携することで、従業員情報の一元管理が可能
  • SlackやMicrosoft Teamsと連携し、申請通知をチャットで受け取れる
  • 承認されたデータを自動で会計システムに取り込めれば、経理部門の業務効率化に

3. 操作性・画面の見やすさで選ぶ

操作性の良し悪し、画面の見やすさは、システム定着率に直結する重要な要素です。無料トライアルやデモ環境を活用し、実際の操作感を確認することをおすすめします。見極めるポイントは以下のとおりです。

ポイント詳細
直感的なUI設計マニュアルを読まなくても、画面を見れば次にどの操作をすれば良いか分かる
入力のしやすさ申請フォームの項目が分かりやすく配置され、入力ミスを防ぐバリデーション機能があるか
モバイル画面タップしやすいボタン配置や、見やすいフォントサイズなど、モバイル専用の最適化がされているか
カスタマイズ性担当者が自分で申請フォームを作成・修正できるか

4. クラウド型かオンプレミス型かで選ぶ

システムの提供形態は、クラウド型とオンプレミス型の2つに大別されます。初期投資を抑えたい、迅速に導入したい、IT人材が不足している中小企業にはクラウド型が適しています。機密性の高い情報を扱う業種や、独自のセキュリティポリシーを厳格に運用したい大企業にはオンプレミス型をおすすめします。

項目クラウド型オンプレミス型
初期費用低い(0円~)高い(数十万円~)
導入期間短い(数日~数週間)長い(数ヶ月~)
運用・保守ベンダーが対応自社で対応が必要
カスタマイズ性制限がある場合も自由度が高い
セキュリティベンダー依存自社管理が可能
アクセス性インターネット環境があればどこでも可能社内ネットワークに依存

目的別ワークフローシステム4種

1. 申請・承認特化型

X-point Cloud

稟議や各種申請の承認プロセスに特化したタイプです。シンプルな操作性と手頃な価格が特徴で、まずはワークフローのデジタル化から始めたい企業に適しています。

サービス名月額料金形態特徴
X-point Cloud1人500円〜クラウド国内シェアNo.1。紙のイメージそのままの申請フォームを作成可能。直感的な操作性で使いやすい
コラボフロー1人500円〜クラウド・オンプレミスExcelの帳票をそのままWebフォームに変換可能。既存のExcel資産を活かした導入ができる
Shachihata Cloud1人100円〜クラウド電子印鑑との連携が強み。紙の運用を変えずにデジタル化したい企業向け
ジョブカンワークフロー1人300円〜クラウド
社内のあらゆる申請書をクラウド管理できる。他のジョブカンシリーズとも連携可能。

※ 2026年1月時点

2. バックオフィス業務一体型

バクラク申請

経費精算、請求書処理、勤怠管理などのバックオフィス業務とワークフロー機能が統合されたタイプです。申請から後続処理までを一気通貫で管理でき、業務全体の効率化を実現できます。

サービス名月額料金形態特徴
バクラク申請要お問い合わせクラウドAI-OCRで書類を自動読み取り。会計ソフトとの連携が充実。
マネーフォワード クラウド4,480円〜クラウド経費精算・請求書・給与など幅広い業務をカバー。中小企業から上場企業まで対応
freee
要お問い合わせ
クラウド経費精算・会計と一体化したワークフロー。機能ごとに承認フローの利用が可能

※ 2026年1月時点

3. 大企業・複雑フロー対応型

intra-mart AccelPlatform

大規模組織の複雑な承認フローや、厳格な内部統制要件に対応できる高機能タイプです。カスタマイズ性が高く、基幹システムとの連携も柔軟に行えます。

サービス名月額料金形態特徴
intra-mart AccelPlatform要お問い合わせクラウド・オンプレミス大規模・複雑な業務プロセスに対応。申請画面を簡単に作成でき、ERPとの連携実績も多数
AgileWorks30万円〜クラウド・オンプレミス複雑な承認ルートや条件分岐に柔軟に対応。組織変更への追従性が高い
ServiceNow要お問い合わせクラウドワークフロー構築やサポートデスクの運用管理といった社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理

※ 2026年1月時点

4. グループウェア一体型

プロワン
ワークフローができるシステム「プロワン」

スケジュール管理、掲示板、ファイル共有などのグループウェア機能とワークフロー機能が一体となったタイプです。1つのシステムで情報を一元管理できます。

サービス名月額料金形態特徴
プロワン要お問い合わせクラウド現場のある業界に特化。ワークフロー機能からファイル共有、スケジュール管理、見積管理、案件管理、入金管理など社内の業務を一元管理できる
サイボウズ Garoon1人900円〜クラウド・オンプレミス大企業向けの豊富な機能と高いカスタマイズ性。日・英・簡・繁の4言語対応
desknet’s NEO1人600円〜クラウド・オンプレミスノーコードで業務アプリを作成可能。自社の業務に合わせて機能を無制限に増やせる

※ 2026年1月時点

ワークフローシステムでよくある質問

——少人数でも導入メリットはある?

少人数の企業でも、申請書の作成・回覧・管理にかかる時間は発生しており、以下のような導入メリットがあります。また、月額数百円から利用できる製品も多く、コスト面でのハードルも下がっています。

  • 出先でも申請の入力・承認ができる
  • システム上で申請書の一元管理が可能
  • 内部統制の基盤を早期に整備できる
  • 事業拡大時にスムーズに対応できる

——スムーズに導入するためのポイントは?

システム導入が失敗する最大の原因は、現場の抵抗と混乱です。スムーズな移行を実現するためには、段階的な導入ステップが必要になります。

STEP1. 現状分析とゴール設定

現在の承認フローの問題点を洗い出し、システム導入によって何を改善したいのか明確にします。

STEP2. パイロット運用

全社一斉導入ではなく、特定の部署や申請書類からスタートします。パイロット期間中に問題点を洗い出し、現場からのフィードバックを積極的に取り入れることで、本格運用時のトラブルを最小限に抑えられます。

STEP3. 運用ルールのマニュアル策定

明確な運用ルールがなければ、混乱が生じます。申請のタイミング、差し戻しや修正の手順、承認権限の範囲など、「誰が、いつ、どのように使うのか」を定めたルールとマニュアルの整備が不可欠です。

STEP4. 継続的なフォローアップ

定期的に利用状況をモニタリングし、問題があれば迅速に対応します。アンケートやヒアリングを通じて、使いにくい点や改善要望を吸い上げ、システムを最適化していきましょう。

——既存の紙の申請書は電子化しなければいけない?

まずは頻繁に使われる申請書類や、承認に時間がかかっているものから優先的に電子化することをおすすめします。段階的に移行することで、現場の負担を減らしながらスムーズに導入できます。

ただし、期間を明確に定め、いつまでに完全移行するかを事前に告知することが重要です。いつまでも併用を続けると混乱を招き、システムの定着が遅れます。

——今使っているExcelの申請書をそのまま再現できる?

「X-point Cloud」や「コラボフロー」といった製品は、ExcelやWordで作成された既存の申請書を、そのままWebフォームとして取り込む機能を備えています。従業員が使い慣れたフォーマットでシステム化できるため、移行時の混乱を最小限に抑えられます。

機能運用への影響
入力のプルダウン化・自動計算手入力の項目が減ることで、入力ミスや計算間違いがなくなる
必須チェック記入漏れがあると申請ボタンが押せないように制御、不備を未然に防ぐ
項目追加項目が増えた場合も、システム上で簡単に修正が可能

——セキュリティ面は問題ない?

主要なクラウド型製品は、データの暗号化、アクセス権限管理、操作ログの記録など、セキュリティ対策が施されています。ISO27001(ISMS)認証やSOC2認証を取得している製品も多くあります。また、自社内のキャビネットで紙を管理するよりも、クラウドの方がセキュリティレベルは高くなります。

セキュリティ機能詳細
通信の暗号化SSL/TLSによる暗号化通信により、第三者による盗聴や改ざんを防ぐ
データバックアップ災害に強いデータセンターで多重にバックアップされる。BCP(事業継続計画)対策になる
アクセス制限IPアドレス制限や二段階認証により、許可された端末・人物以外からのアクセスを遮断する
物理的リスク紙の紛失、盗難、火災による焼失といったリスクがない

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部所属。業務管理システム「プロワン」のコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

プロワンの導入をご検討中の方はこちら

顧客対応から施工、請求までの業務を一気通貫で管理。業界特化型のSaaSでより効率的な業務管理を実現しましょう。

3分でわかる詳しい資料をプレゼント
資料アイコン 無料サービス資料ダウンロード