請求書管理システムとは?受領・発行・保管のDX事例とAI搭載でおすすめ9製品

「入力ミスで手直しが発生した」
「インボイスの番号照合に時間がかかる」

そこで、請求書管理システムで解決できる課題から導入事例、目的に合ったシステムの選び方、具体的な製品比較まで、経理部門の負担を減らすための解決策を順に見ていきましょう。

請求書管理システムとは?解決できる4つの課題

請求書管理システムとは、請求書のデータ化、作成、承認、会計連携を一元管理するツールです。従来の手入力作業が不要になり、受領から仕訳作成までシステム上で完結します。主な機能は以下のとおりです。

機能具体的な内容
請求書のデータ化AI OCRによる文字読み取り、自動入力
請求書作成・発行テンプレートによる作成、メール送付、郵送代行
承認ワークフロー部門ごとの承認ルート設定、通知の自動化
会計連携会計ソフトへの仕訳データ自動送信
電子保管タイムスタンプ付与、検索性の確保
法令対応電子帳簿保存法、インボイス制度の要件充足

1. 請求データが会計システムに自動反映される

請求書管理システムの実画面

請求処理で負担となるのは、請求書の内容を会計システムへ手入力する作業です。従来は転記だけで、1枚5分~10分かかることも珍しくありません。印刷や封入の手間、郵便局への投函といった物理的な作業も手間がかかります。それが請求書管理システムを導入すると以下のメリットが得られます。

請求書管理システムのメリット

  • 手入力工数の削減と入力ミスの防止
  • 封入や投函作業の軽減
  • 印刷代や郵送コストの削減
  • 請求書の検索が容易
  • バージョン管理の手間の削減
  • 承認履歴の自動記録で監査対応がスムーズ
  • 紙の紛失リスクがゼロ
  • 物理的な保管スペースが不要

2. AI OCRで手間の削減とミスを防ぐ

請求書管理システムの強みの1つは、AI OCR(AIによる光学文字認識)と呼ばれる技術です。従来のOCRは、フォント形式や用紙のレイアウトが変わると認識精度が落ちる弱点がありましたが、AIを組み合わせることで、手書き文字や独自フォーマットにも対応できます。

読み取ったデータは、あらかじめ設定したルールに従って自動で仕訳データに変換されます。例えば、取引先A社から届いた請求書は「通信費」、取引先B社は「消耗品費」といった勘定科目の自動割り当てが可能です。経理担当者は仕訳の入力作業から解放され、確認とチェックだけに集中できるようになります。

AI OCRによる自動化の流れ

  1. 請求書をシステムにアップロード
  2. AI OCRが項目を自動抽出
  3. 事前設定ルールに基づき勘定科目の自動割り当て
  4. 仕訳データを会計ソフトへ自動送信
  5. 経理担当者が最終確認し承認

3. インボイス制度や電帳法に自動対応できる

2023年10月開始のインボイス制度により、登録番号確認が仕入税額控除の必須要件となりましたが、請求書管理システムなら登録番号の自動チェックや適格請求書の自動作成が可能です。

また、電帳法改正による電子請求書の保存要件(タイムスタンプ付与、検索機能、訂正削除履歴の記録)にもすべて対応しており、法改正のたびに業務フローを見直す必要がなくなります。

4. 経理部がテレワークしやすくなる

テレワークが普及した現在も、請求書の受領や、押印のために、出社を余儀なくされる経理部門は少なくありません。請求書管理システムを導入すれば、請求書の受領から承認・発行・送付・保管まで、オンライン上で完結できます。承認者はスマホやタブレットからでも承認作業が可能です。

システム導入前システム導入後
Excelで作成し、印刷して押印クラウド上で作成し、電子印鑑を付与
手作業で封入し、ポストへ投函ワンクリックでメール送付
郵便の請求書を受け取るメールやクラウド上で請求書を受領
紙を回覧して押印を依頼承認フローを電子化し、どこからでも承認可能
紙の請求書を会計ソフトへ手入力自動連携でデータが反映
書庫に保管システム上に自動保存

請求書管理システムの導入事例3社

CASE1. プラント工事における株式会社佐々木プラントの事例

株式会社佐々木プラント

食品、飲料、医薬品業界向けのプラント工事を手掛ける株式会社佐々木プラントは、請求書管理ができる業務システムを導入し、見積書や請求書のフォーマットを統一しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
帳票フォーマットの統一見積書から請求書への自動反映転記の手間がなくなった
利益率の自動計算原価入力と同時に利益率への反映収益をその場で確認できるようになった
モバイル対応の帳票作成現場でのスマホによる書類作成事務所に戻る必要がなくなった

担当者ごとにバラバラだった書式がひとつに揃い、見積書の内容がそのまま請求書へ引き継がれる仕組みが整いました。システム導入で都度の打ち直しがなくなり、営業部と工事部の書類業務がスムーズに回りはじめています。

プラント工事の事例

  • 見積もりから請求まで部署をまたいで一連の流れで追えるようになった
  • 案件ごとの書類や原価データを、必要なときすぐに引き出せるようになった
  • 完成報告書への署名がその場で済み、請求までの日数が短くなった

CASE2. 生活支援・介護事業におけるNPO法人おひとりさまの事例

NPO法人おひとりさま

生活支援と介護事業をしているNPO法人おひとりさまは、請求書管理ができる案件管理システムを使って、見積書や請求書の管理体制を整えるとともに入金状況を見える化しました。具体的なシステムの活用方法は主に3つです。

特徴活用方法効果
請求一覧の自動整理未回収の請求書のリスト化漏れにすぐ気づけるようになった
入金ステータスの追跡請求から入金までの流れの可視化入金の有無が一目でわかるようになった
見積もりから入金の連動見積もり・契約・請求・入金の一括処理月120〜130件を手間なくさばけるようになった

導入前は担当者が個人で書類を抱えており、入金の有無すら把握しきれない状態でした。システム導入で請求漏れと入金状況がひと目で追えるようになり、正確な請求業務が根づいています。

生活支援・介護事の事例

  • 誰がどの利用者を担当するかが明確になり、対応の抜け漏れが減った
  • 請求の取りこぼしがなくなり、毎月の収入が安定するようになった
  • 事務作業に追われる時間が減り、利用者への訪問に充てられるようになった

CASE3. イベント企画・運営における株式会社セブンサービス企画装飾の事例

株式会社セブンサービス企画装飾
株式会社セブンサービス企画装飾

イベントの企画、会場設営、運営を手掛ける株式会社セブンサービス企画装飾は、請求書管理ができるオールインワンシステムによって、見積書作成から請求管理までをひとつの仕組みにまとめました。システムによる主な効果は次のとおりです。

特徴活用方法効果
拠点横断のデータ共有本部・営業・現場からの案件情報の閲覧確認のためだけの連絡が不要になった
過去見積書のテンプレート化類似案件の見積書を複製して再利用月100〜120件の見積書づくりが大幅に早くなった
複数税率への自動対応税率が異なる品目の一括処理案件ごとの請求金額を正確に出せるようになった

以前は専用パソコンが限られ、順番待ちで手が止まることも珍しくありませんでした。オールインワンシステムの導入により出先や移動中でも見積もりから請求までひと通りの作業をこなせるようになり、場所を選ばない働き方が浸透しています。

イベント企画・運営事の事例

  • 出先や自宅からでも作業が進み、場所を問わない働き方が根づいた
  • イベント本番日を軸にした業務フローを、自社仕様に組み替えられた
  • 失注率や粗利の数字がリアルタイムで見え、経営判断が早くなった

請求書管理システムの選び方3ステップ

1. 受領と発行型のどちらが必要かを決める

請求書管理システムには、大きく分けて3つのタイプがあります。

タイプ詳細目的
受領型取引先から受け取る請求書を処理と管理に特化したシステム紙やPDFで届く請求書の入力作業をなくし、インボイス制度や電帳法の対応を軽減したい
発行型請求書の発行と送付を管理できるシステム請求書作成のミスをなくし、郵送の手間やコストを削減したい
受領・発行型請求書の受領と発行の両方に対応し、請求業務全般を管理できるシステム受領と発行を1つのシステムで管理し、経理業務の効率化をしたい

例えば、仕入先が多い小売業や製造業では、受領処理の効率化が優先です。逆にフリーランスや小規模事業者の場合、請求書を発行する機会が多いため、発行型が最適です。請求業務全体のDXしたい中堅企業では、受領・発行型を選択することで社内の運用がシンプルになります。

自社の目的が「受領業務の効率化」「発行業務の改善」「請求業務全体のDX化」のどれかを明確にした上で、適切なタイプを選びましょう。

2. AI OCRの精度を試してみる

AI OCRの読み取り精度は請求書のフォーマットや印字品質、手書き文字によって大きく左右されます。試用版やデモで実際の請求書を読み取らせて確認することが重要です。

項目詳細
手書き文字への対応 取引先に個人事業主が多い場合、手書き請求書への対応は必須
レイアウトの柔軟性独自フォーマットの請求書でも正確に読み取れるか
読み取り項目の網羅性請求日、金額、品目だけでなく、支払期日や振込先も抽出できるか

一部のシステムでは、AI OCRで読み取れなかった部分をオペレーターが目視でチェック、手入力で補完する入力代行サービスを提供しています。

3. 自社の会計ソフトと連携を確認する

請求書管理システムで取り込んだデータは、最終的に会計ソフトへ反映させる必要があります。多くの請求書管理システムは「弥生会計、freee会計、勘定奉行」などの主要な会計ソフトとの連携に対応していますが、連携の形式やデータの受け渡し方法はシステムごとに異なります。以下の点をチェックしましょう。

連携のチェッポイント

  • 連携方式は手動インポート、CSV出力、API連携のどれか
  • 勘定科目や補助科目の自動割り当てに対応しているか
  • データの反映タイミングはリアルタイムか、日次バッチか

CSV出力は、定期的に手動でインポート作業をする必要があり、多少の手間がかかります。API連携に対応していれば、仕訳データが会計ソフトに自動で反映されるため、作業の完全自動化が実現します。

タイプ別請求書管理システム9製品

1. 受領特化型請求書管理システム

BillOne

請求書の受取と入力業務を効率化したい企業におすすめです。法対応の不安とアナログ作業の負担を解消できます。

システム名特徴ポイント
BillOneAI OCRとオペレーターによるデータ化で、99.9%という高い精度を実現受け取る請求書の数が多く、コストをかけても手間削減したい企業におすすめ
TOKIUMインボイス請求書の受取とスキャンを完全代行。会社に紙が届かず完全なペーパーレス化が可能経費精算や契約書管理のシステムとも連携し、会社のあらゆる支出業務を一元管理できる
invox受取請求書データ化したい枚数分だけ課金される従量課金制、スモールスタートで導入できるAI OCRとオペレーターも請求書ごとに使い分け可能。コストパフォーマンスが高い

※ 2026年4月時点

2. 発行特化型の請求書管理システム

Misoca

請求書作成の手間とミスをなくしたい企業におすすめです。郵送やメール送付まで自動化できるため、少人数でもスムーズに業務が回ります。

システム名特徴ポイント
Misoca弥生シリーズのサービス。画面がシンプルで簡単に請求書作成、メール送付、郵送代行が可能とにかく簡単に請求書発行したい個人事業主や少人数の企業におすすめ
MakeLeaps請求書の発行だけでなく、社内承認フローや入金消込までカバーする高機能なシステム請求書を一元管理したい企業向け、郵送代行機があり、封入と投函の手間も削減できる
freee請求書作成のみなら基本無料。枚数制限もなく、インボイス制度に対応した適格請求書の作成と保存が可能ユーザー数の追加や請求書の自動作成をしたい場合は追加料金でアップグレードが必要

※ 2026年4月時点

3. 受領・発行型の請求書管理システム

BtoBプラットフォーム

システムを増やさず、発行と受取の双方を管理したい企業におすすめです。1つの画面でシステムで完結するため運用がシンプルになります。

システム名特徴ポイント
BtoBプラットフォーム国内シェアNo.1。請求書以外の契約書や受発注業務も、同シリーズで一元管理可能大手・中堅企業向け。取引先も利用していれば、双方がシステム上で繋がり完全デジタル化できる
INVOY初期・月額が基本無料。メンバー招待も無制限のため、複数人でのデータ共有や権限管理も可能コストゼロで受発注の両方を一元管理できる

※ 2026年4月時点

4. 請求から経営まで一気通貫で連携するシステム

請求書管理ができるシステム「プロワン」

プロワンは請求書発行や管理機能を備えた業務管理システムです。営業や現場が入力した見積書を「ワンクリック」で請求書になるため、スピーディーに請求書を発行できます。請求処理がラクになるだけでなく、会社全体の業務改善が可能です。

利用カテゴリ具体的な機能
営業見積もりデータを引き継ぎ、転記なしで請求書を作成。合算や分割など、複雑な請求パターンにも柔軟に対応
現場工事の進捗に合わせた出来高請求に対応。請求確定と同時に原価も計上され、現場ごとの利益を正確に管理
経営請求データから売上や粗利を自動集計しグラフ化。リアルタイムな数値分析により、回収漏れを防ぎ素早い経営判断を実現

請求データなどをもとに案件ごとの原価や粗利を見える化し、どんぶり勘定からの脱却を図ることができます。

請求書管理システムの注意点とQ&A

── AI OCRは信頼できる?

AI OCRの精度は一般的に90〜98%程度ですが、どんなに高精度なAI OCRでも100%にすることはできません。特に手書き文字や複雑なレイアウトの請求書では、誤読が発生しやすいです。以下のような最終チェックフローを設けます。

最終チェック体制

  • システムが読み取ったデータを、経理担当者が画面上で元の請求書画像と照らし合わせて確認する
  • 金額や日付など、重要な項目についてはダブルチェックを行う
  • 誤読が多い取引先や請求書フォーマットを特定し、ベンダーにフィードバックしてAIの学習精度を向上させる。

ヒューマンエラーは完全には排除できないため、疑わしい箇所を見逃さない仕組みを社内で整備しておきましょう。オペレーター補正サービスを利用する場合でも、最終の確認を自社で行うことが推奨されます。

── 紙の請求書は廃棄できる?

導入する請求書管理システムが電帳法に対応しているか確認しましょう。電帳法で定められた保存の要件を満たしていれば、紙の請求書を廃棄可能です。ただし、取引先との契約内容によっては、原本の保管を求められることもあるため、この点も確認が必要です。

推奨手順

  1. 請求書管理システムが電帳法に対応しているか確認
  2. 取引先との契約内容を確認
  3. 税理士や専門家に相談
  4. 電子化後、一定期間(3ヶ月程度)原本を保管
  5. 問題がなければ廃棄を実施

廃棄を急ぎすぎて法的リスクを負うことがないよう、税理士や専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

── 税理士とのデータ共有は可能

多くの請求書管理システムでは、外部の税理士やアドバイザーとデータを共有する機能が用意されています。アカウントを発行し、閲覧権限を付与することで、税理士が必要なデータにアクセスできるようになります。

また、CSV形式やPDF形式でのデータ出力も可能なため、税理士が使用しているツールに合わせて柔軟に対応できます。事前に税理士と相談し、どのような形式でデータを共有するかを決めておくとスムーズです。

── 導入成功のポイントは?

システムを導入する前に、まず現在の請求書処理フローを可視化しましょう。誰が、どのタイミングで、どのような作業を行っているのかを洗い出すことで、システムに求める機能が明確になります。

現状把握のチェック項目

  • 請求書の受領方法(郵送、メール、FAXなど)
  • 承認者の人数と承認ルート
  • 会計ソフトへの入力タイミング
  • 保管方法と保管期間

業務フローが整理されないままシステムを導入すると、現場との乖離が生じ混乱を招くことがあります。導入後の運用ルールも含めて、関係者と事前にすり合わせておくことが重要です。

中野貴利人

株式会社ミツモアのマーケティング本部SaaSビジネス部所属。現場向けの業務支援システム「プロワン」のAIコンテンツマーケティングを担当。建設、設備工事、ビルメンテナンス、リフォームなど、現場業界に向けたお役立ち情報を制作。著書5冊。

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