「見積もり作成に数時間かかる…」
「ミスしたときの手直しが大変」
Excelでの見積作成が非効率と気づきながらも、具体的な解決策に踏み出せない方は多いです。見積作成ソフトのメリットから、受注率を向上させた他社の成功事例、見積作成ソフトの選び方、具体的な製品比較まで、一つひとつ見ていきましょう。
見積作成ソフトとは?改善できること
見積作成ソフトとは、見積書の作成から「送付、承認、保管」までの一連の業務を効率化するツールです。
従来の紙やExcelベースの見積作成は担当者個人のスキルに依存し、入力ミスや計算ミスも発生していました。見積作成ソフトを導入することで、見積書の自動作成、過去データの参照や再利用、リアルタイムでの進捗共有などが可能です。
1. 見積書作成の時間を減らす
見積作成ソフトの最大のメリットは、見積書作成にかかる時間を削減できることです。過去の見積もりデータをテンプレートとして活用すれば、類似案件の見積書を数分で作成できます。商品マスタや顧客マスタとの連携で入力を自動化し、複雑な割引計算や税率変更も自動計算するため、チェック作業も軽減されます。
| 作業内容 | ソフト導入前の例 | ソフト導入後の例 |
|---|---|---|
| 新規の見積作成 | 約60分 | 約15分 |
| 見積書の修正・再提出 | 約30分 | 約10分 |
| 過去見積もりの検索 | 約15分 | 約1分 |
| 承認プロセス | 1〜2日 | 数時間 |
2. 自動計算で人為的ミスを防ぐ
見積書の作成では、単価や数量の入力ミス、割引や税金の計算間違い、転記ミスなどが発生します。それを見積作成ソフトの機能を使うと、次のような人為的ミスを防止できるようになります。手戻り作業やリカバリー対応がなくなることで、人件費などの間接コストも削減されるでしょう。
| 機能名 | 詳細 |
|---|---|
| 商品マスタとの連携 | 商品の価格や仕様を自動で反映する |
| 自動計算機能 | 数量×単価から消費税、値引き処理などを自動化する |
| テンプレート機能 | テンプレート機能による見積書の自動作成する |
| 権限管理機能 | 経験に応じた権限設定で、新人の誤った大幅値引きなどを防ぐ |
| コメント機能 | 交渉内容を記録し、見積もり金額の妥当性をチェックする |
3. 承認プロセスの停滞を解消する
印鑑を押すためだけに出社が必要の場合、承認待ちによる業務停滞が発生します。見積作成ソフトなら、上長への承認依頼から決裁まで、システム上で完結。承認者はスマホからでも承認できます。「今どこで止まっているか」も一目瞭然のため、ボトルネックの特定が容易です。
| 作業内容 | ソフト導入前の例 | ソフト導入後の例 |
|---|---|---|
| 承認依頼の送信 | メール作成に5~10分 | ワンクリックで自動送信 |
| 承認状況の確認 | 承認者に個別に連絡して確認 | リアルタイム表示 |
| 承認完了までの時間 | 2~3日 | 半日~1日 |
| 緊急承認の対応 | 電話連絡が必要 | プッシュ通知で即座に対応 |
4. データ分析で受注率を上げる
見積作成ソフトには見積もりと受注の乖離率、商談期間、失注理由などのデータが蓄積されます。受注しやすい価格帯や成約率の高い提案パターンを分析し、受注率をアップさせることが可能です。
見積作成ソフトのデータ活用例
- 過去の受注データから、業界別や規模別の適正価格帯を推測し、競争力のある価格設定ができる。
- 失注理由を分類・集計することで、組織として改善すべき課題を把握する。
- 成約確度の高い案件を優先的にフォローすることで、限られたリソースを最大限に活用できる。
見積作成ソフトの成功事例3選
CASE1. 総合建築における一級建築事務所 ROY株式会社の事例

一級建築事務所 ROY株式会社は、見積作成機能を持つ業務管理システムを導入し、手書きの見積作成からデジタルに移行しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 見積もり一元管理 | 1つのアプリで見積もりを集約確認 | 外出先での確認が可能に |
| ワンクリック検索 | 過去の見積書を即座に閲覧 | 必要な時に必要なタイミングで確認 |
| 見積もり確認機能 | 部下の見積もりのチェック | 見積もりを効果的に管理 |
| ペーパーレス化 | 手書きの見積書からデジタルへ移行 | 作成時間の削減、見栄えも向上 |
全国18事業所、海外1拠点で事業展開しており、「営業マンのデスクワークを削減して行動量を増やしたい」という課題がありました。見積作成機能によって、外出先でも見積もりを確認することが可能になり、チェック作業の効率化を実現しています。
建築事務所の事例
- 業務効率化により、震災時など迅速な駆けつけが必要な状況での対応力が向上
- 見積書の見栄えが向上し、お客様からの受け止め方にも良い変化
- 効果的な指導育成のサポート体制を構築でき、現場スタッフの昇進にも良い影響
- 今後は見積作成ソフトで蓄積したデータの活用を検討
CASE2. 設備工事におけるサンセキ株式会社の事例

住宅設備機器の卸売と施工を手掛けるサンセキ株式会社は見積作成ができるシステムを使って、見積書作成から発注処理までの一括管理を実現しました。具体的なシステムの活用方法は主に4つです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 見積書・発注書の一括管理 | 担当者ごとのデータを見積作成ソフトに統合 | 担当者不在でも内容把握が可能に |
| 業務フロー全体の可視化 | 1人1人の業務状況と仕事の進め方を確認 | 無駄な工数を浮き彫りし作業効率改善 |
| 統一された保存方法と命名規則 | 担当者によって異なっていた管理方法を標準化 | 他の担当者も適切なデータを探しやすく |
| Excel手入力からの脱却 | 見積書作成の自動化とFAX発注の効率化 | 営業活動に専念できる環境を構築 |
見積もりの作業の工数の多さ、業務フローの複雑化により新入社員が仕事についていけず、離職する問題も発生していました。見積書の作成を一括化したこともあって引き継ぎが容易になり、社員の定着を促す職場環境を整えることができています。
設備工事の事例
- 見積もり作成から発注処理までの作業工数が削減
- 担当者ごとに異なっていた保存方法や命名規則が統一され、書類管理が効率化
- 業務フローが複雑で対応し切れない社員の問題が解消
- 今後は請求から入金管理まで含めた経理部門との連携強化を計画
CASE3. プラント工事における株式会社倉持鉄工の事例

株式会社倉持鉄工は、見積作成機能があるオールインワンシステムによって、チェック体制が整っていなかった見積もり業務の可視化を実現しました。システムによる主な効果は次のとおりです。
| 特徴 | 活用方法 | 効果 |
|---|---|---|
| ワークフロー機能 | 見積書の承認プロセスを可視化・制御 | チェックされないまま提出できる状況を改善 |
| あいまい検索 | 過去の案件情報を簡単に検索 | LINEで遡っていた情報探しの時間をロス削減 |
| 書類の申請・承認機能 | 案件の進捗状況を可視化 | 今この時点という状態が分かりやすく |
| 自動収支管理 | 案件登録と書類発行で粗利計算 | 各案件ごとの粗利の把握が適切に |
同社は機械メーカーや建設会社、プラント工事会社から月平均15件の案件を受注しており、システムを導入することで業務の効率化して社員の仕事量削減を目指しています。
建築事務所の事例
- 見積書作成から請求書作成、案件の進捗管理まで業務全体でシステムを活用
- 情報共有の手段として使用していたLINEグループやカレンダーアプリを一元化
- 画面の見やすさと複雑すぎない操作性により、デジタルに詳しくない社員でも活用可能に
- 見積書や請求書の作成、案件の進捗管理機能を活用し、売上10億円の目標実現を推進
見積作成ソフト選定時の確認事項
1. 企業規模や事業内容との相性
企業規模により必要な機能は大きく異なります。従業員10名以下の小規模企業は、月額数千円から利用できるシンプルなクラウド型ツールが最適です。一方、中堅・大企業では、複雑な承認フローや権限管理が必須となるため、カスタマイズ性の高い製品やオールインワンシステムがおすすめです。
| 企業規模 | 詳細 |
|---|---|
| 従業員50名以下 | 基本機能に絞ったシンプルなシステムで、導入コストを抑える |
| 従業員50〜500名 | 拡張性があり、成長に合わせて機能追加できるシステムを選ぶ |
| 従業員500名以上 | カスタマイズ性が高く、複雑な承認フローに対応できるシステムが必須 |
また、建設業なら積算機能、製造業なら部品表(BOM)連携、サービス業なら工数管理など、自社の業務に合った機能を確認しましょう。
2. 既存システムとの連携性
すでに何らかの業務システムを利用している企業は、見積作成ソフトと既存のシステムと連携することで、より業務の効率化につながります。
既存システムとの連携例
- 会計システムとの連携で、見積もりデータから請求書を自動生成
- CRMとの連携で、顧客情報や商談履歴を一元管理
- 在庫管理システムとの連携で、リアルタイムの在庫状況を反映した見積書を作成
完全な自動連携が難しい場合は、CSV形式でのデータ入出力機能も確認しましょう。定期的なデータ同期でデータの二重管理を避けます。
3. サポート体制の充実度
導入後の安定稼働には、充実したサポート体制が欠かせません。確認しておきたいサポート内容のポイントは次の5つです。
サポート内容の確認ポイント
- 電話サポートの対応時間
- チャットサポートの有無
- オンラインマニュアルの充実度
- 操作研修プログラムの有無
- カスタマイズや機能追加のフォロー体制
特に導入初期はトラブルが起きやすいです。導入時の初期設定代行やデータ移行支援があるかも確認しましょう。
4. 料金プランと費用対効果
見積作成ソフトの料金体系は、大きく分けて3つのプランがあります。
| 料金プラン | 詳細 | 適している企業 |
|---|---|---|
| 月額固定制 | コストが一定だが、利用頻度が少ないと割高 | 安定した見積もり件数がある企業 |
| 従量課金制 | 見積書やユーザー数に応じて料金が変動 | シンプルな機能でまかなえる中小企業 |
| 買い切り型 | 導入時の負担が大、ランニングコストは低い | 長期利用が確実な企業 |
例えば、月100件の見積もりを作成し、1件あたり2時間削減できれば、作業時間は月200時間削減されます。時給3,000円で計算すると月60万円の効果となり、月額数万円のソフトなら十分な投資効果が見込めます。
見積作成ソフトのおすすめ5選
製品1. 見積作成から調達まで管理できるリーナー見積

リーナー見積は、見積もり依頼から仕入先選定、承認まで、見積もりプロセス全体をまるごとデジタル化する見積もりDXクラウドです。料金は月額固定制で金額は企業規模によって変動します。
| 利用カテゴリ | 具体的な機能 |
|---|---|
| 営業 | 複数サプライヤーへの一括依頼、見積もり依頼テンプレート、サプライヤーとのチャット、見積もり比較表の自動生成 |
| 調達 | ワークフロー、見積もり情報のデータベース化、品目・図番での検索、過去の価格情報管理 |
| 管理 | タスク管理・通知、社内チャット、見積もり案件の進捗管理、業務の可視化 |
見積もり業務がメールや電話、FAXで処理され、業務プロセスが見えないという課題があっても、リーナー見積によって見積もり依頼から回収、比較査定、承認までの全プロセスがクラウド内で完結されます。自動蓄積された見積もりデータを活用して、原価低減と収益性向上に貢献しています。
※ 2025年11月時点
製品2. 少人数ならお得に使える見積Rich

見積Richは、見積書の作成と承認から、納品書、請求書、領収書発行まで、すべてをWeb上で完結できる見積もり管理システムです。ユーザーが30人未満なら初期費用は0円、1人なら月額費用も0円(機能制限あり)で、小規模な企業でも導入しやすいです。
| 利用カテゴリ | 具体的な機能 |
|---|---|
| 営業 | 過去見積書・テンプレート活用、見積書の一元管理、案件追跡、商品・顧客マスタ管理 |
| 承認 | 柔軟かつ厳格な承認フロー、外出先からの承認、自動暗号化によるセキュリティ |
| 経理 | 納品書・請求書・領収書発行、インボイス制度対応、電子帳簿保存法対応、PDF発行 |
見積Rich導入により、テンプレートの活用や類似案件の流用で、誰でも効率的に見積書を作成できるようになります。時間の削減だけでなく、新人の即戦力化にも役立っています。
※ 2025年11月時点
製品3. AI機能を搭載したSales Quote Assistant

Sales Quote Assistantは、AI機能を搭載し、自由な見積もりフォーマット作成から、承認、基幹システム連携まで対応する見積書管理システムです。自社サーバーにインストールして使うパッケージ版と月額料金で利用できるクラウド版の2種類があります。
| 利用カテゴリ | 具体的な機能 |
|---|---|
| 営業 | テンプレート活用、見積もり流用、商品マスタ選択、自動採番、販売停止チェック、AI商品登録アシスト |
| 承認 | 承認ルール条件設定、印鑑押印、見積書メール送信、グループウェア連携、見積もり先行管理 |
| 経営 | SFA連携、基幹システム連携、マスタ連携、見積もりデータ送信、受注伝票変換、売上予測分析 |
営業担当者が個別にExcelで見積書を作成し、顧客対応が属人化することがあります。それがSales Quote Assistantなら、全社共有の見積もり管理体制が構築されて、AI機能によるチェックでミスの削減できます。その結果「いつでも、どこでも、誰でも」対応可能な体制を構築できます。
※ 2025年11月時点
製品4. 柔軟なカスタマイズが可能な見積デザイナー

見積デザイナーは、見積もり業務の効率化と精度向上を支援する見積管理ソフトです。買い切り型のパッケージでありながら、基本機能に加え、業務に応じた独自機能の追加ができ、基幹システムとの連携もできます。
| 利用カテゴリ | 具体的な機能 |
|---|---|
| 営業 | 見積もり状況の見える化、見積もり競争力アップ、勝敗分析、見積もり履歴管理 |
| 業務管理 | 見積もり業務の一元管理、原価情報管理、マスタ管理によるミス軽減、業務の標準化 |
| 経営 | CSV・XMLデータ連携、基幹システムとの自動連携、データ取込み形式対応 |
基幹システムとの二重入力をすると、手間とミスが発生します。見積デザイナー導入後は、見積もり業務と基幹システムの連携により、情報の一元管理が実現し、その結果「見積作成時間の短縮、業務負荷の軽減、見積もり精度の向上」などの成果が期待できます。
※ 2025年11月時点
製品5. 営業から経営まで連携できるプロワン

プロワンは、見積作成から発注、請求などの業務プロセスを一元管理できる業務管理システムです。営業・現場・経営分析まで、一気通貫で対応し、業務全体の効率化を支援します。
| 利用カテゴリ | 具体的な機能 |
|---|---|
| 営業 | 見積もりテンプレート活用、過去見積もりの流用、タブレット・スマホ対応、現地での見積もり作成、PDF出力、電子サイン、メール・SMS送信、見積もり比較表作成 |
| 業務管理 | 請求管理、入金管理、価格マスタ管理、粗利率管理、価格統制、原価管理連携 |
| 経営 | レポート・ダッシュボード、請求・入金管理、申請・承認ワークフロー、分析レポート |
導入前は、営業担当が個別に品目の価格を確認し、見積もり金額を調整していました。プロワンの導入により、個人の裁量による見積もり作成を解消し、全社統一の価格戦略を実現できます。
※ 2025年11月時点
見積作成ソフトのよくある質問
──費用対効果はどのように算出する?
定量的な効果としては、作業時間の削減による人件費削減、ミスの減少による機会損失の防止、受注率向上による売上増加などが挙げられます。例えば、営業担当者10名が週10時間ずつ作業時間を削減できれば、年間で約2,000万円相当の工数削減効果が見込めます。
営業活動の質向上、顧客満足度の向上、従業員のモチベーション向上など、数値化しにくい定性的な効果も多く存在します。総合的に評価することが必要です。
| 評価項目 | 測定方法 |
|---|---|
| 見積作成の時間 | 作業時間の計測 |
| 承認リードタイム | システムログから算出 |
| 見積もりミス発生率 | インシデント記録 |
| 受注率 | 見積もり提出数と受注数の比率 |
| 顧客満足度 | アンケート調査 |
──導入時に注意するポイントは?
見積作成ソフトの導入を成功させるためには、以下3つのポイントを押さえましょう。
1. 導入前に業務フローを整理する
システム導入前に最も重要なのは、現状の業務フローを可視化することです。誰が、いつ、どんな情報で見積書を作成し、承認がどう行われているかを明確にします。業務フロー図を作成し、無駄な工程を洗い出して最適化を図ります。
2. 段階的な導入で現場の負担を軽減
全社一斉導入は現場の混乱を招きやすいため、まず特定の部署やプロジェクトチームでパイロット運用を行いましょう。この段階で得られた改善点を反映してから全社展開することで、スムーズな移行が可能になります。成功体験を持つ先行利用者が、他部署への展開時にサポート役となることも期待できます。
3. 現場の意見を反映したカスタマイズ
継続的な改善を行う体制づくりも欠かせません。定期的に利用者からフィードバックを収集し、自社の業務フローに合わせたカスタマイズを検討します。ただし、過度なカスタマイズはコスト増加や保守性の低下につながるため、必要な機能に絞って実施します。
──今までの見積もりデータは移行できる?
ほとんどの見積管理ソフトは、CSV形式でのデータインポート機能を備えており、顧客情報、商品マスタ、過去の見積もりなどのExcelを一括で取り込むことが可能です。ただし、独自で作りこんだ計算式やマクロは、新システムにそのまま移行はできません。現在使用している機能を整理し、新システムでの実現方法を検討しておきましょう。
──情報漏洩のリスク対策は?
ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しているソフトを選ぶことで、セキュリティレベルは担保されます。また、権限を細かく設定することで、社内のアクセス制御も可能です。むしろExcelファイルの無制限なコピーや持ち出しよりも、情報漏洩リスクは低減されると考えられます。